マンションの扉を開けて中へと誘われると、まず目に飛び込んでくるのがおしゃれなカウンターキッチン。右手はそのままリビングへと続き、そして左手奥にTさんの秘密の空間がある。
「1.5畳ほどの小さなスペースですが、L字の形で包まれ感があって落ち着くんですよね。」と顔をほころばせる。大好きな本の収納を第1に考え、手をのばせば届くという範囲に棚を設置。
ブルーグレーの壁色と木の温かみも気に入っているポイントだ。ドアをあえて付けなかったのは、お籠もり感を追求しながらも家族との距離を身近にしたかったからだという。
実はこの場所はもともと広めの玄関クローゼットだったところなのだが、Tさんのリクエストでクローゼットの半分のスペースをミニ書斎に施工。欲しかった自分のスペースが理想通りに実現した。
自分の時間を満喫した後は、明るいキッチンで奥さんと一緒に料理を作ったり会話を楽しんだり。そんな時間もTさんの宝物だ。
【秘密基地造りのPOINT】
1.小さくても居心地の良い空間。
2.ドアは付けずに開放感を。
3.手の届く範囲に収まる書棚。
【Owner’s voice】
広めのクローゼットスペースをミニ書斎にできるとは思っていませんでした。自分のスペースとして満足です。
文/岩谷雪美 写真/秋 武生