南国・宮崎県は年間を通じて温暖な気候で、自然も食べ物も豊かな場所。今回、アウトドアの達人、田中ケンさん・翔さん親子が宮崎県の魅力に迫る!
【プロフィール】田中ケン(左)/田中 翔(右)
快適生活研究家としてアウトドアの楽しさを伝える父・ケンさんと、アウトドアプロデューサーやモデルとして活動する息子の翔さん。全国各地のキャンプ場プロデュースや運営、イベントやテレビ・ラジオ・雑誌など親子ともに各メディアで活躍している。
■海・山・食。魅力あふれる宮崎でアウトドア三昧
例年シーズンオフにはプロ野球のキャンプ地となるほか、様々なスポーツの大会や合宿が行われる宮崎県。冬でも快晴日が多く温暖な気候であるため冬の宮崎はアウトドア・アクティビティにとって最適な地といえるのだ。
また宮崎県はキュウリやピーマン、サツマイモなど日本有数の産出を誇る農業県であり、カツオやマグロ、ウナギなどの漁業も盛ん。
さらに忘れてならないのは豊かな山地。高千穂や霧島錦江湾国立公園などは「古事記」に記された天孫降臨の地として知られ、幕末の近代史も含めて、多くの神話や伝説が残るとても興味深い土地だ。
そんな宮崎県を舞台に冬でも大いに楽しめる〝外遊び〟を体験しにアウトドアの達人・田中ケンさん、翔さん親子とともに訪れた。
■Chapter 01 海!
アウトドアが楽しめる無人島「乙島(おとじま)」を往く
シーカヤックで海から探検!
●好奇心を刺激する無人島。海の冒険へいざ!
冷え込む日が増えた11月末の朝、宮崎ブーゲンビリア空港に降り立ったのはアウトドア業界で活躍する快適生活研究家の田中ケンさんと、ケンさんの息子でアウトドアプロデューサーとして多くのイベントやキャンプ場の運営に携わる翔さん親子。
近年、ベースとなる群馬県北軽井沢に加え、高知県や熊本県でもキャンプ場を運営する二人にとって、温暖な宮崎県での冬キャンプはやってみたいことの一つだったという。
そんな二人が今回のフィールドに選んだのは、県北に位置する門川(かどかわ)町の無人島「乙島キャンプ場」だ。空港から車で約2時間、門川町内の商店で食材を買い込み、渡船「乙島丸」で無人島・乙島へと向かう。
「島ではシーカヤックを借りて海から無人島探検がしたいね」とワクワク顔で語るのはケンさん。
アテンドしていただく門川町観光協会の大石隆治さんとの会話も弾む。一方、翔さんは、渡船の舳先を乙島の洞窟の入口まで近づいてくれたところから見る洞窟に興味津々だった。
大石さんによれば「この洞窟は、その昔、海賊の住処だったとの逸話がある」という。
続けて「潮の満干や波の状況により危険性が高いので、洞窟内には入るのは難しい」と話す大石さんの言葉に若干残念そうにしながらも、上陸した二人はビーチ周辺でシーカヤックを楽しむことに。
慣れた身のこなしでガイドの石井さんとともに、瞬く間に海へと漕ぎ出していった二人は、約2時間の海上探検をたっぷり楽しんだ。
「洞窟に入れなかったのは残念だけど海は美しいし、島の姿も角度によって表情が変わり最高のフィールド」と話す翔さん。
どうやら乙島に魅了されたようだ。
※キャンプ料金やレンタル品の詳細、予約方法などはHP(https://kadogawa-ta.com/otojima/)でご確認ください。
■Chapter 02 山!
知る人ぞ知る神秘のパワースポット探訪
「神(かみ)さん山」をトレッキング!
●日向(ひむか)神話の舞台!?で、プチトレッキングを楽しむ
翌日、乙島から渡船と車で約2時間の道のりを経て二人が訪れたのは、延岡市の山間にある「神さん山」だ。
登山愛好家の間では北アルプスよりも難しいといわれる大崩山(おおくえやま)の登山口のほど近く、古い石段を240段ほど登る小さな山である。
なぜ、この地へやってきたのか。それは知る人ぞ知るパワースポットと聞いたからである。
麓で待ち合わせていたガイドの成崎聡さんによれば、「神さん山はかつて祝子川(ほおりがわ)神社として祀られていましたが、その縁起はよくわかっていません。元々は洞窟遺跡で、縄文時代のヤジリや土器の欠片などが見つかっています」とのこと。
高さ25mと15mの2つの巨石が支えあって磐座(いわくら)を成し、その中心に約2.4mのピラミッド型の石が鎮座する不思議な場所だ。
「そばを流れる祝子川はホオリノミコト(山幸彦/やまさちひこ)が産湯につかったことでその名が付いたらしく、ここはホオリノミコトが過ごした岩屋なのでは、という説が地元にあるらしいですよ」と翔さん。
「伝説の真否はともかく、それにしても不思議な場所だね。どんなご利益があるかわからないけど石のパワーを授かってみよう!」と三角岩に体を預けるケンさん。
海だけでなく山も大好きな二人は成崎さんと大崩山登山の話に華を咲かせ、次は本格的な登山に挑戦することを約束したのだった。
※「神さん山トレッキング」ガイドの料金・詳細はノベスタHP(http://nobe-star.com/)でご確認ください。
■Chapter 03 食!
田中ケン・田中翔親子が腕を振るう
地元食材でキャンプ飯対決!
●地物の新鮮食材でシンプルに美味しい料理を
キャンプの醍醐味は料理を楽しむことにある。今回はメインに宮崎県産の食材を使い、親子で料理を振る舞い合うことに。
ケンさんは庵川(いおりかわ)産キハダマグロと宮崎牛、翔さんは宮崎県産の鶏肉の手羽先と北浦産の地エビをチョイス。それぞれ手際よく調理する二人は、道具や調味料の貸し借りも阿吽の呼吸だ。
ほどなくして完成した料理は「マグロのなめろう」と「ローストビーフ・タルタル添え」(ケンさん)、「スパイシー手羽先」と「マキシマムスパイスで食べる地エビの素揚げ」(翔さん)の4品。
「地元の食材は鮮度が良くて安いから、下手に手を加えるよりも素材を活かした料理が美味しいね」というケンさんの言葉に頷きながら翔さんは「スパイスも宮崎が産んだマキシマムを使ったよ(笑)」と、こだわりを披露したのだった。
■Chapter 04 遊!
年間通じて温暖な気候が“アクティビティ”にも最適
宮崎県おすすめ外遊び4選!
●field 1 鉄道跡地を散策して大自然を満喫
TR跡地散策&列車の宿で森林セラピー[日之影(ひのかげ)町]
旧高千穂鉄道から無償譲渡された吾味駅~日向八戸駅~槇峰駅のエリアを「森林セラピーロード」として整備。駅舎や鉄橋、レールなど昔の姿のまま残し約4kmを1時間30分ほどで散策できる(ガイド料金8000円~)。
また、日之影温泉駅では旧高千穂鉄道の2車両を改装した「TR列車の宿」に宿泊が可能。天然温泉も楽しめる。
問い合わせ:日之影町観光協会
西臼杵郡日之影町大字七折8705-12
TEL:0982-78-1021
アクセス:東九州自動車道「延岡IC」より約30分
https://hinokage-kanko.jp/therapyguide/
●field 2 秘境の町の暮らしや文化に触れる
高千穂の棚田を駆けるe-bikeツアー[高千穂(たかちほ)町]
1日1組限定、完全予約制ツアーで神話の里・高千穂の美しい景観を作り出す棚田群や、農道を中心にe-bikeでサイクリングが楽しめる。
ガイドによる解説と案内で、米や高千穂牛など農業が盛んな地域の暮らしや、農業と密接に関わる神社・神楽などの文化を学ぶことができる。棚田米のおにぎり付きで1人1万2000円。
天岩戸神社に参拝して出発。棚田や神社など高千穂のディープスポットをガイドとともに巡る完全プライベートツアーだ。
問い合わせ:高千穂アドベンチャーツーリズム協議会
高千穂町三田井13(高千穂町企画観光課)
アクセス:東九州自動車道「延岡IC」より約45分
https://takachihoat.com/ebikeschedule
●field 3 木の温もりを感じるサウナで整う
組み立て式アウトドアサウナを一式レンタル[美郷(みさと)町]
組立式アウトドアサウナ『MISATO DE SAUNA joki』は、美郷町内の「おせりの滝自然公園」や「水清谷ふるさと村オートキャンプ場」で自分でサウナを組み立て楽しむレンタルサウナ。
川の近くに設置しダイブすれば体全体で自然を満喫できる。タオルポンチョなどもレンタル可能(別料金)。料金3時間1万円~、要事前予約。
サウナは1度に最大4人まで入れる。インフィニティチェアが無料で2脚付き、組み立て・解体はそれぞれ30分程度。
問い合わせ:美郷町観光協会
東臼杵郡美郷町西郷田代5781-11
TEL:0982-68-2522
アクセス:東九州自動車道「日向IC」より約30分
https://www.visit-misato.jp/misato-de-sauna/
●field 4 スケール大きく、森で遊ぶ!
ジップラインや洞窟探検をツリーハウスの森で[椎葉村(しいばそん)]
日本三大秘境の一つ椎葉村には大人も童心にかえり、森で遊べる「ツリーハウスの森」がある。
約4haの森の中には高さ13~25mのツリーハウスが3棟あるほか、最長470mのジップライン(2000円)や空中ブランコ、ウオーキング、洞窟探検などが楽しめる。入場料の2000円には空中ブランコや100mジップライン料金が含まれる。
日本一高いツリーハウスがあるほか、雄大な景色を独り占めする空中ブランコも楽しい。要予約(1週間前まで)。
問い合わせ:椎葉村観光協会
東臼杵郡椎葉村大字下福良1826-108
TEL:0982-67-3139
アクセス:東九州自動車道「日向IC」より約1時間30分
https://www.shiibakanko.jp/events/event/ツリーハウスの森
【キャンペーン情報】
「アソビュー 宮崎の遊び・体験 最大50%OFFキャンペーン(※)」はこちら
※1人あたり上限5000円(宮崎県民は最大30%OFF)。
2024年2月29日(木)まで。
予算がなくなり次第、終了。
文/田村 巴 撮影/Nory.k モデル/田中ケン、田中翔
取材協力/宮崎県、門川町観光協会、NPO法人ひむか感動体験ワールド
▼あわせて読みたい