「SEOUL SAKE FESTIVAL」は今回で5回目の開催。韓国で日本酒を輸入する会社が集まって結成した「韓国地酒輸入業協会中央会」が主催で、昨年を上回る来場者数は2日間で6000人近く! 会場は熱気に包まれました。 SNSで情報をキャッチする20〜30代の韓国の若い世代は、日本のアニメやエンタメ、食を楽しむように日本の地酒にも大注目。会場の熱気に今回初出展の酒蔵の皆さんも驚きを隠せません。
会場では日本全国から約130の蔵元がおよそ700種類にも上る日本酒や本格焼酎、泡盛を出品し、熱心な地酒ファンと交流しました。
韓国では日本酒や本格焼酎は高級品。日本では美味しい純米酒の4合瓶が1,500円もあれば買えますが、同じ純米酒を韓国で買おうすると5,000円という世界。そんな中「SEOUL SAKE FESTIVAL 2024」では、1日券が30,000ウォン(約3,400円)。この価格で日本のお酒が思う存分試飲できるとあって若い世代を中心に大人気のイベントです。
また、普段はお酒を売る同業者でライバル関係にあるとも言える輸入業者同士が手を組み「若い世代に飲む機会を作って日本の地酒のファンを増やしたい!」ということで開催されているのですが、こうしたイベントも珍しいですね!
昨年に続き参加する漫才師にほんしゅがイベントの盛り上がりを徹底レポート。日本のお酒はマシッソヨー!
日本の食や酒に興味のあるSNS世代の韓国の若者が急増!日本酒!本格焼酎!泡盛!試飲の嵐が吹き荒れる!
2日間で6000人近くの来場者が訪れ、年々高まる韓国での日本の地酒熱を実感しました! 会場内では数多くのお酒の試飲ができるのはもちろん、気に入った銘柄をボトル購入ができるのも好評です。さらにはステージも設置され、セミナーやトークショー、エンタメなどで日本の文化を知りながら飲める最高のイベントとなりました!
ステージも盛況!お酒セミナーやエンタメで日本のカルチャーを知りながら飲める!
開会式やセミナー、漫才などのステージの盛り上がりも素晴らしく、全てのステージプログラムを楽しんだ参加者も! お酒の知識や日本の文化を伝える役目も果たすイベントです。
「このイベントが楽しみで仕方ない!」熱気あふれる会場で参加者にインタビュー!
参加した酒蔵の皆さんが一様に口にする「お客さんが若い!」という感想通り、会場内では若い参加者が目立ちます。参加者にインタビューをするといろんな声が聞こえてきました!
・21歳の女子大学生2人組
「初めて参加しました! 20銘柄以上の日本酒を試飲しましたがどれも美味しかったです! 特にお気に入りのお酒もありますが、スマホで写真を見返さなければわかりません!笑」
「梅酒やゆず酒がとても美味しいです。友達も日本のリキュール好きが多いですよ! 来年も開催されたら絶対来ます!」
・薬剤師仲間で15人の日本酒サークルを作る30代男性
「元々あまりお酒は飲まなかったけど、去年参加してみて、日本の焼酎の美味しさに驚いて今年も友達と参加しました。韓国のソジュもいいけど、日本の焼酎は仕事終わりに飲むと『美味しさと楽しみ』を同時に与えてくれるのが素晴らしい」
・ソウル在住12年の日本人女性
「2016年の初回から楽しみに参加しているが、初回はまだまだ日本酒が韓国に浸透していなかった。でも回を追うごとに参加者が増えてすごい盛り上がりになっていますね! 広島県出身なのですが、日本にいるときに地元の日本酒は飲むことがあっても東北の日本酒を飲むことがなかったので、ソウルで全国のお酒が飲めるのはとても嬉しいです」
いやぁ、嬉しい! 嬉しさ大吟醸! 日本の地酒大好き人間としてたくさんの素晴らしい感想が聞けました! インタビューに答えてくれる皆さんの弾むような声が『SEOUL SAKE FESTIVAL』の盛り上がりを感じさせてくれます。
「この熱気を日本にも!」驚きや嬉しさに溢れる参加酒蔵さんの声!
2016年の第1回から連続で参加される酒蔵さんもいらっしゃれば、今回初参加の酒蔵さんも! 年々熱気が増す韓国市場への期待やイベントの感想も色々とお聞きしました!
「酒米の王様と言われる山田錦にこだわる酒蔵なのですが、酒米や精米歩合などにまで詳しいお客様はまだまだ少数派かなと思います。その分いろんなお酒をフラットに楽しんでくださる方が多いので説明するのも楽しいです」
「今年初参加なのですが、とにかく会場の熱気に圧倒されました。こんなに若いお客さんが多いとは。今回梅酒を持って来たのですが、味はとても好反応で嬉しいですし、パッケージをもっと若い世代向けに変更した方がいいかなとアイデアが湧きました」
「2017年から参加してますが、台湾同様若いファンが多くて嬉しい。お酒に対してSNSでの情報チェック力がすごいです。そしてこういうイベントが会場でのボトル販売や飲食店などでの需要にもしっかり繋がり、結果が伴っているのが素晴らしいです。これはもう単なるトレンドじゃないと思います」
「韓国での日本酒の未来は明るい」イベントを主催する輸入業者の皆さんの思い
この「SEOUL SAKE FESTIVAL」は2016年にスタートし、韓国での日本の地酒ファンを増やす上で重要な役割を担って来ました。本来ライバル関係にある輸入業者同士が「まずは協力してファンの数を増やそう!」という思いで手を組み、年々着実にファンを増やし、韓国での市場を拡大させてきました。そんな輸入業者の皆さんにもインタビューを決行!
「今年もたくさんのお客さまにお越しいただけました。昨年は行列の人数がブースごとにムラがありましたが、今年は満遍なく各ブースに行列ができている印象です。酒蔵の皆さんも代替りが進んで若い蔵元さんがソウルに来ることも増え、韓国の若いお客さんとも良いコミュニケーションが取れているんじゃないかと思います。年々お客さまがお酒に詳しくなってきているので自社のスタッフのトレーニングも頑張らなければいけないと気合いが入ります」
「韓国で日本酒を売り始めて24年経ちますが、最初は飲食店さんに営業に行っても『いらないよ?そんな高いお酒誰が飲むの?』と言われ続けました。日本食のレストランでも日本酒ではなくウイスキーが飲まれていたんです。それでも10年以上頑張った結果、居酒屋ブームが来るなどして口コミで徐々に日本酒が広まっていきました。それは何より日本の地酒の味が美味しくて洗練されているからだと思います」
「とにかく日本酒の認知度を高めよう、と輸入業者同士が手を組んで自腹でやっていた初期は苦労しましたが、イベントを継続した結果『こんなに美味しいならちょっと高いけど買いたい』というお客さんがずいぶん増えました。今後のイベントは来場者1万人超えを目指します」
「フレッシュでフルーティな日本酒はもちろんのこと、旨味がありじっくり楽しめる食中酒的な日本酒も人気があります。有名銘柄の人気は継続していますが、味わいやデザインで選ぶファンが増え、新規の酒蔵さんもフラットな勝負ができると思います。日本酒のみならず本格焼酎・泡盛の参加蔵も年々増え、人気・認知度が高まっているのを感じます。お酒の試飲や販売はもちろん盛り上がるのですが、単に飲むだけではなくて、日本の文化を伝えるセミナーステージもアナウンサーの近藤淳子さんに司会をお願いするなど、プロに務めてもらうことで大変充実しています。ですが、まだまだ手探りで、毎回改善の余地を感じます。次の開催ではさらにパワーアップした意義のあるイベントになるよう努力します!」
お酒の美味しさはもちろんのこと、各輸入業者さんの努力があってこそ、これだけの日本の地酒ファンを生み出すビッグイベントになってるんですね! 皆さんの熱い気持ちに大燗謝!
まとめ。単なるトレンドではない!韓国での日本の地酒の未来は大吟醸!
「日本のお酒をまず一度若い人に飲んでもらいたい」と2016年に始まった「SEOUL SAKE FESTIVAL」の勢いは年々増すばかり。我々にほんしゅは4度目の参加でしたが、昨年より成熟したファンも増え、またワクワクで初参加する若者も増え、という理想的な流れを感じました! 熱心に日本の地酒を飲んでくれる韓国の皆さん、カムサハムニダー!
韓国での日本のお酒の未来はまさに……大吟醸!!
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