909シングルモルトウイスキーのおすすめ人気銘柄40選|種類の違いや選び方を解説

シングルモルトウイスキーのおすすめ人気銘柄40選|種類の違いや選び方を解説

男の隠れ家編集部
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ウイスキーとは奥深い世界である。興味はあっても、どのように探っていけばよいのかわからない。そんな一見難解なウイスキーを「シングルモルト」というワードを手掛かりに、探ってみる。シングルモルトは造られた背景を映し出す。旅をするように、味わってみてはどうだろう。
目次

ウイスキーの定義

そもそもウイスキーとは、大麦・トウモロコシなどの穀物を麦芽の酵素で糖化、発酵の後、蒸留して得られるアルコール濃度の高い蒸留酒だ。ウイスキーと言っても、原料によって分類されたり、スコッチウイスキー、アメリカンウイスキーなど産地によって呼び分けられたり、その種類は幅広い。

ウイスキーは、麦芽だけを原料にしたモルトウイスキーと、トウモロコシなどの穀物を原料にしたグレーンウイスキーの2つに分けられる。この2つをブレンドしたものをブレンデッドウイスキーと呼び、複数の蒸留所で作られたり、異なる穀物から作られたりすることで魅力的な味わいを生み出す。

以下の記事では、ウイスキーの基礎知識をはじめ、美味しい飲み方や世界中で愛されている世界5大ウイスキー、おすすめ銘柄などについてより詳しく解説している。シングルモルト以外のウイスキーについても学びたい人はぜひあわせて読んでみてほしい。

シングルモルトとは

モルトウイスキーのなかでも、単一の蒸留所で大麦の麦芽のみを原料として造られたものが「シングルモルト」だ。麦芽や酵母・蒸留方法はもちろん、水質や気候など土地や蒸留所ごとの個性を強く表すものとなる。

シングルモルトの定義は国によって異なっている。代表的産地スコットランドでは原料は大麦麦芽・水・酵母のみを用い国内で仕込み、糖化・醗酵・蒸留・熟成・ボトリングを経る事、700ℓ以下のオーク樽で国内の保税倉庫で最低3年の熟成を経る事、アルコール度数94.8%以下で蒸留し40%以下でボトリングする事などが挙げられる。

ブレンデッドウイスキーがオーケストラなら、シングルモルトは音色が冴えるソロパートと言えるだろう。両者には異なった愉しみ方があるが、蒸留所ごとの個性を感じられるのがシングルモルトの最大の魅力だ。

国によって定義は変わるが、シングルモルトを筆頭に世界的なウイスキーブームは最高潮に達している。

ますます注目されるウイスキー

2000年に入り、BRICsの消費量が増えたこともあり、世界がウイスキーブームに沸いている。

5大ウイスキーの産地でもその影響は大きく、スコットランドでは約40カ所の蒸留所が新設または計画中。アイルランドもまた、一時期は4カ所しかなかった蒸留所が、今や約40カ所に届く勢いで増加率は世界ナンバーワン。

日本では、平成28年(2016)が日本の“クラフトディストラリ―元年”と称されるほど蒸留所の新設ラッシュが続いている。日本酒やビールの蔵元が参入するという動きも興味深い。さらに5大ウイスキーの産地に加え、台湾やインド、タスマニアなどでもでも大掛かりな蒸留所が誕生。まさにウイスキー激動の時代といえる。

従来、ウイスキーはストレートまたは加水をして、あるいはロックで愉しむのがセオリーだった。しかし平成20年(2008)から沸くハイボールブームで、そのセオリーはとうに打ち壊されてる。

英国の有名な酒類専門誌「Drinks International」が発表した世界のバーで人気のカクテルランキングでは、ベスト1をはじめ10位以内に3種のウイスキーカクテルがランクイン。カクテルの人気から飲み方のバリエーションが広がったことで、ウイスキーファンは増え続けている。

シングルモルトの選び方

さて、個性豊かなシングルモルトを愉しむためには違いを知る必要がある。シングルモルトの味わいを分ける要因としては、酵母、水質、ポットスティル(蒸留釜)の形状、熟成に用いる樽の種類と熟成年数、そして蒸留所の位置する場所の気候風土などが挙げられる。その中でも特に注目したい、産地と樽の種類について詳しく見ていこう。

産地で選ぶ

特徴的なシングルモルトの産地としては、ローランド、スペイサイド、ハイランド、キャンベルタウン、アイラ島、その他の島の6つの地域で製造を手掛けるスコットランドが有名だ。

また、かつてスコットランドを超える蒸留所が存在していたアイルランド、世界の5大ウイスキーに選ばれている日本、そしてその主流に大きな動きを巻き起こし始めている台湾やインドなどもシングルモルトの産地としては外せない。

地域ごとにそれぞれの味を楽しむことができるので、ぜひ飲み比べて自分の好みを見つけてほしい。

樽の種類で選ぶ

高級ウイスキーの熟成にも用いられる「シェリー樽」は、シェリーの香りや色の影響により、ウイスキーがより深い味わいに仕上がるのが特徴。華やかで上品な香りと、重厚感の中にあるふくよかな甘さを愉しめる。

シングルモルトの熟成に最も多く使われているのが「バーボン樽」だ。熟成を行うことで甘みが加わり、まろやかな口当たりに。また、フルーティーな味わいもバーボン樽の特徴のひとつである。

サントリーが世界で初めて用いた「ミズナラ樽」。日本固有のオーク材のため、ジャパニーズ・オークとも呼ばれ、繊細な味わいと白檀や伽羅などの香木を思わせる独特な香りが特徴だ。熟成に時間がかかるほか、樽材の加工にも年月とコストがかかることから、ミズナラ樽で熟成したウイスキーは希少性が高い。

▼世界のシングルモルト銘柄おすすめ40選

地域ごとに特に人気のシングルモルトをまとめた。

1.ローランド(ROLAND)〜グレーンウイスキー発祥の地〜

気候が穏やかで過ごしやすいスコットランド南部のローランド地方に属する。首都エジンバラやグラスゴーといった経済的にも豊かな中心地。現在では計画中も含め約15カ所の蒸留所が誕生。ブレンデッドスコッチに欠かせないグレーンウイスキーを作る工場の大半がローランドにある。

ウイスキーの蒸留は通常2回であることが多いが、ローランド地方では伝統的に3回行われ、ハイランドに比べてソフトでメローなすっきりとした味わいに仕上がる。

オーヘントッシャンスリーウッド AUCHENTOSHAN

日本でもっともメジャーなローランドモルト。伝統である3回蒸留を守り、繊細でなめらかなくせのない味わいが特徴である。バーボン樽、オロロソシェリー樽、ペドロヒメネスシェリー樽と3種の樽で熟成した濃厚な味わい。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310

レンキンチー12年 GLENKINCHIE

ローランドらしい軽い飲み口とレモン・チーズケーキのような爽やかさを感じる香り。ショートブレッドとの相性がよく、ティータイムにも合う。スイートでクリーミーな味わいが特徴。

問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ/03-5217-9731

2.スペイサイド(SPEYSIDE)〜モルト愛好家では有名な主要産地〜

スコットランドの中北部にあるエリア。スペイ湖から北海に流れるスペイ川の流域を指すことからスペイサイドと呼ぶ。地域としてはハイランドに含まれるが、ここだけで100カ所を超える蒸留所がひしめき、一大産地と言えるため独立して取り上げられることが多い。

良質な水源と、原料である大麦の主産地であることから優れたウイスキーが生み出される。エレガントで華やかな香りと甘くリッチな味わいが特徴。

ザ・マッカラン18年 THE MACALLAN

日本でも有名で人気が高いマッカラン。イギリスの高級百貨店「ハロッズ」が出した『ウイスキー読本』で、シングルモルトのロールスロイスと絶賛されたブランド。その究極と言えるのが「18年」である。厳選したシェリー樽で18年以上熟成した原酒のみを使用し、フルーティーかつスパイシーな味わいをもたらす。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

グレンファークラス 105 カスクストレングス GLENFARCLAS

グレンファークラスは今でも家族経営を続ける数少ない蒸留所。ベンリネス山のふもとにあり、ウイスキー造りに適した雪解け水の恩恵を受ける。

サッチャー元首相が「いつも飲んでいる酒」と明言した105カスクストレングスは、力強くドライでいてなめらかさを合わせ持つ。水を加えると旨味が香り立つ個性も魅力。

問い合わせ先:ミリオン商事/03-3615-0411

ザ・グレンリベット18年 THE GLENLIVET

1824年に政府公認第一号となった歴史ある蒸留所。伝統の製法で名作を生み出し続ける。繊細なバランスの上に成り立つ、非常になめらかな味わい。国際的な品評会で表彰される「18年」は、うっとりするような完熟した洋梨の甘美な香り。麦芽の香ばしさと甘さのバランスに品があり、飲みやすい。

問い合わせ先:ペルノ・リカール・ジャパン/03-5802-2756 

ザ・バルヴェニー12年 ダブルウッド THE BALVENIE

グレンフィディックの姉妹蒸留所。手のかかる伝統的なフロアモルティングを行い少量生産している。バーボン樽で熟成後、シェリー樽に詰めかえ後熟。2種の樽による絶妙なハーモニーを愉しめる。しっかりした木香が感じられる。現在休売中。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

グレングラント18年 GLENGRANT

ノンピートの大麦麦芽を使用したシングルモルトウイスキー。新鮮なモルトフレーバーと透き通った液色と甘い香りが特徴。輝きのある黄金色で、味わいはグレングラントならではの親しみやすさとリッチな甘さ、華やかな香味を備えている。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993 

グレンフィディック 12年スペシャルリザーブ GLENFIDDICH

長年売り上げ世界一だったシングルモルト。もともと軽めで飲みやすい酒質だったこともあり、一般消費者に受け入れられるように。「12年」は、スペイサイドの良さを体現した佳酒。スムースでライト、白い花を思わせる香りで飲み飽きない。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

ベンリアック キュオリアシタス10年

ベンリアック蒸留所はスペイサイドの中央部に位置し、かつてブレンデッドウイスキーの原酒として評価されていた。現在はヘビーピートモルトを使用し、自社内でフロアモルティング、熟成、仕上げに様々な樽を用いる製法が特徴。パワフルなピート香とフレッシュフルーツのような甘みが絶妙に調和している。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993 

アベラワー18年 ダブル・カスクマチュアード ABERLOUR

希少なシェリーの古樽とバーボンの古樽で、ピークを迎えるまで最低18年以上熟成したウイスキーを合わせている。特にシェリー樽は厳しく選定し、芳醇でバランスのとれたフルーティーさ、かすかなスパイシーさを実現。食後酒にも最適。

問い合わせ先:ペルノ・リカール・ジャパン/03-5802-2756 

3.ハイランド(HIGHLAND)〜個性ある蒸留酒が多く存在する地域〜

スコットランドはかつて文化的にも民族的にも異なるハイランドとローランドの2つの地域から構成されていた。北側に位置するハイランドは伝統文化をもち、密造酒の多くを造っていた。力強くバランスのとれたシングルモルトが多いとされるが、広範囲にわたるため、地域によりその特徴には差がある。

グレンモーレンジィ オリジナル GLENMORANGIE

樽熟成で有名な蒸留所。シェリーやマデイラなど様々なお酒に使用した樽を仕上げの熟成などに使用するカスクフィニッシュを行っている。オリジナルは、柑橘や蜂蜜、メープルシロップの香りで後味がドライに切れ上がる。

問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ/03-5217-9731 

ベン・ネヴィス シングルモルト10年 BEN NEVIS

標高1343m の山「ベン・ネヴィス」の麓、清らかな雪解け水と豊かな自然に恵まれる蒸留所で、1825年創業の歴史を持つ。トロピカルフルーツ、マンゴーのようなアロマがあり、味わいは甘やかで10年物とは思えないほど余韻も長い。蒸留所の知名度は高くはないが、ハイランドの隠れた名酒といえる一本。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993

ロッホローモンド12年 LOCH LOMOND

留所名はスコットランドを代表する湖「ローモンド湖」を表し、仕込み水にも用いている。ノンピートとミディアムピートの2種の原酒を3種の樽で熟成しヴァッティング。熟した桃や洋ナシのような香りと樽由来のバニラ香が漂い、余韻はほのかなピート香が。蒸留所内に樽工場を有する、数少ない蒸留所。

問い合わせ先:都光酒販/03-3833-3541 

インチマリン18年 ノンピート INCHMURRIN

プレートの数が非常に多いポットスチルで蒸留することで、多様なフレーバーを生み出し、フルーティーな風味の強い特徴的なモルトに仕上がっている。香りはハチミツと夏の緑。味わいは、熟したトロピカルフルーツの後を柑橘が追いかけてくる。最上級のオーク樽で寝かせ、豊かな甘味の樽の余韻が続く。

問い合わせ先:都光酒販/03-3833-3541

ダルモア シガーモルト リザーブ

雄鹿の紋章」がトレードマークの北ハイランドを代表する銘柄、蒸留所である。上質なシガーに負けないコクと豊かな香りでカカオ豆やコーヒーのような風味もある。ブレンデッドスコッチ「ホワイト&マッカイ」のメイン原酒としても使用されている。

問い合わせ先:やまやお客様サービス課/186-0120-115-145

アバフェルディ12年 ABERFELDY

1898年にデュワー・ファミリーによって、創業者ジョン・デュワーの故郷アバフェルディに設立された蒸留所。デュワーズのキーモルトとしても使用され、オレンジトフィーやナッツの香りは、口に含むと蜂蜜のようなまろやかさとフルーティーな味わいに。後味はスパイスとほのかなスモーキーさを感じる。

問い合わせ先:バカルディジャパン/03-5843-0672

グレンドロナック21年 GLENDRONACH

1826年創業、スコットランドでも歴史ある蒸留所のひとつ。シェリー樽熟成に長け、甘く果実味のある風味とドライでナッツのような香りの芳醇なフレーバーが特徴。ドライなオロロソシェリー樽由来のコクのある苦みと、濃厚で甘口のペドロヒメネスシェリー樽由来の甘味が調和したフルボディのモルト。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993 

グレンゴイン25年 GLENGOYNE

ハイランドとローランドの境界線が蒸留所内を横切る、両エリアの中間に位置する地で醸す。シェリーカスクのみで25年熟成させた非常に稀な銘柄。ソフトでマイルドな飲み口で、レッドフルーツの香りとかすかにシェリーも漂う。漬け込んだフルーツ、マーマレードの後にスパイスと甘草を感じさせる。

問い合わせ先:THREE RIVERS/03-3926-3508

4.アイラ(ISLAY)~スモーキーでピートの香りが特徴〜

スコットランドの西海岸から西へ25kmの海に浮かぶ、厚いピート層に覆われたモルトウイスキーの聖地。麦芽を乾燥させる際にピートと呼ばれる泥炭を焚き込み、ピート香と呼ばれる独特な香りをウイスキーにもたらす。スモーキーな強いピート香をもつ個性的な味わいに、熱狂的なファンが多い。

アードベッグ アン・オー ARDBEG

ピート香やヨード臭、強烈にスモーキーで、一度飲んだら忘れられないだろう。3種の樽の原酒を時間をかけてなじませ、角の取れた丸みのある味わいに。スモーキーさと甘さが複雑に同居する。

問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ/03-5217-9731

ボウモア12年 BOWMORE

アイラ島最古の蒸留所。熟成が行われる第一貯蔵庫はダイレクトに海に面した特殊な環境にある。ボウモアが「海のシングルモルト」と言われる所以。アイラ島南のヘビーな味と北の軽めな味の中間くらいの味わいで飲みやすい。スモーキー感とレモンや蜂蜜のフルーティー感が調和している。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

ラフロイグ10年

フロアモルティングを現在でも行う数少ない蒸留所。アイラモルトの王とも言われるラフロイグ10年は、チャールズ皇太子愛飲の酒。シングルモルトで唯一、英国王室御用達の勅許状を賜る。強烈なピートの香りと塩っぽい薬品のような風味、スモーキーな海草のような味わいは唯一無二。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310

ポートシャーロット10年 PORTCHARLOTTE

ブルックラディ蒸留所が手がける、ヘビリーピーティッドモルト。原料はスコットランド産の大麦100%。蒸留所のスタイルであるエレガントさとピート香の強さが調和しながら、荒々しさよりも洗練さを感じる風味に。アルコール度数は50度。じっくり味わうことに向いている。

問い合わせ先:レミー コアントロー ジャパン/03-6441-3025 

オクトモア 09.1 スコティッシュ・バーレイ OCTOMORE

ブルックラディの信念を体現する、フェノール値156ppmという世界最強のピート香を誇るシングルモルト。スコットランド産大麦にこだわり、究極的にピートを焚き込み、丁寧に蒸留して造られる。香りはベルベットのようになめらかでエレガント。アイラモルトを愛する人に試していただきたい逸品。

問い合わせ先:レミー コアントロー ジャパン/03-6441-3025 

ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ BRUICHLADDICH

1994年に閉鎖されたが、閉鎖を惜しむ人達の声で2001年5月に操業が再開された蒸留所。当時の設備を今でも使用する。水色の爽やかなボトルのイメージをそのままに、アイラモルトながらピートを焚き込まず造られる。フローラルでエレガントというブルックラディのスタイルを表現すべく、厳選した樽から洗練された味を生む。

問い合わせ先:レミー コアントロー ジャパン/03-6441-3025

ラガヴーリン16年 LAGAVULIN

ピーティーさのなかにどっしりしたコクとベルベットのような滑らかさを持つ。アイラモルトのなかで最もリッチな濃厚さ。「カリラ」と同じ麦芽、同じイースト菌を使っていながら性格は全く異なる。

問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ/03-5217-9731 

5.キャンベルタウン(CAMPBELLTOWN)〜塩気と甘みの入り混じる味わい〜

スコットランドの南西、海に突き出た半島にあるエリア。地理的にも味わいとしても、ハイランドモルトとアイラモルトの中間のような存在。かつて30を超える蒸留所があったが、現在稼働中の蒸留所は3カ所。アイラほどではないが、ピーティでクリーミーさが特徴である。

スプリングバンク 10年 SPRINGBANK

港町に位置するスプリングバンク蒸留所は、スコッチでは珍しく製麦から瓶詰めまでを一貫して行う生産体制である。「モルトの香水」と呼ばれるほど、華やかで芳しい香りをもつ。ドライフルーツのような甘みと、潮風を思わせる塩辛い味わいを帯び、煙のようなスモーキーな余韻が長く続く。

問い合わせ先:ウィスク・イー/03-3863-1501 

ロングロウ LONGROW

スプリングバンク蒸留所が造る、ピートの効いたモルト。ピートのみで48時間乾燥させたフェノール値50~55ppmの麦芽を使用し、2回蒸留によるヘビーでオイリーな味わい。香りは甘さとピートスモークが合わさる。バニラやレモンメレンゲに海藻のような塩っぽさが鼻に抜ける。

問い合わせ先:ウィスク・イー/03-3863-1501 

6.アイランズ(ISLANDS)〜島々ごとに特徴の違うウイスキーを生み出す〜

アイラ島を除く、スコットランドの島で造られるウイスキー。スカイ島、オークニー諸島、ルイス島、ハリス島、ラッセル島などでそれぞれの風土を生かしたウイスキーが造られる。

ハイランドパーク18年 ヴァイキング・プライド HIGHLANDPARK

ハイランドパークは、オークニー諸島にあるスコットランド最北端の蒸留所。新石器時代の名残とヴァイキングの影響を映し出すオークニー諸島。ヘザーハニーと呼ばれるしっかりとした甘さ、オークの香りにスモーキーなアロマとスパイス。バランスが良く飲みやすい。

問い合わせ先:レミー コアントロー ジャパン/03-6441-3025 

タリスカー18年 TALISKER

インナーヘブリデーズ諸島に属するスカイ島にある蒸留所で造られるタリスカー。絶えず海風が吹き付け、荒い波に晒される風土そのままに、力強いスモーキーさとモルトの香りが感じられる男性的なウイスキー。『宝島』の著者であるロバート・ルイス・スチーブンソンには「酒の王様」と評された。

問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ/03-5217-9731 

7.アイルランド(IRELAND)〜アイリッシュ特有のオールディッシュな製法が再注目〜

かつて多くの蒸留所があったアイルランド。1970年には2カ所にまで激減した蒸留所の数が、2014年の法改正などにより約40カ所が復活。アイリッシュ特有の古典的な製法で造られるポットスチルウイスキーにも再度注目が集まる。

プッシュミルズ シングルモルト10年 BUSHMILLS

現在操業中のアイリッシュウイスキーの蒸留所中で最古の歴史を誇る。アイリッシュで一般的に用いられている未発芽の麦は使用せず、ノンピートの大麦麦芽のみを使用し、伝統的な3回蒸留を頑なに守っている。バーボン樽から来るほのかな蜂蜜、バニラの甘い香りと、溶けたチョコや樽の香ばしさがほどよく混ざる複雑な味わい。飲み飽きしない一本。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993

カネマラ12年 CONNEMARA

一般にアイリッシュはスモーキーフレーバーがないとされるが、その昔ピーテッド麦芽を使っていたことに懐古を込め名付けられた。ピーティーさやウッディさで余韻は緑の大地を想わせる爽やかさ。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310

ウエストコーク10年 WEST CORK

アイルランド最大の州、コーク州で2003年に始動した蒸溜所。ウイスキーのほか、ウォッカ、ジン、リキュールも生産する。味わいはクリームブリュレ、バニラ、スパイスの効いたトフィーキャンディ。

問い合わせ先:ウィスク・イー/03-3863-1501

レッドプレスト12年 REDBREAST

昔ながらのアイルランドスピリッツを忠実に表現する。シェリー樽で熟成すると赤みを帯びることからコマドリの赤い胸というブランド名になった。スパイシーでフルーティーかつ複雑なアロマの香りで、豊かな風味と複雑さのある味わいが特徴。

問い合わせ先:ペルノ・リカール・ジャパン/03-5802-2756 

8.日本(JAPAN)〜国外からも注目されるジャパニーズウイスキー〜

サントリーやニッカが世界的コンペティションで賞賛された2000年頃より世界から注目されるジャパニーズウイスキー。国内では空前の蒸留所新設ラッシュが続いている。水割りやハイボールに合う穏やかな酒質。

シングルモルト余市 YOICHI

竹鶴政孝が修行したハイランドの地と良く似た気候の北海道・余市にある蒸留所。ポットスチルを石炭で熱する石炭直火蒸留の製法を採用し、力強くどっしりとした重厚な味わいを造りだしている。かすかに塩味を感じるヘビーピートなモルト。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993

シングルモルト宮城峡 MIYAGIKYO

山合の2つの川に挟まれた奥深い土地にあり、澄んだ空気と硬度の低い水に恵まれている。スチームによる穏やかな蒸留でフルーティーな原酒を造り、樽本来の柔らかなバニラの香りを調和させた甘くなめらかな口当たり。ハイボールでも飲みごたえあり。

問い合わせ先:アサヒビール/0120-019-993

サントリーシングルモルトウイスキー 白州 THE HAKUSHU

標高700メートルの澄み渡る大気と南アルプスの恵みを存分に受ける白州蒸留所。森の中にある蒸留所は世界でも珍しい。若葉のようなみずみずしさ、爽やかで軽快な味わい。明るい黄金色で、すだち、ミントの香りがうまく調和する。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

サントリーシングルモルトウイスキー 山崎18年 THE YAMAZAKI

日本初のモルトウイスキー蒸留所にして、2005年のSWSCでダブルゴールドを受賞した銘柄。18年以上寝かしたシェリー樽熟成原酒、ミズナラ樽の長期熟成原酒など、圧倒的な奥行きと余韻を備える。

問い合わせ先:サントリーお客様センター/0120-139-310 

イチローズモルト 秩父ザ ピーテッド2018 ICHIROʼS MALT

ピートを使用した麦芽で、スモーキーな個性を持たせている。重みのあるピート香と奥に香る完熟前のバナナのような甘さと酸味。グラスの中で姿を変える複雑なフレーバーは時間をかけて愉しみたい。

問い合わせ先:ベンチャーウイスキー/0494-62-4601

9.台湾・インド〜高級路線と世界一のウイスキー消費国となったアジアの新鋭〜

ウイスキー造りに向かない亜熱帯の環境でありながら、常識を覆し高品質のウイスキーを生産することに成功した台湾。高級志向の路線を攻めている。インドは生産量・消費量共に世界一位に踊り出た。気候ゆえ、期間が短くとも熟成が進む。

カバラン ディスティラリーセレクト KAVALAN

山と海が交わる雄大な台湾の蘭陽平野に位置し、太平洋の海風と亜熱帯の気候による特別な香りを吸収したオーク樽を使用。2018年9月発売のディスティラリーセレクトは、タフィーやトロピカルフルーツの熟した香りが魅力のロープライス商品。

問い合わせ先:リードオフジャパン/03-5464-8170

ポール・ジョン エディテッド PAUL JOHN

2012年発売のインディアンウイスキーで、世界35カ国で発売される注目株。蜂蜜とココアを中心とした香りにかすかなピート香。スモーキーさとエスプレッソのような香ばしさの余韻が続く。2017年サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションにてダブルゴールド受賞。

問い合わせ先:国分グループ本社 お客様相談窓口/0120-413592(平日9:00~17:00)

イングランドも参加したウイスキーブラインドテイスティング大会で優勝したことで、「寒冷地で造ったウイスキーこそが優れている」というウイスキーの概念を完全に覆した台湾初のシングルモルトウイスキー「KAVALAN」。マンゴーなどのトロピカルフルーツのような香りとクリーミーな味わいが特徴で、カバラン蒸留所限定のアイテムは台湾土産でも高い人気を誇る。

以下の記事では、カバランについてより詳しく解説している。ぜひあわせて読んでみてほしい。

400年以上の歴史をもつ蒸留所から、新進気鋭のものまで、実に幅広い選択肢となっているウイスキー。土地の個性の違いはもちろん、経年による変化まで合わせると愉しみは尽きない。

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