焼酎には芋・麦・米など種類が豊富にある。これらは全て乙類に分類される。いっぽうで甲類なる焼酎もある。では、これら甲乙の違いとは何か。焼酎好きな人にこそ知っておいて欲しい、焼酎の甲類と乙類について解説する。

甲類焼酎と乙類焼酎の違いを適切に知る

それまで新式焼酎・旧式焼酎などと呼ばれていたものを、1949年に酒税法上で分類するため甲類・乙類と名づけられた。

その後、2006年の酒税法改正で、甲類も乙類も法律上の名称ではなくなった。それぞれ、連続式蒸留しょうちゅう・単式蒸留しょうちゅうに変更された(当時、「焼酎」が常用漢字ではなかったため、ひらがな表記だったが、2017年の法改正で「焼酎」に変更されている)。

さて、連続式蒸留機で蒸留されているのが甲類焼酎の一番の特徴だ。

これはパテントスチルとも呼ばれ、1826年にスコットランドで発明された。日本で焼酎の製造に使われるようになったのは1900年頃といわれている。その名前からも分かるように、もろみを連続的に蒸留する仕組みになっている。そして蒸留後に水を加えてアルコール度数を36度未満にしたものが、甲類焼酎である。

連続式蒸留によって、不純物が少なく高い純度のアルコールが抽出されるため、味わいはピュアですっきりとしたキレがある。見た目も無色透明である。香味にクセがないので、その分自由な楽しみ方ができそうだ。

一方の乙類焼酎は、単式蒸留機で蒸留され、アルコール度数45度以下のものをいう。

単式蒸留機は、ポットスチルとも呼ばれる。シンプルな構造をしており、一度につき一回の蒸留しかできない。できた焼酎はアルコール以外の成分も含まれるため、芋や米・麦などといった、原料の風味をしっかり楽しめるのが特徴だ。乙類の中でも、酒税法に定められた基準を満たすと「本格焼酎」と表示できる。ちなみに、泡盛は本格焼酎に含まれる。

甲類と乙類をブレンドした焼酎もある。混和焼酎だ。5%以上のブレンドで表示されるが、甲類が50%以上なら「甲類乙類混和」、乙類が50%以上なら「乙類甲類混和」となる。

甲乙の違いを理解し、美味しく味わう

甲類はクセがなく、乙類は原料によっていろいろな個性が出る。それぞれの特徴を生かした味わい方を紹介しよう。

甲類は、ストレートやロックもいいが、何かと割ってみるという飲み方もある。炭酸やお茶割り、果汁割りなど、楽しみ方は無限大だ。たとえば少しでも健康やダイエットに気を使いたい人には、生姜湯割りやレモンサワーなどもよく飲まれている。自分なりにいろいろな割り方を工夫するのも楽しい。

乙類はロックやストレートが原料の風味をより引き立てる。シンプルな水割りにすると風味がマイルドになる。カロリーが気になる人にはうってつけの飲み方ともいえる。雑味のないロックアイスを入れたり、いろいろな種類のミネラルウォーターを使って試してみるのも一興だ。香りを立たせるならお湯割りもいい。

甲類と乙類の最大の違いは、蒸留に連続式蒸留機を使うか単式蒸留機を使うかである。それぞれの味わいの特徴を知った上で、自分好みの飲み方で楽しめば、まさに「甲乙つけがたし」である。