51741キャンプより手軽な気ままなアウトドア 「チェアリング」の始め方

キャンプより手軽な気ままなアウトドア 「チェアリング」の始め方

男の隠れ家編集部
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イス1つで気軽にアウトドアができるとして、「チェアリング」が注目されている。ソロキャンプよりも簡単にでき、どんな場所でも楽しめるのがポイント。JCA日本チェアリング協会の伊藤雄一さんにその魅力と始め方を聞いた。

東京・中野セントラルパークでのチェアリング

■チェアリングは自由な時間の開拓。大人ほど楽しめる!

コロナ禍でアウトドアに人気が集まっている。「チェアリング」は最も気軽な野外活動といってもいいだろう。やり方は、ポータブル用の折り畳みのアウトドアチェアを持って出かけ、好きな場所で腰を下ろすというもの。ライターのスズキナオ氏とパリッコ氏によって提唱された。

チェアリングでは、好きなコーヒーやビールを飲んでもよし、音楽や読書に興じるのもよし。もっと言えば、何もしなくてもいい。その時間が大人の男を癒すという。

「チェアリングの目的の1つは、自由な時間を開拓することです。ちょっとしたスペースを見つけてイスを広げれば、自分なりの時間を過ごせます。やってみると分かりますが、イスに身を預けてボーッと空を眺めるだけで心地いい。公園のベンチでは、こうは行きません。若者にとっては『何が楽しいの?』と思われるかもしれませんが、30代、40代になってくるとわかると思います。道ゆく人や車や船が行き交うのを眺めるのがおもしろいですね」(伊藤雄一さん、以下同)

チェアリングは、一人もしくは2、3人までがベター。最大でも家族で団らんするぐらいの人数がおすすめだという。上級者になると、会社帰りでも楽しんでいるそう。

「会社帰りのチェアリングは、会社と家の間で一人になれる時間がつくれます。折り畳みのイスは、専用ポーチが付いていて軽量なので、通勤時に持って行ってもさほど邪魔になりません。休日で時間のある時なら、バスに乗って場所を転々としてチェアリングしたり、その後に飲食店に入ったりしてもいいですね」

■チェアリングと相性の良いスポットとは?

チェアリングは、イスが置けるスペースがあれば、どこでもできる。初心者におすすめなのは大きな公園だが、キャンプと違って都市空間と相性がいいと言う。

「代表的なチェアリングスポットは、広場やデッキスペースのあるような大きな公園です。水辺もおすすめで、広めのデッキがある整備された川や運河沿い、土手の広い川もいいですね。また、都市空間の中に忽然とできた場所も穴場。東京でいうと、都庁前やマッカーサー道路(環状2号線)にそうしたスペースがあります。歩道でやる場合は、往来の妨げにならないようにして、何かあればすぐ移動できるようにしましょう。身近な場所でチェアリングスポットを発見すると、住んでいる街の良さを再発見につながります」

また、旅行との相性もよく、山形の湯治場・肘折温泉では、無料でアウトドアチェアを貸し出されるなど、チェアリングが推奨されている。旅行道具の1つとして、アウトドアチェア持参するのもおすすめの方法だ。

基本的にはイスさえ準備できればO K

■チェアリングの始め方と道具選びのポイント

チェアリングを始めるには、基本的にはイスさえ準備できればOK。始め方と道具選びについて、指南いただいた。

●アウトドアチェア

背もたれがあって、重量が2kg以内の折り畳みできるアウトドアチェアがおすすめ。ホームセンターなどで1,000〜2,000円台で購入が可能。肘付きタイプと、座面と背もたれが一体になったソファタイプがある。重量は、肘掛けタイプで2キロ程度、ソファタイプで1キロ程度。専用ポーチがついているとなお良し。オートキャンプ用のイスは重たいので、おすすめできない。

●スマホ&イヤホン

スマホはチェアリングにとっての便利アイテム。その場所に合う曲を選んで聴けば気持ちがグッと高まる。お腹が空いたら、Uber Eatsで食べ物や飲み物を調達することもできる。

●小物置き

スマホや飲み物、本などをそのまま置くのは衛生的におすすめできないので、100円ショップで売っている小物置きがあると便利。収納グッズなども簡易な台になる。もし忘れたら、公園内などの小上がりになった台を利用しよう。

基本的にチェアリングは身軽にできるのが魅力なので、アウトドアチェアが1つあればO K。やっていくうちに必要であれば、自分のスタイルに合わせてアイテムを組み合わせてみよう。

チェアリングは1人でも始められるが、抵抗があれば友人やパートナーを誘ってみよう。ともかく、やってみるのが一番。イスに身を預けて自由に時間を過ごせる感覚を知ると、新しい自分の世界が始まるだろう。

取材協力:JCA日本チェアリング協会

「椅子ひとつで世界はあなたのリビングルームに。これは貴方と世界をもっと自由にするチルアウトのやり方です」をコンセプトに、チェアリングの情報を発信している。

Facebook:@chairingjapan

取材・文/岡本のぞみ(verb)

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