108607【滞在記】「星のや軽井沢」森に身を委ね、五感を研ぎ澄ます「軽井沢バードウォッチングステイ」

【滞在記】「星のや軽井沢」森に身を委ね、五感を研ぎ澄ます「軽井沢バードウォッチングステイ」

田村 巴 (たむら とも)
田村巴
目次

積もりに積もった仕事を片付け、久しぶりの休暇をどのように過ごそうか。行き先は軽井沢。せっかくなら時間を贅沢に使い、心身ともにデトックスがしたい。

そんな折、見つけた「星のや軽井沢」の「軽井沢バードウォッチングステイ」。どうやら、上質な時間や知的好奇心を大切にする大人に、刺さる提案のようだ。

都会の喧騒を離れ、野鳥たちの鼓動を感じる「静かな冒険」とは…。

なぜ今、大人は「鳥」を追うのか

都会の雑音の中で生活をしていると、知らぬうちにすり減っていくものがある。例えば“感動”とか“無の時間”、“呼吸の仕方”…。

人によって内容は様々だが、自分らしく生きるために必要な要素を切り崩している気がする。

そんな息苦しさを感じながら生きている現代人のなかで、密かな人気となっているのが「バードウォッチング」である。

バードウォッチング、すなわち「鳥を追う」ということは、必然的に自然の中へと足を踏み入れる必要がある。そして、森の中を歩くことで得られるものは多い。

①適度な有酸素運動

鳥を探して自然の中を歩くことで、アスファルトの上を歩く時とは違う、適度な運動量が得られる。

さらに、ただ歩くだけではない。歩きながら耳を澄ませ、鳥の声や羽ばたき、木の揺らぎに意識を集中することとなる。感覚を研ぎ澄ませながらのトレッキングは、リフレッシュにもつながるだろう。

②ストレスと距離を置く

慣れない山や森の中を歩き、さらに音に耳を澄ませる。この2つの行動に集中するだけで、日常の悩みやストレスと離れることができるだろう。

鳥のさえずり、木の葉が風に揺れるさざめき、自然の音は心を落ち着かせる癒しの効果がある。

③知識と教養、学びの宝庫

日常、都会で見られる鳥といえば、ハトやスズメ、カラスが大多数を占めるが、ひとたび野鳥を探すために森の中へ足を踏み入れてみると、驚くほどたくさんの種類の鳥が生息していることに気付く。

それぞれの生態や鳴き声、飛来の時期や特徴を知っていくことで、自然や季節の移り変わりを近くに感じるようになる。

得られるものの豊富さと、贅沢な環境

この旅を、現代社会のノイズから解放される「リセットの旅」と捉えたら、「星のや軽井沢」でバードウォッチングを愉しむのは最適解だ。

国設「軽井沢野鳥の森」に隣接し、四季折々の豊かな自然に囲まれた「星のや軽井沢」は、日本屈指の探鳥地でネイチャーツアーの専門家とともに、初心者でも安心してバードウォッチングに挑戦できる宿。

自分自身を取り戻すリセット旅。「星のや軽井沢」の宿泊プラン、2泊3日の「軽井沢バードウォッチングステイ(※)」をさっそく体験する。

谷の集落に息づく、生命の気配

落ち着いた設えの山路地の部屋、ベッドルーム。

チェックインを済ませ宿泊する「山路地の部屋(2階)」へ。荷物を下ろしリビングの大窓を開くと、そこは一面に「軽井沢野鳥の森」を見渡すテラスが。

まずは、美しく萌える自然を眺めながらテラスで深呼吸。

リビングの外には広々としたテラス。軽井沢野鳥の森を見晴らす。

「軽井沢バードウォッチングステイ」では客室に、SWAROVSKI OPTIKの双眼鏡や野鳥図鑑のほか、ウォーターボトルやオリジナルマップなど、バードウォッチングに必要なアイテムが多数用意されている。

そしてベッドサイドには、なぜかレコード…。これもプログラムのひとつだという。

「軽井沢バードウォッチングステイ」に用意された様々なアイテム。
「バードタイムトラベラー」のレコード。音盤は3種あり、たっぷり愉しめる。

そもそも「星のや軽井沢」は、1914年(大正3年)に開業した「星野温泉旅館」があった場所に誕生した宿であり、1世紀をゆうに超え、今日まで続く「星野リゾート」創業の地である。

前身「星野温泉旅館」の二代目当主・星野嘉政は、野鳥を愛でるという概念がなかった当時より、森の環境や野鳥の保護につながる探鳥会を、日本野鳥の会の創設者である中西悟堂とともに行っていた。

軽井沢野鳥の森で、鳥を観察する星野嘉政・中西悟堂ら。

このレコードは当時、彼らの手によって収録された半世紀も昔の野鳥の声が記録されている。

今と昔、同じ場所にいながら、野鳥のさえずりに違いはないかと耳で愉しむ「バードタイムトラベラー」というプログラムだ。

なんと贅沢な時間だろう。

窓の向こうから絶えず聞こえてくる、野鳥の“いま”のさえずり。そしてスピーカーを通して聴く、半世紀前の渡り鳥たちの声。

時間を忘れ、美しい音の共演に耳を傾け続けた。

「谷の集落」はどこか懐かしい、“原風景”の可視化

浅間山麓の豊かな自然に囲まれた、清流・湯川のほとり。

「星野温泉旅館」は創業当初から川を利用した水力発電を用いるなど、軽井沢の自然環境を守り、そして自然と共存しながらリゾート運営を行ってきた。

谷の集落では“谷の住人”姿のスタッフによく出会う。

そして現在「星のや軽井沢」は、日本の原風景を想起させる「谷の集落に滞在する」をコンセプトに、心が豊かになる滞在体験を提供している。

谷の地形を生かして造られた広大な敷地は、少し散策するだけでも楽しい。イチイやモミジ、ヤマザクラなど約700本の様々な樹木は新緑を芽吹き、葉を揺らしながら清々しい風が通り抜ける。

棚田の庭では浅間山の清涼な水がキラキラとこぼれ落ち、せせらぐ音に癒される。そんな水辺を、静かに泳ぐカモ。

水音に癒される棚田ラウンジ。
カモが優雅に泳ぐ。

四方から聞こえる野鳥のさえずりをBGMに、棚田ラウンジで実施されている「谷のひととき」で一服。

この日はスタッフが炒ったくるみを自分で擦ってトッピングを楽しむ「くるみ団子」とお茶をいただいた。

香ばしいくるみのカリッとした食感と、優しい甘さの柔らかな団子。香りと食感のハーモニーに、ふわっと心が解けていく。

目の前で炒られる、くるみ。
甘香ばしい味わいに満たされる。

そうこうするうちに、ひょんなことから「星のや軽井沢」で長く庭師を務める関口健一さんと、谷の集落を散策する機会を得た。

「ここでは元からある樹木や動物の通り道を優先して建物を配置しています。植栽についても、“庭と自然の間”を意識しています。人の手による管理を基本とし、在来種の植物を大切に見守っています。外来植物であるセイヨウタンポポなどは、見つけたら根気よく抜いているんですよ」(関口さん)

聞けば、雑草の除去なども薬剤を使うことはないという。すべて庭師の手で管理する。こんなところにも、水を大切にし、自然を守ってきた歴史を感じることができる。

庭師の関口健一さんと谷の集落を散策。植栽のこぼれ話が面白かった。

「『星のや軽井沢』では創業当初より水力発電を行い、地中熱や掛け流し温泉の排湯熱から得られる自然エネルギーも利用しています。なので、実はボイラー設備がないんですよ」(関口さん)

夏でも冷涼で、冬ともなれば北国のように極寒となる軽井沢において、ボイラー設備を持たないことに驚く。

しかし、だからこそ、永い歴史の中で培ってきた“強さ”も感じる。

「谷の集落」を“谷の住人”と共に散策し、話を聞くことで、いかにここが“日本の原風景”を再現(体現)しているのかがわかった。

静かな森の夜。「森のほとりバードBar」で、ひとり乾杯

夕方17時半、少し早めの夕食。

メインダイニング「日本料理 嘉助」の「山の懐石」は、山と川の豊かな恵みをふんだんに用いた、優しく繊細な味わい。

先附【緑葵】、柔らかな蒸鮑と蓮芋の昆布〆。舌に広がる優しい味が忘れられない。
替り【立夏】。小鮎の葛粉揚げや煮穴子の赤酢蒸寿司など目にも華やかで楽しい。

一品一品に込められた料理人の技術と想い。生産者の弛まない努力と、料理人との信頼関係。給仕するスタッフのきめ細やかな気遣い。

口に運ぶたび、このひと皿を作り上げた人たちの大切な時間を“一緒に”食しているのだと実感する、そんな贅沢な食体験であった。

食後は谷の集落を再び散策しながら、プランに含まれた夜のひとときを過ごすため「森のほとりCafe&Bar」へ。

星空を眺めながらBarタイムが愉しめる「森のほとりCafe&Bar」。

ここは「軽井沢野鳥の森」の入り口・ケラ池に佇むカフェバー。「森のほとりバードBar」と銘打ち、プログラムの参加者にはカクテルを1杯サービスしてくれる。

こぼれ落ちるかのごとく星が瞬く夜に、池の水面を眺めながら、このためにつくられたストーリーカクテルをいただく。

さえずりが美しいキビタキをイメージした「野鳥の森の音楽家」(左)は、オレンジジュースの丸氷にシャトー・メルシャンの「椀子(マリコ)シラー」がベース。

上田市のブドウを使ったフルボディの赤ワインながら、マンゴーピューレやシナモン、黒胡椒などのスパイスが香り立ち、ナイトキャップにちょうど良い一杯。重すぎず爽やかな余韻を楽しめた。

「軽井沢バードウォッチングステイ」のために用意されたオリジナルカクテル。左から「野鳥の森の音楽家」、「瑠璃の出会い」、「新緑の森の春告鳥」。この中からお好みで1杯、無料でいただける。

そのほかにも、オオルリをイメージした「瑠璃の出会い」(中)や、メジロをイメージした「新緑の森の春告鳥」(右)も用意されている。

「瑠璃の出会い」は駒ヶ根市の養命酒製造が造るクラフトジン「香の森」をベースに、ブルーキュラソーで美しいオオルリの青を表現。カルピスの甘さと相まって、キリッとしつつも穏やかな味わい。

「新緑の森の春告鳥」は、同じく養命酒製造の「香の雫」というクラフトジンを緑茶で割ったカクテル。クロモジが主役の「香の雫」は、若々しい森を想起させるすっきりとした香りが特徴。緑茶の風味と相乗効果で、森の息吹を感じられる。

こうして1日目は、軽井沢の森に身を馴染ませるように時間を過ごした。さぁ、明日は早朝から念願のバードウォッチングだ。

ピッキオの専門家と歩く「プライベートバードウォッチング」

翌朝5時、朝焼けの少し前。肌を撫でる風は、5月といえど冷たい。

部屋に用意された双眼鏡や野鳥図鑑を片手に、トレッキングシューズを履いたら出発だ。

「軽井沢野鳥の森」を知り尽くすガイドの小口幸子さんと、「森のほとりCafe&Bar」で待ち合わせ。小口さんは軽井沢町で野生動植物の調査や保全活動を行う「ピッキオ」のメンバーだ。

ピッキオといえば近年、国内で深刻な問題となっている野生のクマについても見識が深い。

軽井沢町では2001年からクマの保護管理に着手。発信器をつけたクマの追跡やベアドッグによる追い払いで、クマと人との適切な関係を維持している。

その役割を担っているのが小口さんが属するピッキオなのだ。

自然が豊富で野生動物が数多く生息する軽井沢町において、人間が安全に生きていくことはピッキオの存在なくしては、もはや考えられないだろう。

ピッキオの小口幸子さんと野鳥を探しながら、歩く。

「軽井沢野鳥の森」は標高950〜1100mに位置する高原の森。約3kmにわたって遊歩道が設置され、全体を通してアップダウンが少なく、初心者でも歩きやすい。

「バードウォッチングのベストシーズンは11月の終わり頃から、5月中旬くらいまでです。春には、東南アジアの方から様々な野鳥が繁殖のためにこの森へと渡ってくるんですよ」(小口さん)

小口さんによると鳥の鳴き声は「地鳴き」と「さえずり」に分けられるという。地鳴きとは日常的な鳴き声のことで、仲間同士での合図に使われることも多い。

さえずりは繁殖期にオス鳥が発する求愛の声。特に新緑が芽吹き始める春先には、多くの野鳥が美しいさえずりを聴かせてくれるのだという。

冊子「バードソングカード」には野鳥のさえずりが音符で記されている。
「夏鳥さえずりMAP」を持って、どこでどんな鳥に出会ったか記録。

話をしながら森を歩いていたら、さっそく「ピッ ピロリー ピッ ピロリー」と近くの頭上から高音が響く。足を止めて、音の方角へ目をこらすも、素人目にはどこにいるのか皆目検討もつかない。

隣で一緒にさえずりに集中していた小口さんは、さすが。

あっという間にその姿を見つけたようだ。

「あの2本並んだ木の途中から斜めに出ている枝の先、わかりますか? ほら、あそこです」(小口さん)

セッティングしてくれた望遠鏡を覗いてみると、黒い背中に鮮やかな黄色が映える小さな鳥。スズメくらいの大きさだろうか、初めて見た。

胸の美しい黄色の羽がゴージャスなキビタキ。(提供写真◎ピッキオ)

キビタキという鳥のオスです。春から夏にかけてここで過ごして、冬になると東南アジアへ飛んでいきます。綺麗でしょう? 高音のさえずりも素敵ですよね」(小口さん)

まったく知識がないままでも、こうして森の環境や野鳥の生態を解説しながら一緒に歩いてくれることで、バードウォッチングという行為に対する解像度がぐんぐんと上昇していく。

「ぜひ見ていただきたいのはオオルリなんです。さっきから声は聴こえるんですけど、姿が捉えられないなぁ」(小口さん)

オオルリは体長16.5cm程度の春から夏に飛来する夏鳥で、渓流のある山地で見られる野鳥。その名の通り、美しい瑠璃色の背中と白いお腹のコントラストが特徴だという。

ひと目だけでも見つけたかったオオルリ。(提供写真◎ピッキオ)

ピリッ ピー」「ヒリリリ ピーリーリー ジジッ

ああ、文字で上手く伝えられないのが、もどかしい。

確かに先ほどから一際大きな声でさえずる、澄んだ音がする。これがオオルリの声だという。

朝ぼらけの森の中、さえずりを頼りに歩を進める。途中、オオルリより一回り小さな、コルリという野鳥のさえずりも聴こえた。

その都度、足を止めて姿を探すがなかなか見つけられない。

「新緑が芽吹いて、葉が茂ってきたのでバードウォッチングのシーズンはそろそろ終わりなんです。葉が邪魔をして木の上にいる野鳥が見えにくくなってしまうんですよ」(小口さん)

夢中で森の中を歩く。約2時間のプライベートバードウォッチングはあっという間に終わった。

なるほど、確かに見渡す限り、緑。

それにしてもオオルリ・コルリの美しい青が見たかった。

とはいえ、約2時間の探鳥でヤマガラやメジロ、ミソサザイ、ノジコなど様々な野鳥の姿を見ることができた。

また来年、もう少し早く訪れて、今度こそ青く輝くその姿を探したい。

そう自然と思えたことに、ひとり静かに驚いた。

森のオーケストラとの出会いと、美しいハーモニー

早朝のプライベートバードウォッチングを終えた後は、「星野温泉 トンボの湯」で清々しく朝風呂を楽しむ。毎分400ℓ湧き出る源泉掛け流しの単純温泉。

体の芯から温まり、早起きと散策で溜まった疲労はあっという間に溶けていく。

16時に予定されているプログラム「黄昏のバードコンサート」までは、昼寝をしたり隣接するハルニレテラスを散策したり、気の赴くままにのんびりと過ごす。

夕方、再び「軽井沢野鳥の森」へ訪れ、ピッキオのガイド・竹川百合子さんと共に、森の中の「どんぐり池」へとトレッキング。なにやら朝とは違う森の雰囲気が面白い。

「夜が近づくとオスの鳥たちは縄張りを守るために、みんなこぞってさえずり始めるんですよ」(竹川さん)

確かに、朝よりも森の中が賑やかだ。

「この森では年間約80種類もの野鳥が観察できます。彼らが活発にさえずるこの時間帯はバードウォッチングをしながら、耳でも楽しんでいただきたいんです」(竹川さん)

ピッキオのガイド・竹川百合子さん。軽井沢野鳥の森の環境についても、たくさんお話しを伺った。

どんぐり池のほとりには、この「黄昏のバードコンサート」のためにセッティングされたリクライニングチェアとティーセット。星のや軽井沢のスタッフによる給仕で、贅沢なコンサート&ティータイムが愉しめるという。

さっそくチェアに身を委ね、目を閉じる。

音に色があるとしたら、とても鮮やかでカラフル。

色とりどりにさえずる野鳥の歌。

ずっと聴いていると、ちょっと下手くそな鳥がいる。

「よく気がつきましたね。鳥にも上手い下手があるんですよ。たぶん、上手な方がメス鳥にモテると思います(笑)」(竹川さん)

ティーセットには、オオルリとキビタキのアイシングクッキーも。
どんぐり池のほとりは適度に開けた水辺で、野鳥が集まりやすいという。

歌が上手、巣作りが丁寧、誘うタイミングが絶妙…。

鳥の世界でも女性に気に入ってもらうため、男性が弛まぬ努力をしていることを知った。

楽譜も指揮者もない、鳥たちによる一期一会のオーケストラ。日暮れ前まで、そのハーモニーを存分に堪能した。

双眼鏡を置いた後に残ったもの…

最終日の朝、5時。自室に響くチャイムの音。

扉を開けて届いたものは、この旅最後のプログラムである特別朝食「バードテラスモーニング」だ。自室のテラスを開け放ち、セットされた朝ごはん。

太陽は森の影からキラキラと光を届けている。

今日も元気な野鳥たちのさえずりを聴きながら、朝露に濡れ美しく輝く森を眺め、温かな食事を時間をかけて味わう。

「バードテラスモーニング」。右下の「目覚めの山彩スープ」は、桜の葉を纏った馬鈴薯コロッケを温かいスープでほどいて味わう。お腹の中からじんわりと、体を温めて満たしてくれる。

2泊3日の「軽井沢バードウォッチングステイ」を総括するような時間だ。

ただ、胸に残るのは「何もしなかったな」という“充足”した思い

厳密には何もしなかったわけではない、むしろ色々と体験した。専門家に話を聞き、自分の足で歩き、見て、聴いて、探した。

美味しいものを食べ、素敵な人たちと交流し、良い湯にも浸かった。

しかし、それら全てに自分自身が都会で生活していくために必要とされる行動はひとつもない。

常日頃から追われている「やらなければならないこと」がひとつもない。

だからこそ、「“何もしなかった”という充実感」に満たされているのだろう。

都会では聴こえない、鳥たちのさえずり。

本当はどこかで鳴いている鳥はいたのかもしれない。

しかし、聴こえていなかった(聴こうとしていなかった)この美しいBGMを知ってしまったら、この先、知らなかった頃のようには生きられない。

命懸けで海を渡り、人生をかけて繁殖し、また次の旅へと向かう野鳥たちの強さに、自分の“これから”を重ね合わせる。

そんな示唆に富む滞在となった。

「軽井沢バードウォッチングステイ」概要
期間:2026年は終了、2027年4月中旬〜5月末まで実施予定(詳細は公式サイト)
料金:1名/9万円(税・サ込)※宿泊料別
含まれるもの:プライベートバードウォッチング1回、黄昏のバードコンサート1回、
バードテラスモーニング1回、森のほとりバードBar1回(ワンドリンク付き)
SWAROVSKI OPTIK製双眼鏡、オリジナルマップの貸し出し、ウォーターボトル
定員:1日1組(4名まで)
予約:公式サイトにて ※10日前までに要予約
対象:星のや軽井沢宿泊者、4歳以上対象
備考:天候により時間やツアー内容が変動する可能性があります。

旅のこぼれPhoto gallery

文/田村 巴 撮影/Noriy.k

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田村 巴 (たむら とも)
田村 巴 (たむら とも)

1979年、北海道出身。バイク(チョッパー)専門誌「HARD CORE CHOPPER」、フリーペーパー「MOLE Magazine」、ライフスタイル誌「男の隠れ家」を経て、現在は「男の隠れ家デジタル」編集長。

バイクやクルマでの日本一周・目的を決めない旅が趣味。好きな分野は「飛行機」「クルマ旅」「地方の土着的な風習や歴史」「ミステリー」など。UFOや都市伝説に興味深々。好きなものは「巨大建造物」「道の駅・SA(道の駅きっぷ収集)」「キャンプ」「ガジェット」「カメラ」「ボストンテリア」。

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