国内に飲み屋街は数あれど、福岡の博多エリアはいつか行ってみたいと思っていた街の一つである。博多駅周辺をはじめ、中洲や天神といった屋台街が徒歩圏内にあるため、飲み歩きにはうってつけの街といえる。
ただ、筆者が気になっていたのは、長浜ラーメンの発祥とも言われる「長浜屋台街」。かつては多くの屋台で賑わっていたが、近年は数軒しか営業しておらず存続も危ぶまれていた。しかし、2023年6月から復活を果たしたと聞きつけ、実際に長浜屋台街へと訪ねてみることにした。
■ “長浜屋台街”ってどんなところ?
長浜屋台街は福岡市中央区にある。福岡市地下鉄「赤坂駅」から徒歩10分ほどの場所にあり、東京の羽田から飛行機と電車で向かえば2時間ほどで到着する。
経営者の高齢化などによって屋台の数は減ってしまったが、2023年6月から市の公募に応じた7店舗の出店が決まり、かつての賑わいを取り戻しつつある。
■「長浜市民球場」でプレイボール!
はじめに訪ねた屋台は「長浜市民球場」である。店名を見たときから薄々感じていたが、店主の松清さんは福岡ソフトバンクホークスのファン。屋台街の近くには「福岡PayPayドーム」もあり、ここで屋台を始める前は試合観戦の後に長浜屋台街で飲み歩いていたという。
野球愛はメニューからも感じられ、おでんや焼き鳥といった定番メニューのほかに、「本日のスタメン」として鶏皮カリカリポン酢や厚揚げの明太マヨネーズなどがラインアップしている。
屋台とは思えないほどの品数の多さに驚かされたが、「絶品とんぺい焼き」と「ずわいがにの甲羅盛り」を注文することにした。
どちらもしっかりめの味わいで、酒のアテとして申し分ない。特にずわいがにの甲羅盛りは少し小ぶりだったが、身が甘くカニ味噌と絡めるとまた濃厚な味が楽しめる。
また、余ったカニ味噌に熱燗を注ぎ「甲羅酒」にするのもおすすめ。カニの旨味と日本酒が絶妙にマッチし、至福のひと時を味わえる。
店主の松清さんによると、ずわいがにの甲羅盛りは期間限定で実施されている「三陸・常磐うみうまフェア」とのコラボメニューだという。同店をはじめ長浜屋台街の一部店舗では、三陸・常磐の海産物を使ったオリジナルメニューを提供している。
住所:福岡県福岡市中央区長浜3-14
営業時間:19:00〜翌1:00
公式SNS:「長浜市民球場」
三陸・常磐うみうまフェアとは?
多くの人に東北の美味しい海産物を楽しんでもらうために、東京や愛知、福岡で開催されているコラボ企画。ちくわや赤エビといった三陸・常磐の水産加工品を使い、お店独自の一品に仕上げている。
福岡では長浜屋台街の一部店舗のほか、地元で人気のカフェ「CAFFE OTTO」や博多発祥・鍋焼きラーメンのお店「めんちゃんこ亭」ともコラボしている。
なお、コラボメニューが味わえるのは2024年1月15日(月)〜2月14日(水)まで。福岡を訪ねる機会があれば、ぜひ注文してみてほしい。
公式HP:「三陸・常磐うみうまフェア」
■福岡名物をアテに飲むなら「明太中毒」へ!
福岡といえば、やはり明太子。そこで向かったのは「明太中毒」である。なんでも、ここは屋台初の明太子専門店なのだとか。
シンプルな「焼き明太子」をはじめ、「明太だし巻き玉子」や「明太としらすのアヒージョ」など、明太子を使ったメニューが豊富。どれを頼むか悩んだが、店主の米満さんにおすすめしてもらった「明太とろろ鍋」と「ちくわ明太の炭火焼き」を注文することにした。
熱々の状態で運ばれてきた明太とろろ鍋。出汁と海苔の香りがほのかに感じられ、見ているだけでも食欲が湧いてくる。
とろろと明太子を混ぜて食べると、野菜のシャキッとした食感や豚肉の旨味、明太子の風味が合わさり、口いっぱいに幸せが広がるかのようだ。
ちくわ明太の炭火焼きもうみうまフェアのコラボメニューで、一切れ頬張ると炭火で焼かれたちくわの香ばしさが印象的。また、弾力と優しい甘さを感じさせるちくわと、ほど良い塩味が効いた明太子が絶妙にマッチ。これだけで何杯も飲んでしまった。
住所:福岡県福岡市中央区長浜3-14
営業時間:18:00〜24:00
公式SNS:「明太中毒」
■ガチ中華が味わえる「長浜少衛」で〆の一杯を
最後に訪ねた「長浜少衛(ながはましょうえい)」は、中国出身の店主が作る本格中華料が味わえる。人気メニューは「牛の角煮込み」や「果実ラム肉串」だそうだが、〆の「ラーメン」をいただくことにした。
シンプルながらも飽きのこない一杯。お好みで入れられる紅生姜も相まって、さっぱりとした味わいが楽しめる。
住所:福岡県福岡市中央区長浜3-14
営業時間:18:00〜翌1:30(月〜木)、18:00〜翌2:00(金〜日)
公式SNS:「長浜少衛」
■まとめ
福岡の屋台街は中洲や天神などの方がアクセスしやすいが、ここ半年ほどで復活した長浜屋台街も十分な魅力にあふれている。
お店ごとに特徴のあるメニューを提供しているため、一度訪ねただけでは長浜屋台街を語るには足りないかもしれない。折をみて再訪したいと思うが、読者諸君も福岡へ行くことがあれば、ぜひ足を運んでみてほしい。
▼あわせて読みたい