57745見た目も味も全然ちゃう!関東と関西で異なる食事情~東西で違う食べ物を比較~

見た目も味も全然ちゃう!関東と関西で異なる食事情~東西で違う食べ物を比較~

男の隠れ家編集部
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関東人と関西人の間でよく話題になるのが、東西の食文化の違いだ。同じ食べ物なのに、味付けや見た目が全く異なっていたり、中には関東もしくは関西でしか食べられていないものもあったりする。

旅行をはじめ、出張や転勤などをきっかけに食文化の違いに驚かされる人も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、関東と関西で異なる食文化が発展した理由と、東西で違う食べ物を紹介する。

■東西の食文化が異なる理由

関東と関西でそれぞれ独自の食文化が発展したのは「職業の違い」と「水質・地質の違い」が影響しているという説が有力だ。以下に、それぞれの違いを詳しくまとめた。

①職業の違い

江戸幕府が開かれる前まで、関東は農村地帯が多く、農民から下級武士まで、ほとんどの人間が農作業に従事していた。肉体労働は体力を消耗し、大量の汗をかく。そのため関東では、塩分やミネラルを補給できるよう、濃い味付けが定着した。

一方、その頃の関西は日本の商業の中心地として栄えており、公家や豪商が多かった。当然、上流階級の人間は肉体労働をしない。その影響で、健康に配慮した薄めの味付けが好まれるようになった。

②水質・地質の違い

関東の土壌は、大部分が「関東ローム層」という栄養分の少ない火山灰に覆われていて、作物が育ちにくい。

加えて、関東の水は大部分が硬水である。ミネラル分が地下室に溶け込んでしまい、作物を作っても、色と味が劣ってしまう。そこで、醤油を大量に使って味をごまかし、長時間煮詰めて、色も黒っぽく変える料理法が広がった。

反対に、関西の土壌は柔らかい粘土質。水も基本的に軟水で、良質の作物が育つ。以上の理由から、関西では醤油を極力使わず、食材そのものの色や味を活かした、素朴な料理が増えたと言われている。

■東西で異なる食べ物

関東と関西の食べ物には、具体的にどのような違いがあるのだろうか。ここでは、東西で異なる食べ物を5つ紹介する。

玉子焼き

関東は甘い味付け、関西は塩辛い味付けが定番だ。

関東の玉子焼きが甘いのは、江戸前寿司に使われる「玉(ぎょく)」というネタの影響だと言われている。玉とは、エビや魚のすり身を薄く伸ばし、砂糖やみりんで甘く味付けしたものだ。それが厚焼きに変化し、いつしか甘い玉子焼きになったという。

一方、関西はだし文化が根付いており、薄口醤油や塩で、塩辛く味付けした玉子焼きが主流となった。

食パン

関東では「6枚切り」「8枚切り」の薄い食パンが人気だが、関西は「4枚切り」「5枚切り」など、厚切りが好まれる傾向がある。

元々関東では「パンはおやつ」という認識だったことから、手軽に食べられる薄切りが好まれた。さらに、戦後に進駐軍からサンドイッチ用のパンの製造を求められたため、8枚切りが定着していく。

関西は粉もん文化の影響もあり「パンは主食」と考える人も多い。よって、食べ応えがある厚切り食パンが普及したと言われている。

お好み焼き

関東だと、豚天、イカ天など、メニューに「天」を付けることが多い。だが関西では「〇〇玉」という呼び方がメジャーだ。また、焼き方にも違いがある。関東は基本的に自分で焼くスタイルだが、関西だと店員が焼くことが多いという。

お好み焼きの発祥は関東で、もんじゃ焼き、どんどん焼きから派生した食べ物である。そこから各地方に広がり、具材や焼き方にアレンジが加えられ、地域独特のお好み焼きスタイルが出来上がった。

さまざまな日本料理で用いられる餅だが、東西ではその「形」に違いがある。関東では長方形に切り分けた「角餅」が主流だが、関西は饅頭の形をした「丸餅」が人気だ。

東西で餅の形が違う理由には、それぞれの地方の気候特性が挙げられる。角餅は、切り口からカビが発生しやすい。温暖で湿度が高い西日本の気候では、保存が利かずに困ったため、関西地方に角餅は定着しなかった。

いなり寿司

関東は俵型、関西では三角形が定番だ。中に詰めるご飯にも違いがあり、関東だと白い酢飯が主流だが、関西は山菜やゴマなどの具が入っていることが多い。

関東では、中のご飯を濃口醤油で味付けする。しかし、色や味が濃くなるため、具材をほとんど入れずに作る。反対に、関西のいなり寿司は、ご飯を薄口醤油で味付けていて、色も味も薄い。味のバランスを整え、彩りを添える目的で具だくさんとなった。

■関東、関西にしかない食べ物

中には、特定の地域でしか食べられてないものもある。最後に、関東、もしくは関西でしか食べられていない「ローカルフード」を紹介していこう。

ハモ(鱧)

ハモは、関西では夏から秋の味覚として人気の魚で、スーパーや鮮魚店に行けば、1パック数百円程度で買える。だが、関東ではあまり馴染みがなく、料亭などに行った時に食べる程度。

なぜ関西にしか普及していないかというと、関東は元々多く魚が獲れることから、小骨の多い鱧を好んで食べる人が少なかったからだという。

ちくわぶ

ちくわぶとは、小麦粉と塩を混ぜてこね、長細く成形した練り物を指す。見た目はちくわに似ていて、外側が歯車のようにギザギザしているのが特徴だ。関東では、おでんや煮込み料理の具として人気の食べ物である。

しかし、関東以西では馴染みがないどころか、見たことすらないという人も多いという。スーパーでもほとんど取り扱いがなく、食べたいと思ってもなかなか手に入らないというのが実情である。

すあま

すあまは、うるち米からできた上新粉に湯を混ぜて蒸し、砂糖を加えて練り上げた和菓子だ。紅白の色で、見た目はかまぼこに似ている。味は素朴でクセがなく、ようかんやういろうよりも砂糖が控えめで、甘いものが苦手な人でも食べやすい。

関東ではメジャーなお菓子だが、関西では食べる習慣がなく、和菓子店でもあまり売られていない。

■まとめ

本記事では、関東と関西で食文化が異なる理由、東西で違う食べ物と、関東、もしくは関西でしか食べられていないローカルフードを紹介した。

東京~大阪間は、直線距離で約400km。新幹線なら、2、3時間あれば行き来できる。しかし、昔の人からすると、400km離れた土地というのは、まさに異国のような感覚だっただろう。そう考えると、同じ国でも、地域によって食文化が全く違うのは当然といえる。

なぜ違いが生まれたのか、その経緯や歴史的背景なども深掘りしていくと、異なる食文化への理解がより深まるだろう。

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