スピリッツとは? 歴史や製法、アルコール度数

スピリッツの歴史

スピリッツとは、世界的には蒸留酒全般のことを指す。

ヨーロッパでは、中世に数々の蒸溜酒が生まれたとされている。たとえば、フランスやイタリア、スペインなどでブランデー、オランダでジュネヴァ(ジン)、ロシアやポーランドなどでウォッカだ。その後、大航海時代に蒸溜技術がヨーロッパからカリブの島々や新大陸に伝わってラムが、さらにメキシコでテキーラが生まれた。

いずれも、それぞれの地域で手に入る原料を使い、個性豊かな香味が特徴だ。

スピリッツの製法とアルコール度数

スピリッツは原材料に酵母を加えてアルコール発酵させ、それを蒸留して製造する。高温で熱してつくることや、体が燃えるようなアルコール度数の高さから「火の酒」と称されるほどだ。

アルコール度数は最低でも35度以上、高いものは90度を超えるものもある。普段目にする蒸留酒のアルコール度数は、40〜50度に調整されていることが多い。

ちなみに、ポーランドを原産とするウォッカの一種「スピリタス」は世界最高度数の酒といわれ、そのアルコール度数は96度とされている。

広い意味で捉えると、ウイスキーやブランデーなどもスピリッツに含まれるが、日本の酒税法では、ウイスキー、ブランデー、焼酎を除く、エキス分2度未満の蒸溜酒を「スピリッツ類」と分類している。

なかでも、ジン、ラム、ウォッカ、テキーラは「4大スピリッツ」とも呼ばれ、主にカクテルベースとして愛されている。

ジン、ラム、ウォッカ、テキーラ 4大スピリッツの特徴

4大スピリッツのそれぞれの特徴は次の通りだ。

ジン

小麦や大麦、芋類などの穀物を糖化、発酵、蒸留。その後、香味成分として、「ジュニパーベリー」という、西洋ネズの果実を乾燥させたものや、さまざまななボタニカル(草根木皮)を加えて再蒸溜する。製法によって、4つの種類に分けられ、「ドライジン」「ジュネヴァ」「オールド・トム・ジン」「シュタインヘーガー」がある。無色透明で、ボタニカルな香りとすっきりとした味わいが特徴だ。

ラム

サトウキビを原料とし、そのしぼり汁から不純物を取り除いた「糖蜜」か、砂糖を生成したあとに残った「廃糖蜜」からつくる2通りがある。どちらも発酵、蒸留させることは同じだ。ラムは色では「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」に分けられ、風味では「ライトラム」「ミディアムラム」「ヘビーラム」に分けられる。甘い風味と柔らかい口当たりが特徴だ。

ウォッカ

大麦・ライ麦・ジャガイモ・トウモロコシなどを糖化、発酵、蒸留した後、白樺などの活性炭で濾過する。不純物や雑味成分が取り除かれ、ほかのスピリッツと比べてクセがなく、混じり気のないクリアでまろやかな味わいが特徴。無色透明なレギュラータイプのウォッカと、果実や香草などの成分をブレンドした「フレーバードウォッカ」に大別される。

テキーラ

アガベの一種である竜舌蘭(りゅうぜつらん)を糖化、発酵、蒸留してつくる。テキーラの種類は、原材料の配合や熟成期間で分けられる。

原材料ではアガベのみの「100%アガベ・テキーラ」とアガベ以外も使われている「ミクスト・テキーラ」に分けられ、日本で流通しているテキーラの多くはミクストだ。

熟成期間の違いでは、樽熟成をしないテキーラは「ブランコ(またはシルバー)」、樽熟成をするテキーラは2カ月~1年は「レポサド」、1年~3年が「アネホ」、3年以上は「エクストラ・アネホ」と呼ばれる。テキーラはフレッシュなものからまろやかに熟成した味わいまで、原材料の配合や熟成期間で味が変化する。

スピリッツとリキュールの違い

スピリッツ同様、カクテルなどによく使われるリキュールは、スピリッツ(蒸溜酒)に果実や花、薬草、香草などで風味づけをし、さらに甘味料を加えたアルコールのことだ。酒の分類上では「混成酒」に分類される。混成酒には醸造酒をベースにしたものと蒸溜酒をベースにしたものがあり、リキュールは後者に該当する。

リキュールは各国によって定義が異なり、さらに数も膨大にある。香味成分から、「果実系」「種子系」「薬草・香草系」「その他」の大きく4つに分けれれる。こちらの記事で、リキュールのおすすめの飲み方を紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

リキュールとは?おすすめの飲み方とアルコール度数、原料を知る

スピリッツの美味しい飲み方とカクテル

スピリッツはカクテルベースとして使われることが多いものの、ストレートやオンザロックでも飲むことができる。より美味しく感じる飲み方を試してみよう。

ストレートやロックで本来の味わいを愉しむ

ジン

ジンが本来もっている豊かな香りを最大限に堪能できる。なお、飲むときはキンキンに冷やした状態がおすすめ。温度を下げることで味がさらにキリッと締まると同時に、アルコールがもつ刺激が抑えられ、飲みやすくなる。

ラム

ラム酒の甘い香りと風味は、温度によって感じ方が変化し、製法や色によっても適した温度が異なる。たとえば、ホワイト・ラム、ライトラムは、香味成分の含有量が少なく、軽い味わいなので、氷を入れ冷やして飲むのがおすすめだ。ゴールド・ラム、ダーク・ラム、ミディアムラム、ヘビーラムなどは常温の方が特徴を捉えやすい。

ウォッカ

ウォッカの本場であるロシアは極寒の地であるため、ウォッカをストレートで飲んで身体を温めるという。ストレートを美味しく飲むために、瓶ごと凍らせることも。アルコール度数が高いため冷凍しても完全に凍ることはなく、クリアながらもとろみを感じる味わいだ。

テキーラ

ストレートの場合は、常温のままか、少し冷やしたものがおすすめだ。テキーラ特有の甘みや芳醇な香りと、口の中に残る余韻を堪能できる。ロックも氷が溶けていくにつれて徐々にまろやかさが増していくので、ストレートでは強すぎるときに試してみよう。なお、テキーラの甘みを際立たせる「塩、ライム、テキーラショット」も定番だ。

4大スピリッツを使った主なカクテル

ジントニック

  • ドライジン…30〜45ml
  • トニックウォーター…適量
  • ライム 1/6カット…1個

カクテルの定番中の定番。スッキリしたライムの酸味とトニックウォーターの爽やかさを味わおう。

モヒート(ラム)

  • ホワイトラム…45ml
  • ライム…1/2個
  • シュガーシロップ…1tsp
  • ミントの葉…6~7枚
  • ソーダ…適量

文豪アーネスト・ヘミングウェイが愛したカクテルとしても知られる。ラムの甘いほのかな風味と、フレッシュミントの爽やかで清涼感あふれる香りで飲みやすい。

モスコミュール(ウォッカ)

  • ウオッカ…45ml
  • ライムジュース…15ml
  • ジンジャービアー…適量
  • ライム 1/6カット…1個

ウォッカカベースのカクテルの中で、有名なカクテルの一つ。アルコール度数が高く刺激的で、清涼感のある飲み口が夏によく合う。

マルガリータ(テキーラ)

  • テキーラ…2/4
  • ホワイトキュラソー…1/4
  • ライムジュース…1/4
  • 塩・レモン…適量

テキーラベースのカクテルの代表格。テキーラのキリッとした味わいとホワイトキュラソーの甘みが調和している。グラスのふちにあしらった塩で、味の変化も楽しめる。

スピリッツを知ることで、酒の世界が広がり、カクテルを嗜む楽しさが増していく。今宵の一杯にいかがだろうか。

なお、ジン、ラム、ウォッカ、テキーラと、それぞれの詳細は次の記事でも紹介している。より深く知りたい方はぜひこちらも一読してほしい。

ジンのおすすめ銘柄20選|種類や飲み方・カクテルを知る

ラム酒とは?まず押さえたい原料や飲み方、オススメカクテル6選

ウォッカとは?原料や味、アルコール度数など

▼テキーラとは?知っておきたい原料や度数、人気の美味しい飲み方