70368日本酒なの? ジンなの? いいえ、どちらもです(概念)。面白いクラフトジンを発見したよ

日本酒なの? ジンなの? いいえ、どちらもです(概念)。面白いクラフトジンを発見したよ

田村 巴 (たむら とも)
田村巴
「美味い酒が飲みたい!」。常々、そう思いながら生きている筆者であるが、“美味い酒”の定義はその時々によって変わる。純粋に味の良さを求めるのか、飲む環境を欲しているのか、はたまた肉体的・精神的状況によるのかは様々だ。今回は単純に美味い酒が飲みたくてウズウズしていたところ、ひょんなことから1本のクラフトジンを入手したので、その酒を紹介したいと思う。
目次

飯米で作った日本酒を蒸留したジン!

もう、この見出しに全て情報が詰まっているのだが、今回入手したクラフトジン『「これ、曰く。酒・じん」HIROSE』は、酒米ではなく飯米によって醸造された日本酒を、さらにオーガニックなボタニカルを使用して蒸留し、完成したジン。

なんだかこれだけで、物凄い情報量なのだが……。

この酒造りのプロデュースに参画している株式会社七転八倒が、三重県伊賀市広瀬にて減農薬でコシヒカリを作り、共にプロジェクトをプロデュースしている株式会社プロジェクト・ラボとともに、長崎県の酒蔵とコラボして生み出されている。

三重県産のオーガニックな柑橘類(カラマンダリンなど)を使用し、日本酒が持つ豊潤な味わいに爽やかな香りが乗った特徴的な味わいとのこと。

初めてのクラフトジン造りとのことだが、ロンドンスピリッツコンペティション2022において銀賞を受賞。さらに、ジンマスターズでは金賞の栄誉に輝いたというから、興味本位はもちろんのこと飲む側として期待値は否が応でも上がる。

では、一つ。いただいてみましょう!

おすすめの飲み方はロックかソーダ割りとのことなので、ロックでいただくことにした。

氷を入れたグラスに注いでみると、柔らかなとろみがある。香りは、うん、確かにジンだ。それもクセのない、いかにも日本人好みしそうな爽やかな香り。

適度にステアリングして一口飲んでみる。

あぁ、おおぅ? んん?

ジンなんだけど、アルコールの勢いがまろやかというか、優しく感じる。日本酒がベースになっているためなのか、アルコールの刺激が味わいとして非常に抑えられているのだ。

ラベルを確認するとアルコール度数は42%とのこと。これは味わいから受け取ったイメージと、かなり解離があるかもしれない。つまり、そのくらい飲みやすいのだ。

ボタニカルのアロマも非常に上品だ。クセがなく日本人が好む柑橘系の爽やかさが、日本酒の甘さととても良く合っている。

酒自体がほのかに甘いので、確かにこれはトニックウォーターよりもソーダの方が合うかもしれない。これ以上、無駄に甘さを追加する必要はないし、この香りや味わいを純粋に楽しみたい。

そして、何より食中酒としても向いているだろう。味の濃い肉料理はロックで、あっさりとした和食にはソーダ割り、そんな風に色々な組み合わせで楽しめそうだ。

「酒・じん」プロジェクトとは?

今回、はじめて日本酒ベースのクラフトジンという存在を知り、飲むことができたのだが、この『「これ、曰く。酒・じん」HIROSE』は今後どうなっていくのだろうか?

曰く、このプロジェクトは「日本酒(酒蔵)を守る」ということに繋げていきたい取り組みとのこと。

日本酒の需要が減り、廃業を選ぶ中小の酒蔵があることを懸念し、国外のマーケットを狙える酒造りに着目。酒蔵の新たな可能性を創出するため、日本酒をベースにしたクラフトジン造りに取り組んだという。

その記念すべき1本目が『「これ、曰く。酒・じん」HIROSE』というわけだ。

今後、「酒・じん」プロジェクトがどのように展開していくのか、そしてまた、美味い酒を新たに造り出していくのか、注目していきたい。

【商品概要】
製品名:「これ、曰く。酒・じん」HIROSE
価 格:4800円(税込)
公式HP:プロジェクト・ラボ

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田村 巴 (たむら とも)
田村 巴 (たむら とも)

1979年、北海道出身。バイク(チョッパー)専門誌「HARD CORE CHOPPER」、フリーペーパー「MOLE Magazine」、ライフスタイル誌「男の隠れ家」を経て、現在は「男の隠れ家デジタル」編集長。

バイクやクルマでの日本一周・目的を決めない旅が趣味。好きな分野は「飛行機」「クルマ旅」「地方の土着的な風習や歴史」「ミステリー」など。UFOや都市伝説に興味深々。好きなものは「巨大建造物」「道の駅・SA(道の駅きっぷ収集)」「キャンプ」「ガジェット」「カメラ」「ボストンテリア」。

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