■島を包むレモン畑を眺め多彩なレモンの名産品を味わう
秋から冬、そして初春にかけて島は可愛いレモンの実で彩られ、柑橘の爽やかな香りが漂う。グリーンレモンから早くも収穫が始まり、通常のイエローレモンまで島は収穫の忙しい日々が続く。
そして収穫が終わると5月には白い花を付け、緑に映える可憐さも目を楽しませてくれる。
しまなみ海道の中間点にある生口島は、日本一のレモンの生産地。栽培は昭和3年(1928)に300本の苗を植えたことから始まる。
外国産レモンが主流となった60年代には、苦戦を強いられたこともあったが、美味しさと安全性を追求し続けたレモン栽培は「瀬戸田レモン」としてのブランドを確立するまでに。
土地が傾斜地で日当たりがいいこと、瀬戸内特有の温暖な気候が、寒さに弱いレモン栽培には適していたのだ。
瀬戸田レモンは低農薬、無農薬で育てられているものも多いのが特徴。香りも豊かで、多くの料理人やパティシエ、菓子メーカーなどが使用している。
生口島ではバラエティあふれるレモンの名産品が数多くあり、これらを食べ歩くのも楽しみ。レモンケーキ、レモンジャム、レモンサイダーなどなどレモンをまるごと使ったアイテムがずらり。
島に点在する現代アートと共に、瀬戸田の恵みをたっぷり満喫したい。
・島全部が美術館
生口島は沿岸に17の現代アート作品が点在しており、「島ごと美術館」として展開。作品は1989年から開催された「瀬戸田ビエンナーレ」の時に設置された。海の風景と共に一つの作品が完成している。
瀬戸田町観光案内所
広島県尾道市瀬戸田町沢200-5
しまなみ海道「因島北」ICより車で15分
文/岩谷雪美