59924「大三島」神の島の神秘と現代アートを堪能|再発見!大人のしまなみ海道

「大三島」神の島の神秘と現代アートを堪能|再発見!大人のしまなみ海道

男の隠れ家編集部
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■日本総鎮守の大山祇神社と個性あふれる美術館を巡る

ジャコモ・マンズー、深井隆など国内外の現代アーティストの作品を集めた「ところミュージアム大三島」。

生口島から長さ1480mの多々羅大橋を渡って広島県から愛媛県へ。潮風に吹かれながら、しまなみ海道の6島の中で最大の大三島へと入る。県境となる多々羅大橋は、この先の大島と四国の今治を結ぶ3連吊橋の来島海峡大橋に次ぐ長さで、斜張橋としては世界最大を誇っている。

大三島に渡ると少し空気感が変わると言う人もいるが、それはここが“神の島”にも喩えられるからかもしれない。ご神体の標高436mの鷲ケ頭山の西麓に「大山祇神社」が鎮座。創建は推古天皇2年(594)とされ、全国の三島神社と大山祇神社の総本山、また日本総鎮守としても名を馳せ、海と山、戦いを司る神として歴代の朝廷や武将たちから尊崇を集めてきた。

大三島の“島”とは地理的な島のことではなく、この2つの総本山に由来する。ちなみに神の島だけにかつては魚類を採ることは禁止されていたという。

大山祇神社の境内にある能院法師の雨乞いの楠。
室町時代の古図をもとに2010年4月に再建された大山祇神社の総門。門をくぐって奥へ進むと、重要文化財指定の拝殿や本殿がある。
国宝・重文の武具などを展示する国宝館。

大山祇神社には見どころも多く、樹齢2600年と伝わる巨大クスノキは圧巻。御神木とされ国の天然記念物に指定されている。また、宝物館には源氏や平家など多くの武将が奉納した武具があり、日本随一の国宝、重文指定の数を誇っている。

さて、そんな歴史深い神秘の島である一方、昨今は“アートミュージアムアイランド”としての新たな顔も大三島の大きな魅力になっている。

世界的な現代アーティストの作品を集めた「ところミュージアム大三島」を始め、建築家・伊東豊雄氏の軌跡を展示する「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」、彫刻家・岩田健氏の彫刻を展示する「今治市岩田健母と子のミュージアム」、現代日本画家をコレクションする「今治市大三島美術館」などまさにアートの島と呼びたくなるほど。

現代日本画の美術館として昭和61年に開館した「今治市大三島美術館」。
円筒状の半野外の芝生スペースに彫刻作品を展示した「今治市岩田健母と子のミュージアム」。
海と建物の調和が素晴らしい「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」。

いずれも「せとうち美術館ネットワーク」に数えられる施設で、愛媛県の11の美術館のうち4つが大三島にある。大三島美術館以外の3施設は海を望む素晴らしいロケーションにあり、瀬戸内海の穏やかなきらめきの中、個性的あふれるアートが堪能できる。

・ひょっこりひょうたん島?

大三島・井口港から北北東へ約2km

大三島と生口島との間にぽっかりと浮かぶ無人島。その形から名前は瓢箪島。NHK人形劇の「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つとも言われている。

文/岩谷雪美

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