海外では日本の飲酒マナーがほとんど通用しない。お酒の飲み方や考え方が大きく異なるため、外国人の前で日本の飲酒マナーを振る舞ってしまうと「この人は常識がない」と、思われてしまうだろう。
そこで本記事では、日本と海外の飲酒マナーを比較していこう。各国の考え方を取り入れることにより、海外でお酒を飲むときに有効活用できるはずだ。
■日本の飲酒マナー
海外の飲酒マナーを見ていく前に、まずは日本におけるお酒のルールを確認しておこう。
日本でお酒を飲むときには、ビールの注ぎ方やワイングラスの持ち方、周りの人への気遣いなど、いくつかのマナーが設けられている。しかし、法律を除いてこれといった厳密なルールはあまり定められていない。
あくまでお酒を楽しむための常識でしかなく、「楽しければそれで良い」と考える人が大半である。それが日本の良いところでもあり、海外からすると驚かれるポイントでもある。
また、「日本人はお酒をあまり飲まない」と思われがちだが、アルコールの摂取頻度は世界でもトップクラスの高さである。
日本では、特に理由がなくてもお酒を飲む機会が多い。普段からお酒を飲む文化は外国人からすると特殊なので、日本人が行う飲酒を「ジャパニーズ飲み」と呼ぶこともあるそうだ。
■アメリカの飲酒マナー
アメリカは「自由な国」ということもあり、お酒を飲む際のルールも曖昧だと思われがちだ。しかし、飲酒に関するルールは日本よりも厳しく、いくつものマナーが存在している。
具体的には、以下のようなルールやマナーが挙げられる。
・屋外の公共の場では飲酒をしてはいけない
・バーなどのお店でスタッフを大声で呼んではいけない
・お酒の場での失態を許してはいけない
特に、お酒の場での失態には注意が必要だ。お酒に酔ったからといって無礼な態度を取ってしまうと、取り返しのつかない事態になりかねない。
■中国の飲酒マナー
中国の飲酒マナーは日本と大きく違う点がいくつもある。代表的なものとしては、日本でよく言う「干杯(乾杯)」という掛け声が挙げられる。
中国の干杯は「一気飲み」のことを意味するため、軽はずみで口にするととんでもないことになる。例えば、飲みの席でお互いが干杯に同意した場合、グラスに入ったお酒をすべて飲み干さなければならない。
また、中国で食事会に参加するときは、誰かを誘って複数人でお酒を飲むようにしよう。周りの人が飲んでいないのに1人だけお酒を飲んでいると、「なんて失礼な人なんだ」と思われてしまうためだ。
そのほか、中国の飲酒マナーはいくつも存在するため、日本との違いを十分に理解した上でお酒を飲もう。
■韓国の飲酒マナー
韓国は目上の人を敬う風習が強い。そのため、目上の人と一緒にお酒を飲む場面では注意が必要だ。例えば、横向きで口を隠してお酒を飲む、お酒に誘われたら断らないなどが挙げられる。
また、お酒の注ぎ足しは原則NGであるため、グラスが空になってから注ぐようにしよう。日本ではグラスの中のお酒が少なくなった場合、気を遣って注ぎに行くのが基本なのだが、韓国ではこのマナーが通用しない。
さらに、韓国人は「お酒はみんなで楽しく飲むもの」という意識が強いことから、複数人で集まってお酒を飲むようにしよう。
■まとめ
本記事では、日本と海外における飲酒マナーやルールを解説した。
日本においては特に厳しい飲酒マナーが設けられておらず、「楽しければそれでいい」という考えでお酒を飲む人が多い。しかし、海外では日本の飲酒マナーがほとんど通用しないことから、あらかじめ現地の常識を知っておく必要がある。
場合によっては誰かに嫌な思いをさせてしまうため、海外でお酒を飲む場面に遭遇したときには、ぜひ本記事で解説した内容を参考にしてみてほしい。