106194100年以上続くりんご園が造るシードル「もりやま園」|弘前シードルの旅

100年以上続くりんご園が造るシードル「もりやま園」|弘前シードルの旅

男の隠れ家編集部
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今、シードルが熱い。欧州では古くから親しまれてきたが、日本でも少しずつファンが増え始めているのだ。一体どんな酒なのか? りんご王国・弘前で魅力を探ってみたい。

■100年以上続く老舗園が仕掛けるシードルの挑戦

「テキカカシードル」(オープン価格)のほか、風味を付けた個性派も。

まだ静かな飲み屋街を抜けると、雪を被ったりんご園が広がる。雪の白が光を反射し神聖な雰囲気だ。ここが100年以上続くりんご園「もりやま園」である。

広さ約9haもの広大なりんご畑には、青森を代表する品種「ふじ」をはじめ約1800本ものりんごの木が栽培されている。シードル造りを始めるきっかけとなったのは大量の雹だったという。

タンクの中で発酵・熟成される。このとき発生した炭酸ガスが果汁に溶け、発泡感につながる。
アルコール測定の作業。シードルを蒸留し、酒精計で測定する。

「収穫前のりんごすべてに傷が付きました。ほとんどの農家がそのまま育てましたが見た目が悪くて売り物にならない。加工用のりんごとしてしか出荷できず、2tで5000円くらいの値段しか付きませんでした」。

そう当時を振り返るのは代表の森山聡彦さん。自然災害のリスクを回避するためにと考えたのが、間引きのために摘み取った“摘果りんご”の加工品を生産することだった。

代表の森山さん。

「2013年にシードル研究会の視察で訪れたフランスでシードルの原料となるりんごを齧ってみました。すると苦くて渋く、摘果りんごの味にかなり近い。それまで日本のシードルは生食用のりんごを使っていましたが、当時の技術では甘くなり過ぎてしまって食事とは合わなかった。でも、摘果りんごを使えば海外に引けを取らない日本のシードルができるのではないかと思ったんです」

ノンアルコールの「テキカカアップルソーダ」と「テキカカアップルソーダホップド」(どちらもオープン価格)。

そこから摘果りんごでのシードル造りの実験を行い、試行錯誤を繰り返した。その5年後の2018年、シードルを発売。

日本で初めての摘果りんごを使ったシードルは従来のものとはまったくの別物。甘過ぎずさっぱりとした喉越しが特徴で食中酒としても最適。本場のシードルに近い“日常の酒”としてのシードル造りに成功したのだ。

工場の入り口付近には「Take Free」という紙とともにりんごが。

⚫︎摘果りんごとは?

りんご栽培では、大きくて美味しい果実を作るために、余分な未熟果を間引きする摘果作業が行われ、取り除く果実のことを「摘果りんご」や「摘果果実」と呼ぶ。

通常は捨てられる摘果りんご。ポリフェノールが豊富に含まれる。

撮影/三輪卓護

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