テキーラは種類も多く、安いものから高級なものまで幅広い。一気飲みの印象が強いがテキーラ、実は奥深い酒だ。その色や味わいは製造方法と熟成期間によって大きく変化する。
テキーラとはどんな酒?原産地や原材料、度数など
テキーラの原産地はメキシコ。ハリスコ州グアダラハラ市近郊の「テキーラ」というエリアで作られたものだけがテキーラと呼べる。たとえばシャンパンがフランスのシャンパーニュ地方で作られたものを指すのと同様だ。
テキーラの原材料は竜舌蘭の一種、アガベ・アスール・テキラーナの球茎だ。直径70~80cm、重さ30~40kgと非常に大きい。球茎を斧で割り、大きな蒸気釜で蒸し、糖化させる。さらに粉砕し圧縮。糖分を十分に絞り出したら発酵させる。そして最低2回は蒸留させ、雑味を抜く処理などを経てタンクやオーク樽などに移し熟成することで、あの味わい深いテキーラが完成する。
テキーラのアルコール度数は35~55度。メキシコ政府の認定機関で決まっていることも特徴の1つだ。
テキーラの種類の違い|原材料の割合による2分類と熟成期間による5分類
テキーラの世界は奥が深い。原料の使用割合や熟成期間で名前が変わる。テキーラの世界を知ると、飲み比べしてじっくり味わってみたいと感じるだろう。
テキーラの原材料アガベの配合割合
テキーラは原材料がアガベのみの「100%アガベ・テキーラ(100% de Agave)」とアガベ以外も使われている「ミクスト・テキーラ(Mixtos)」に分かれる。
原材料がアガベのみの場合「100%アガベ・テキーラ」、アガベ以外に砂糖などを使っている場合は「ミクスト・テキーラ」となる。ミクストもアガベは51%以上使用するように決められている。日本で流通しているテキーラの多くはミクストだ。
テキーラの熟成期間
テキーラは製造過程の最後に「熟成」という工程がある。オーク樽で熟成させる期間によって味わいは変化、名前も変わる。熟成期間が長いほど高級テキーラとなる。安いテキーラは熟成期間が短いか、樽熟成そのものを行っていない。
まずは「ブランコ(シルバー)」。熟成をさせないで瓶詰めする。色は無色透明、キリッとシャープな味わいだ。60日以内の熟成もブランコに分類される。
ブランコと樽貯蔵をブレンドしたものは「ホーベン」と呼ばれる。ブランコをカラメルで着色したものもホーベンとなる。
「レポサド」は2ヵ月以上、1年以内の熟成をしたもので色は薄い黄色。ほのかな樽の香りが特徴だ。
オーク樽で1年熟成させたものを「アネホ」と呼ぶ。色は木材のようなマホガニー。ウッディでコクのある味わいは飲んだあとも余韻が楽しめる。
そしてさらに最低3年間熟成させると、高級な「エクストラ・アネホ」となる。メキシコは気温が高く、熟成中に樽から蒸散するため貴重な原酒だ。
フレッシュなものからまろやかに熟成した味わいまで、テキーラの種類は原材料の配合、熟成期間で味が変化する。人気の銘柄もたくさんあるので、専門店やバーでおすすめを聞いてその奥深さに触れれば、世界は一気に広がるはず。
おすすめの飲み方|定番&人気の楽しみ方で美味しさを堪能
テキーラはアルコール度数の高さから手を出しにくいイメージがあるが、その歴史は長く、飲み方も味わいもさまざまだ。ぜひその楽しみ方を知って挑戦してほしい。
テキーラの甘みを際立たせる「塩、ライム、テキーラショット」や、テキーラの余韻を楽しめる「ストレート」、氷を入れてまろやかにする「オン・ザ・ロック」、炭酸水で割って飲みやすくした「ショットガン」など、飲み方によって味わいが異なる。また、「サングリータ」などのチェイサーと一緒にゆっくりと楽しめば飲み過ぎを防げる。
こちらの記事では、おすすめの飲み方や「サングリータ」の作り方を詳しく紹介している。是非参考にして、じっくりとテキーラの魅力を楽しんでみてはいかがだろうか。
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