アウトドアファン大注目!シーンの中心的なショップ
和歌山県かつらぎ町。人口1万7000人足らずの小さな町が今、アウトドアファンの間で大きな話題になっている。
京奈和自動車道・紀北かつらぎICを降り、紀ノ川沿いの国道24号線を東へ10分ほど走ると、モダンなファザードの建物が見えてくる。大阪、京都、三重など、他府県ナンバーの車が次々と駐車場に吸い込まれていく。小さな子どもを連れたファミリーも多い。まるでテーマパークのようだ。
「Orangeアウトドアショップ」は2014年のオープン以来、フェイスブックなどを通じてクチコミで評判が広まり、アウトドアファンの間では今や知らぬ者のない人気ショップとなった。
PART.1 SHOP
品揃えとラインアップが最大の魅力
日本屈指のアウトドアセレクトショップ
GEAR SIDE
豊富なラインアップについ長居してしまう
ファミリー向けから上級者向けまで幅広い品揃えが自慢のOrange。他のアウトドアショップにない商品も多数取り揃える。
アウトドアに精通したOrangeスタッフの皆さん。わからないことは気軽に相談してみよう。前列中央が店舗運営を統括するエリアマネージャーの堀西さん。その左側がギア館の山本店長、右側がアパレル館の栗山店長。
APPAREL SIDE
別注などこだわりアパレルが並ぶ
ヘビーデューティなアイテムからタウンユースまで、オシャレなウエアやシューズを豊富に取り揃えている。実際に自分の目で見て手に取り、選べるのはありがたい。
カラフルなラインアップは見ているだけでも愉しめる。
常に新しい発見がある情報発信型ショップ
Orangeには常に新しい発見がある。従来の概念にとらわれない店づくりが人気の秘密だ。
「こんなブランドあったんだ」
「欲しいものが必ず見つかる」
そんなクチコミでOrangeの評判はSNSなどで広がっていった。なんといっても充実した品揃えに圧倒される。店内に一歩足を踏み入れると、ギアが所狭しと並べられている。取り扱いアイテムは常時2万点以上にもなるというから驚きだ。定番ギアからファンをうならせるこだわりの逸品まで、多彩なラインアップである。
その充実した品揃えを可能にしているのが、セレクショショップならではの情報発信力。アウトドアに精通したスタッフが、これはと思った商品を積極的に取り入れているという。
例えば他店では見かけないステンレス製のウォータージャグは「ミンテージ」というインド発のブランドで、Orangeが日本総輸入代理店になっている。それが輸入されていない海外製品だとしても、直接交渉して販売するのがOrangeの心意気。さらに、ミリタリーや家庭向けの日用品であってもアウトドアで役立ちそうなアイテムであれば、積極的にラインアップに加えるなど、提案力も抜群だ。
ホスピタリティにあふれた店づくりもOrangeの魅力といえる。店内にはファミリーやカップルで来店しても、パートナーや子どもたちを飽きさせない工夫が随所に凝らされている。また、商品知識豊富なスタッフが、目的や予算に合わせたギア選びをサポートしてくれる。彼らの的確なアドバイスは必ず参考になるはずだ。
さらに、Orange独自の仕様を盛り込んだコラボ商品や別注品の数々にも注目したい。スタッフのアウトドア経験が商品作りにフィードバックされた個性的なアイテムが揃う。そのほんの一部だが、次の項目でピックアップしたのでチェックしてほしい。
PART.2 GEAR
いま日本中が注目するそのオリジナリティ
「コラボ&別注」アウトドアギアの数々
※価格はメーカー希望小売価格
CHUMS
Happy Camping Folding Wagon
Orange別注カラー
アウトドアで大量の荷物を運ぶのに重宝するアウトドアカートの別注カラー。使わない時はコンパクトに収納できる。
UNIFLAME
焚き火テーブルOrange別注モデル
サイドは通常ホワイトアッシュだが、Orange別注モデルはウォールナットを使用。刻印はUNIFLAMEとOrangeのダブルネーム。
Hang Out
Apero Wood Cotto Orange別注カラー
ハングアウトの人気商品「アペロウッドコット」の別注カラー、サンドベージュカラーはどんなシーンにも似合う。
CHUMS Mikan
Tool Box Bag
ペグやハンマーをまとめて収納できるバッグ。OrangeオリジナルMikanとチャムスのダブルネームがオシャレ。カラーは2色。
UNIFLAME
フィールドラックOrange別注モデル
クーラーボックスなど大切なキャンプ用品を雨水や泥汚れから守ってくれる。Orangeの別注カラーのオレンジが鮮やか。
MINTAGE
Hot&Cold Water Pot innova 5 Litres
ホット&クール ウォータージャグ
保冷・保温どちらもOK。注水や洗浄の際に使いやすい広口タイプで、ハンドル付きなので持ち運びにも便利だ。
NANGA
TAKIBI DOWN JACKET
焚火ダウンジャケットOrange別注モデル
火の粉に強い難燃素材を使用している。Orangeスタッフの意見を取り入れたスッキリとしたデザインがスタイリッシュ。
GRIP SWANY
WILD THINGS×GRIP SWANY×Orange
FIREPROOF DENALI JACKET
Orange別注モデル GSJ-OR05
ワイルドシングスの定番デナリジャケットにGRIPSWANYが得意とするFIRESHIELD難燃素材を使用したプレミアムなコラボが別注品として登場。
Kirkham’s
Family Shade CUSTOM cotton
Hang Out × Mikan
Wood Pole
アメリカ国内のみで展開されていた大人数での使用が可能なカーカムスの大型シェードモデル。温かみのあるウッドポールの使用も合わせて提案している。
CAMPAL JAPAN
アポロンTC Ogawa×Orange別注モデル
ポリコットン素材採用の全天候型テント「アポロンTC」。通気性・吸湿性を兼ね備え、結露を気にせず使える大注目テント。
本誌編集長愛用レポート
町でも大活躍! 最高のMA-1型ダウンジャケット
ナンガが誇る防水透湿素材「オーロラテック」を使ったMA-1型ジャケットが冬に大活躍。ミリタリーテイストのジャケットをナンガのダウンで作るというありそうでなかったオシャレな一着で、アウトドアでの保温力、タウンユースでの着やすさは別注ならでは。ダウンのようにボリュームがありすぎないから、街中でも気軽に着れるのがgood!
PART.3 SPICE
野外でも家庭でも大活躍する
史上最強アウトドアスパイス「ほりにし」
肉・魚・野菜……。あらゆる食材にマッチ
Orangeはギアやファッションだけではなく、アウトドアの食の愉しさも提案している。アウトドアでの料理には何かと制約が多い。調味料も自宅のようにあれもこれも準備できるとは限らない。
そこで重宝するのがOrangeが独自に商品化したアウトドアスパイスだ。Orangeエリアマネージャーである堀西晃弘さんが、5年以上の歳月をかけて開発した、その名もアウトドアスパイス「ほりにし」だ。
その狙いは、肉・魚・野菜など、どんな食材にもマッチするオールマイティスパイス。塩やしょう油といった和風のテイストを基本に、ガーリック、黒胡椒、レッドペッパーなど、20種類以上もの素材を絶妙なバランスで調合しているのがポイントで、調理前の下味付け、あるいは仕上げに使うだけで、素材の風味を存分に引き出してくれる。
料理の際に余計なことを考える必要はない。これ一本で味付けを決めてくれるので、手間を省きたいアウトドア料理にはありがたいことこの上なし。料理に自信がない男性にもオススメだ。
2019年4月の発売開始以来、その反響は予想以上で、すでに20万本以上を販売。より刺激を求める声に応えるべく、赤いラベルの「辛口」も登場した。こちらは特有の旨味の後に口の中で広がるパンチの効いた辛さが特徴だ。
「ほりにし」は一度味わったら病みつきになること間違いなしのアウトドアスパイスの決定版だ。
【開発秘話】フランス料理の隠し味、ミルポアパウダーが決め手
「ほりにし」にはフランス料理に使われるミルポアのパウダーを配合しています。ミルポアとはタマネギ、ニンジン、セロリを中心とする香味野菜の総称で、スープやソースなどの基本。スパイシーな中にふくよかな味わいを感じていただけると思います。
またアウトドアスパイスと銘打ってはいますが、家庭料理にもぜひ使っていただきたいです。サラダのドレッシングとしてマヨネーズと合わせても美味しいです。極め付きは「卵かけご飯」。炊きたてのご飯に生卵を割り入れて、しょうゆをひと垂らし。……それはもう感動的なうまさです! ぜひお試しください。
Orangeエリアマネージャー
堀西晃弘さん
PART.4 COLLECTION
世界中からコールマンが集結
かつらぎ町に誕生するミュージアム
希少なコレクションの数々コールマンの歴史も学べる
アウトドアファンを引き寄せるOrangeのさらなる秘密。それはマニア垂涎のコレクション。往年のコールマン製品をコレクションした「※Orangeオールドコールマンミュージアムジャパン(OCMJ)」は必見だ。
このOrange OCMJにはコレクターズアイテムとして人気の高いヴィンテージランタンはもちろん、歴史的に希少価値の高い家庭用照明や雪上バイクまでを収蔵。これほどの規模でコールマン製品が一堂に会するミュージアムは、ファンならずとも見て損はない。コールマンのコレクションを通じたアウトドアファンの交流の広がりが期待されており、増えるコレクションにも大注目だ。
ARC Lantern
“Sunshine of the night”と銘打ったコールマン初の野外用ランタン。希少性の高い同モデルをなんと3台所蔵している。
Coleman COLLER
1950〜60年代にかけて製造された通称・ペンギンクーラー。上蓋裏に付属品の刻印付き栓抜きが残っていることに注目。
Model 151
1937〜39年まで生産されたベッドサイド照明。オーセンティックな陶器の本体、紙製の傘といった古き良き時代の面影を色濃く残す。
Coleman 2 gallon jug
1960年代後半に登場した2ガロンジャグ。所蔵品は内部がガラスホーローとなっている、実際には市販されなかった逸品だ。
Model 242B
200Aの前身となるモデル242。写真はジュニア・シリーズと呼ばれるガソリン仕様のUSAモデル。未使用品(箱付き)を所蔵する。
Radiant Heater
1930年代、まだ暖炉が使われていた時代に、ポータブルな暖房器具として注目されたセラミックヒーター。未使用品(箱付き)を所蔵。
CPR
Canadian Pacific Railway (CPR)に供給されていたランタン。長時間点灯できるようにタンクが通常より大きい。1949年〜83年まで生産。
Orangeアウトドアショップ
和歌山県伊都郡かつらぎ町妙寺488-4
ギア館/☎0736-20-1329
アパレル館/☎0736-26-8888
営業時間/11:00〜20:00
年中無休(年末年始除く)
【公式HP】Orange
新店舗が続々オープン。全国展開に注目!
ORANGEアウトドアショップ なんばパークス店
今年3月、大阪・南海なんば駅直結の大型複合施設「なんばパークス」に、Orangeなんばパークス店がオープンした。仕事帰りなどに気軽に立ち寄れる都市型店舗はうれしいかぎり。
大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70
なんばパークス1F 106
☎06-6585-7797 営業時間/11:00〜21:00
年中無休(年末年始を除く、不定期休あり)
Orangeアウトドアショップ 古河店
茨城県古河市にあるフリークスストア内に9月12日グランドオープンしたばかりの新店舗。待望の関東初出店であり、アメリカンライフスタイルの楽しみ方を提案するセレクトショップとのタッグが話題だ。
茨城県古河市中田2268
☎0280-33-7706 営業時間/12:00~19:00
年中無休(年末年始を除く、不定期休あり)
PART.5 CAMP SITE
Orange会員に用意される大自然に囲まれたフィールド
豊かな自然の中で愉しむキャンプライフを提案
かつらぎ町は四季折々の自然に親しめるアクティビティが多彩だ。そんな同町でアウトドアを満喫したいなら、なんといってもキャンプは外せないだろう。Orangeはアウトドアライフを愉しむ提案を積極的に行っている。町内にはOrangeがプロデュースしたキャンプサイトが2カ所ある。
新子キャンパーズパークはOrange会員専用の特別なキャンパーズパーク。開放的なフリーサイトでレイアウトに制約がないのが魅力で、少人数ではのびのびと、大人数では和気あいあい、会員同士が親睦を深める交流の場ともなっているようだ。Orangeで買い物をすれば誰でもメンバーになれるので、積極的に利用してほしい。
北寺オートキャンプ場は少人数から16名まで利用できる区画サイト。区画内に車を駐車できるので、重くかさばる荷物の積み降ろしにも便利だ。
どちらのキャンプサイトも有田川の清流沿いにあり、川遊びが愉しめるので家族連れにもお勧め。かつらぎ町は星降る里としても知られ、晴れた夜には空一面の星空を堪能できる。
新子キャンパーズパーク
和歌山県伊都郡かつらぎ町花園新子435-2
予約専用ダイヤル/0736-20-7020
北寺オートキャンプ場
和歌山県伊都郡かつらぎ町花園北寺82-3
電話/090-1405-7596
【予約サイト】北寺キャンプ場(なっぷ)
PART.6 KATSURAGI TOWN
「和歌山県・かつらぎ町」は自然と歴史・文化の宝庫
日本の原風景に癒されるフルーツと世界遺産の町
Orangeのあるかつらぎ町は自然に恵まれた風光明媚な町だ。北に和泉山脈、南に紀伊山地の連なりを望み、紀ノ川が町の中心を悠々と流れている。貴志川や有田川の渓流からは清
々しいせせらぎが聞こえてくる。
また「フルーツと世界遺産の町」としても知られている。年間を通じて温暖な気候から、柿やミカン、ブドウといった果物の生産が盛んだ。特に柿は400年の昔から特産地として知られ、農家の軒先に柿の玉のれんが一斉に吊るされる光景は、晩秋の風物詩として有名(見頃は11月上旬〜下旬)である。
さらに、歴史的にも弘法大師の開いた高野山と深い関わりがあり、平成16年(2004)に高野山参詣道と共に世界遺産に登録された丹生都比売神社がある。丹生都比売神社周辺の天野の里は、かつての日本の原風景を今に残しており、誰もがきっと居心地の良さを感じることだろう。
Text/Ichiro Nakatake Photo/Atsushi Sekino Thanks/Orange