「ギムレット」は、ジンとライムジュースを合わせて作るショートカクテルだ。カクテルシェイカーさえあれば、自宅でも簡単に作ることができる。
アルコール度数は25度前後と比較的高いものの、柑橘風味と爽やかな味わいのカクテルなので、普段アルコールを飲み慣れていない方でも楽しめる。
今回は、ギムレットの特徴や作り方、複数のアレンジレシピを解説する。ギムレットなどのカクテルに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてほしい。
ジンとライムのシンプルなカクテル「ギムレット」とは?
ギムレットは、ジンとライムジュースを合わせて作るシンプルなショートカクテルだ。透明感のある見た目が美しく、ジンの香りとライムの酸味を堪能できる。
加糖のライムジュースを使用する場合もあれば、シロップを入れて甘味を足すこともあるが、基本的には辛口のカクテルであるため、キリッとした爽快感を楽しめる。
ギムレットという名称の由来には複数の説があり、最も有力なのが、イギリス海軍の軍医ギムレット卿が考案したためこの名称が付けられた、というものだ。当時の海軍将校にはジンが配給されており、そのまま飲むスタイルが主流であったが、それではアルコールを摂り過ぎてしまうため、ライムジュースを混ぜることをギムレット卿が推奨した。
なお、ギムレットはショートカクテルに分類されるため、基本的に脚の長い三角形のグラスで飲まれることが多い。
ギムレットのカクテル言葉
ギムレットのカクテル言葉は、「遠い人を想う」や「長いお別れ」である。このカクテル言葉は、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説「長いお別れ」に登場する「ギムレットには早すぎる」というセリフが由来となっている。
このセリフは有名なので、一度は聞いたことがある人もいるはずだ。友人のテリー・レノックスが、主人公である私立探偵のフィリップ・マーロウに放ったセリフである。この小説の人気とともに、カクテルのギムレットも一躍脚光を浴びるようになった。
ジンライムとの違い
「ジンライム」というジンとライムジュースを使う似たようなカクテルがある。材料はギムレットと同じだが、ジンライムはシェイカーで混ぜるのではなく、グラスに注いでからステアする。
また、ギムレットのようにショートカクテルではなく、氷を入れたグラスに注ぐロングカクテルであるという点も、双方が異なるポイントだ。ゆっくりと時間をかけて楽しみたい方は、ジンライムを飲んでみるのも良いだろう。
ギムレットの特徴|味わい・香り
ギムレットの特徴は、ジンのキリッとした香りとライムジュースの酸味を同時に味わえるという点だ。柑橘風味のカクテルなので、普段お酒を飲んでいない方でも楽しむことができる。
また、フレッシュライムジュースに糖分を加えた「コーディアルライム」を使用すれば、甘味が強くなるためさらに飲みやすくなる。苦味や酸味が苦手であれば、シロップを追加して甘味を調整しよう。
なお、甘みがあって飲みやすいとはいえ、ギムレットはアルコール度数が25度前後と比較的高めである。グイグイ飲み過ぎてしまうと、アルコール中毒になるリスクがあるため注意が必要だ。バーや飲食店によっては、30度以上のギムレットが提供されることも覚えておこう。
ギムレットの作り方|必要な材料
ギムレットはジンとライムジュースを合わせるだけなので、カクテルシェイカーさえあれば自宅でも簡単に作れる。シェイカーを使わない場合、ジンライムになってしまうため注意が必要だ。
なお、以下の材料以外にもシロップを足したり、加糖のライムジュースを使ったりなど、好みに応じてアレンジを効かせることもできる。
【材料】
- ドライ・ジン:3/4(45ml)
- ライムジュース:1/4(15ml)
【作り方】
- シェイカーにドライ・ジンとライムジュースを入れる
- 適量の氷を入れて20回ほどステアする
- カクテルグラスに注げば完成
ギムレットをさらに楽しくする5つのアレンジレシピ
通常のギムレットに飽きた方は、以下のアレンジレシピを試してみてほしい。少しアレンジを加えるだけで、新鮮な気持ちでギムレットを楽しめるはずだ。
- ギムレット・ハイボール
- ローズ・ギムレット
- ノンアルコール・ギムレット
- チョコレート・ギムレット
- ジン・ライム
それぞれ1つずつ解説していく。
ギムレット・ハイボール
「ギムレット・ハイボール」は、通常のギムレットに氷と炭酸水を足したものだ。シュワシュワとしたソーダの爽快感が足され、なおかつアルコール感が薄まるため、さらに飲みやすいカクテルへと変化する。
作り方は簡単で、通常のギムレットを作ったあと、それを氷の入ったタンブラーグラスに注ぐ。その後、8分目くらいまで炭酸を入れて軽く混ぜれば完成だ。
【材料】
- ドライ・ジン:45ml
- ライムジュース:15ml
- 炭酸水:好みの量
- 氷:適量
ローズ・ギムレット
バラのような色をしたカクテル「ローズ・ギムレット」を紹介する。このカクテルは、「ボンベイサファイア」と「トニックエッセンス」を合わせ、そこに「ローズヒップティー」を加えたものである。
ローズのようなピンク色の見た目が特徴で、華やかな香りと美しい見た目を楽しむことができる。指定の銘柄を揃える必要があるため、どちらかと言えば上級者向けのアレンジレシピである。
【材料】
- ボンベイサファイア:1/2(30ml)
- トニックエッセンス:1/4(15ml)
- ローズヒップティー:1/4(15ml)
- 宮古島の雪塩:少量
- 食用花:適量
バージン・ギムレット
「ギムレットを楽しみたいけどアルコールが苦手」という方におすすめなのが、「バージン・ギムレット」だ。
ギムレットは爽やかで美味しいものの、アルコール度数が25度前後あるため、アルコールが苦手な方は気軽に飲むことができない。しかし、通常45ml入れるジンを5ml程度まで減らすことで、ノンアルコールというわけではないが、アルコール感をかなり減少させることができる。
ジンを減らした分はライムジュースとシロップを増やして、カクテルの量を調整しよう。氷を入れてハードシェイクすれば、溶けた氷がバランス良く馴染むはずだ。
【材料】
- ドライ・ジン:5ml
- ライムジュース:30〜45ml
- シロップ:5〜10ml
チョコレート・ギムレット
ギムレットにチョコレートリキュールを加えることで、ビターチョコレートの香りが楽しめる。色合いもブラウンになり、通常のギムレットとは一味違った雰囲気を演出してくれる。
作り方は簡単で、各材料をシェイクして氷の入ったグラスに注ぎ、軽くかき混ぜるだけだ。軽くライムを絞り入れると、良いアクセントとなり飲みやすくなる。
【材料】
- ドライ・ジン:40ml
- ライムジュース:20ml
- チョコレートリキュール:15ml
- シロップ:適量
ジン・ライム
ギムレットはシェイカーを使って作るカクテルだが、一方のジン・ライムはビルドで作るカクテルである。作り方は、ジンとライムジュースをグラスに注ぎ、マドラーでかき混ぜれば完成だ。
シェイカーがなくても自宅で簡単に作れるのがジン・ライムの魅力である。ぜひ一度試してみてほしい。
【材料】
- ドライ・ジン:40ml
- ライムジュース:10〜20ml
- ライム(くし切り):1カット
ギムレットにおすすめのジン7選
続いて、ギムレットの材料におすすめのジンを合計7つ紹介する。
- サントリー ビーフィーター
- ボンベイ・サファイア
- ジャパニーズクラフトジン 翠
- プレミアムジン タンカレー ナンバーテン
- ウヰルキンソン・ジン
- No.3 ロンドンドライ・ジン
- ザ・ボタニスト
材料に何を使うのかで、ギムレットの味わいや香りが変化する。以下の詳細を確認した上で、自分好みの商品を選択しよう。
1.サントリー ビーフィーター
ロンドンドライジンとして定番の「サントリー ビーフィーター」を紹介する。ジン特有のクセが少なく飲みやすいため、ライムの酸味を邪魔しないギムレットを作れる。
また、爽やかな柑橘系の味わいを感じることから、ギムレットとの相性が良く、アルコールが苦手な方でも楽しめるカクテルが実現する。ドライ・ジン選びで迷ったなら、まずはこの商品を検討してみよう。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:40度
- 参考価格:1,338円
2.ボンベイ・サファイア
「ボンベイ・サファイア」は、華やかな香りとアロマな味わいを楽しめるジンだ。世界各国から厳選して集められた10種類のボタニカルを使用し、特別な製法によってジンが造られている。
この製法により、ボンベイ・サファイア特有の香りと味わいを実現している。ギムレットの材料として使用すれば、よりコクの深いカクテルを作ることができる。もちろん、ギムレット以外のカクテルにも問題なく使用できる。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:47度
- 参考価格:1,926円
3.ジャパニーズクラフトジン 翠
サントリーから発売された「ジャパニーズクラフトジン 翠」を紹介する。日本人の味覚に合うように造られたお酒であり、柚子・緑茶・生姜のおいしさを引き出した原料酒がブレンドされているため、清々しい爽快感と深い旨味を楽しめる。
ギムレットとの相性もバッチリであり、カクテル以外にもストレートやソーダ割りなどでもジンの美味しさを満喫できる。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:40度
- 参考価格:1,518円
4.プレミアムジン タンカレー ナンバーテン
「今までにない高品質のジンを創る」という想いで実現したのが「プレミアムジン タンカレー ナンバーテン」だ。伝統的な製法によって造られたプレミアムジンの決定版である。
その名前の通り、高級感のあるプレミアムな味わいと香り、後味を楽しめる。ほかの商品とは一味違うギムレットを作ることができるはずだ。とはいえ、価格は比較的高めであるため、初心者にはあまりおすすめできない。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:47度
- 参考価格:3,875円
5.ウヰルキンソン・ジン
10種類以上のボタニカルを使用した「ウヰルキンソン・ジン」。シトラスのニュアンスが際立っており、爽やかな甘味とビター感のある味わいを楽しめる。ハーブの香りとなめらかな飲み心地も特徴的。
ギムレットのベースに使用すれば、軽やかでスッキリとした後味が実現する。大容量タイプなので、ギムレット以外のカクテルにも活用できる。
- 液体容量:1800ml
- アルコール度数:37度
- 参考価格:2,101円
6.No.3 ロンドンドライ・ジン
鍵を模したボトルデザインが特徴的な「No.3 ロンドンドライ・ジン」。酒棚に飾るだけでも、確かな存在感を放つ。
本銘柄はデザインだけでなく、味わいや香りも魅力的。グレープフルーツやラベンダー、オレンジといったフルーティな香りが広がる。どのカクテルにも基本的にマッチするため、ギムレットのベースとしても適してる。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:46度
- 参考価格:4,294円
7.ザ・ボタニスト
「ザ・ボタニスト」には、クラシカルな9つのボタニカル、それに加えてアイラ島原生の22種類ものボタニカルが使用されている。素材の持つ複雑なアロマが見事に引き出されており、ギムレットに使用した際には極めてスムースな口当たりが実現する。
また、優しいフィニッシュを併せ持つのもこの銘柄の特徴。「優しい口当たりのカクテルが作りたい」という人におすすめ。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:46度
- 参考価格:3,800円
ギムレットにおすすめのライムジュース5選
最後に、ギムレットにおすすめのライムジュースを5つ紹介する。おすすめのジンと合わせて、以下の詳細をぜひ確認してみてほしい。
- ポッカサッポロ 業務用ライム100%
- 有機ライム果汁ストレート100%
- ライムリービオ 有機ライム果汁
- 生搾り有機ライム ストレート100% 果汁
- 明治屋 マイライム
それぞれの商品を順番に見ていこう。
1.ポッカサッポロ 業務用ライム100%
ライムジュース選びで迷ったら、まずは「ポッカサッポロ 業務用ライム100%」を検討しよう。この商品は日本で造られており、フレッシュな味わいと爽快感のある香りが魅力的。
無糖で爽快感が強く、少量でも味が濃いことから、ギムレットなどカクテルへの使用にも適している。業務用で容量が多いため、一度購入すれば長持ちするはずだ。
- 液体容量:720ml
- 参考価格:1,248円
2.有機ライム果汁ストレート100%
続いて紹介するおすすめ商品は、「有機ライム果汁ストレート100%」だ。原材料は有機ライム果汁のみで、添加物は一切使用されていない。ストレート果汁なので、ライム本来の味わいを楽しむことができる。
濃厚な味わいで添加物が含まれていないことから、ギムレットなどカクテルへの使用におすすめだ。
- 液体容量:900ml
- 参考価格:1,590円
3.ライムリービオ 有機ライム果汁
オーガニック認証を取得しているライムジュースだ。100%有機ライムを使ったストレート果汁で、爽やかな酸味と風味が楽しめる。
1瓶あたり約9個分のライムが使用されており、ライム果汁としては「ペルシアン」という品種が採用されている。250mlサイズなので「少しだけ試したい」という人にもおすすめ。
- 液体容量:250ml
- 参考価格:540円
4.生搾り有機ライム ストレート100% 果汁
有機ライムを生搾りした果汁100%のライムジュースである。濃縮還元されていないため、有機生ライム由来のビタミンCやクエン酸などの成分を摂取できる。
ライムサワーやギムレット、ジンライムなどと相性が良く、焼き魚や肉料理、サラダとも十分にマッチする。「ライムのフレッシュな味わいを楽しみたい」という人に推奨される。
- 液体容量:500ml
- 参考価格:1,005円
5.明治屋 マイライム
ライムの風味を充分に活かして作られた「明治屋 マイライム」。果汁は10%と控えめで、甘くて酸味が少なく飲みやすいのが特徴だ。
約600円という値段設定、そして容量は720mlという高コストパフォーマンスが魅力的。気軽にギムレットを楽しみたい人におすすめだ。
- 液体容量:720ml
- 参考価格:588円
まとめ
今回は、ギムレットの特徴や作り方、複数のアレンジレシピを解説した。
ギムレットは、ジンとライムジュースを合わせて作るショートカクテルだ。シロップを入れて甘味を追加することもあるが、基本的には辛口のまま楽しむカクテルであり、キリッとした爽快感を堪能できる。
アレンジレシピも豊富なので、アルコールが苦手な方もぜひギムレットを一度作ってみてほしい。なお、本記事で紹介したアレンジレシピはほんの一握りであるため、興味がある方はほかのアレンジレシピも調べてみよう。