ゴールデンウイークの松戸駅前に、今年もクラフトビール好きたちが集まっている。2026年4月30日より、松戸駅西口デッキにて開催されている「松戸クラフトビールフェス with はしご酒」だ。
会場には松戸ビールやYAGIRI Breweryをはじめ、常磐線沿線や千葉県内の個性豊かなブルワリーが集結。クラフトビールと多彩なフードを味わいながら、街歩きや“はしご酒”まで楽しめるイベントとして、多くの来場者でにぎわいを見せていた。
クラフトビール初心者でも入りやすい空気感

クラフトビールイベントというと、ビール好きやマニア向けの印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、このイベントは適度に入りやすい雰囲気がある。
会場には買い物帰りに立ち寄った人や、家族連れ、友人同士のグループなど幅広い層が集まっており、「とりあえず1杯飲んでみよう」という空気が自然に生まれている。
実際、クラフトビールはIPAやヘイジーなど専門用語が多く、初心者には難しそうに見える世界でもある。だが、各ブルワリーのスタッフが気軽に味の特徴を教えてくれるため、「苦味が少ないもの」「フルーティーなもの」など、好みに合わせて選びやすい。
会場で話を聞くと、このイベントは2022年頃からスタートし、現在では年間延べ1万人以上が来場する規模に成長しているという。
特に近年は松戸駅周辺に新しいマンションが増え、若いファミリー層の来場も多いそうだ。地域イベントでありながら、“新しく街に来た人たちの交流の場”としても機能しているのが興味深い。
松戸ビールで味わう、“地元らしさ”

まず味わったのは、地元ブルワリー「松戸ビール」の「グレープエール」。
地元農家のぶどうを使用した1杯で、口に含むとほのかにワインのような香りが広がる。苦味は比較的穏やかで、クラフトビール初心者でも飲みやすい印象だ。
取材中にも「フルーティー」「ワインっぽい」といった声が上がっており、実際に飲んでみても、一般的なビールとは異なる軽やかな飲み口が印象に残った。

もう1杯いただいたのは、「BENTO HAZE(ベントー・ヘイズ)」。
こちらは後半日程に出店予定の牛久醸造場とのコラボビールで、もともと弁当工場だった場所を活用している背景から名付けられた1杯だという。
実際に飲んでみると、ヘイジースタイルらしいジューシーさと柔らかな香りが特徴的。苦味を前面に出すタイプではなく、トロピカル系の香りを楽しむ“今どきのクラフトビール”という印象だった。
“ビールの常識”を超えるYAGIRI Brewery

一方で、YAGIRI Breweryはかなり個性派だ。会場でも「もはやビールなのか分からないようなものまで作る」と話題になっており、実際に並んでいたラインナップもかなりユニークだった。
ラズベリーと杏仁、バニラを組み合わせたものや、ココナッツとパイナップルを加えたヘイジー系など、もはやカクテルやスイーツのような香りを持つビールも並ぶ。

特にラズベリー系の1杯「SUNPARADE D.P.」は香りのインパクトが強烈。それでいて甘いだけではなく、クラフトビールらしい厚みもしっかり感じられる。
また、YAGIRI Breweryは今年になって常設店舗もオープンしたばかりとのこと。今後さらに注目を集めそうなブルワリーのひとつだ。
常磐線沿線の“個性派ブルワリー”が集結

取材日に出店していたのは、松戸ビール、YAGIRI Breweryのほか、さかづきBrewing、OKEI BREWERY、こまいぬブルワリー、流山麦酒、アドカラーなど。
さらに、海外ビールを扱う「OWLE」も出店しており、会場には国産クラフトビールだけではない幅広いラインナップが並んでいた。
農園とクラフトビールを掛け合わせたブルワリーや、海外ビール輸入を背景に持つショップ系ブルワリー、福祉事業と連携した取り組みなど、そのバックボーンも実に多彩だ。

クラフトビールの面白さは、“作り手の個性”がそのまま味に出ることだろう。会場を歩いていると、「これはどんな背景で作られたビールなのか」と、自然とストーリーに興味が湧いてくる。
なお、後半日程には牛久醸造場や銚子ビール、江口屋醸造所なども出店予定とのことで、期間中にラインナップが変化していくのも、このイベントならではの魅力だ。
“はしご酒”こそ、このイベントの本質

このイベント最大の特徴は、タイトルにも入っている「はしご酒」だろう。
会場にはあえて椅子を置かず、立ち飲みスタイルを採用。さらに、参加店舗では特典も用意されており、「もう1軒行こうか」という流れが自然に生まれる仕組みになっている。
実際、松戸駅周辺には個人経営の飲食店も多く、“チェーン店の先”に面白い店が点在しているという話も印象的だった。
クラフトビールを入口に、街そのものに興味を持ってもらう。その導線設計が非常にうまい。実際に歩いてみても、「次はあの店に行ってみたい」「この辺り、意外と面白い店が多いな」という発見が次々にあった。
松戸の新しい魅力を、“乾杯”から知る

クラフトビールは、その土地の食材やカルチャー、作り手の個性が味に反映されやすい酒でもある。実際に会場では、地元農家のぶどうを使ったビールや、地域の背景を生かした個性派ブルワリーが並び、“松戸らしさ”を感じられる1杯に数多く出会えた。
さらに、このイベントはビールを飲んで終わりではない。気になった店へ立ち寄り、街を歩き、また乾杯する。そんな“はしご酒”まで含めて楽しめるのが魅力だ。
ゴールデンウィークの散策先として、松戸のクラフトビール文化を体験してみてはいかがだろうか。
【イベント概要】
イベント名:松戸クラフトビールフェス with はしご酒 2026
期間:2026年4月30日(木)〜5月6日(水・祝)
場所:JR・京成松戸駅 西口デッキ
入場料:無料(ビール購入には公式カップ500円が必要)
決済方法:キャッシュレス(クレジットカード・電子マネー・QRコード決済可)
公式SNS:@Matsudocra1104
▼あわせて読みたい
いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。
我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。
