14206ジビエ素材に自信あり。炭火でシンプルに焼いて食す「焼ジビエ罠 鍛冶町店」(東京都千代田区)で食べ比べ|ジビエ料理の店

ジビエ素材に自信あり。炭火でシンプルに焼いて食す「焼ジビエ罠 鍛冶町店」(東京都千代田区)で食べ比べ|ジビエ料理の店

男の隠れ家編集部
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ハンターが仕留めたジビエを、炭火でシンプルに焼いて食す店「焼ジビエ 罠 鍛冶町店」。ここでは天然鹿、天然猪をはじめ、さまざまなジビエを気取らずに味わうことができる。鹿や猪を中心に、素材の味わいを楽しみながらジビエの食べ比べを体験した。(※2017年取材当時)

天然鹿・天然猪の各3種盛りで食べ比べ

「焼ジビエ」という新しいスタイルを提唱して、都内に4店舗を構える「焼ジビエ罠」。ジビエ料理といえば、フランス料理のようにソースでいただくのが古くからの料理法。だが、この店ではシンプルに「焼く」料理にこだわっている。

「うちで使うジビエは、プロのハンターから仕入れた希少価値の高いものです。素材に自信があるから、シンプルに炭火で焼いて、塩コショウのみの味付けだけでも美味しい。新しいジビエの食べ方です」と、鍛冶町店主兼猟師の秋山さんは自信をもって断言する。

店長クラスは狩猟の免許を持たないとなれないそうで、狩猟やジビエの知識も豊富なのだ。ハンターには狩猟の方法、肉の処理、血抜きなどのノウハウを伝授して、最も良い状態のジビエを一頭買いで仕入れているのだという。

ネタケースの中は様々なジビエが占める。
左が天然鹿セット、右が天然猪セット、奥がウサギ肉。

神田駅に近い鍛冶町店は居酒屋風の店構えで、気楽に入れる雰囲気だ。カウンターのネタケースにはジビエの肉が種類別に並べられ、壁の黒板にはその日に食べられるジビエの種類、部位、産地などが書いてある。

ここでは焼肉屋と同じく、客が自ら肉を焼くシステム。ジビエを注文すれば、備長炭を仕込んだ七輪が運ばれてくる。人気は「天然鹿セット」「天然猪セット」の3種盛りだ。

「ジビエは生食厳禁。しっかりと焼きますが、焼き過ぎると焦げて美味しくない。ポイントはひっくり返すタイミングなんです。初めてのお客様には焼き方の指南をさせていただいてます」

エゾ鹿のモモ肉を炭火でじっくり焼いた。

炭火に炙られて、肉の縁の色が変わり、表面に肉汁がじわっと浮いてきた時が、ひっくり返すタイミング。それから約1分経った時が、最も美味しい食べごろだという。塩コショウ、醤油、味噌漬けで下味を付け、焼きあがったところで、薬味の辛味噌、北海道産山ワサビ、自家製セロリ塩を添えていただく。

鹿は本州産の日本鹿とエゾ鹿の2種。日本鹿は香りと甘みがあり、食べやすく女性に人気だ。エゾ鹿は脂がのって濃厚な味わい。猪は鹿以上に脂がのって旨味がある。シンプルな味付けだから、それぞれの素材の旨味がよくわかるのだ。さらに常時ではないが、ウサギ、クマ(ヒグマ、ツキノワグマ)、穴熊、ウズラ、ヒヨドリなどを扱っている。

手前がウズラ、奥が鹿と猪の合挽きつくね。

「ジビエは高タンパクで低脂肪。鉄分やビタミンBが豊富でヘルシーです。ほかの家畜の肉にはない、天然の肉独自の旨味が味わえます。ジビエを食べると、牛肉の味が重く感じてしまうほど。まずは、ジビエの旨味を知っていただきたいですね」

焼ジビエに合わせる酒は、店のおすすめ「罠ハイ(ハイボール)」と「グレート酎ハイ」。さっぱり系のアルコールで気軽に飲みながら、ジビエを味わうことができる。店主おすすめの日本酒もレベルの高い銘柄が揃っていて、燗酒も楽しめる。神田駅近くの場所柄か、会社帰りのサラリーマンで賑わっていた。焼ジビエを初めて食べてイメージと違う新鮮な味わいに驚き、リピーターになる常連客が多いというのも頷ける。

カウンター席中心のカジュアルな店内。

※2017年取材

文/阿部文枝 写真/佐藤佳穂

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