冬のお勧め料理は名物・聖護院かぶら鍋
敷地面積は7万坪。間近に山が迫る庭園を抜けると、茶室を模した数寄屋造りの風雅な建物が現れ、御室の自然が借景となった庭園を眺めながら食事を愉しめる。料理は茶懐石を基本として、山の水を生かした自然の恵みをふんだんに盛り込んでいる。
素材には自家製にこだわった京の伝統食材や、九条ねぎ、加茂なす、聖護院かぶらなどの地場産素材、瀬戸内のハモや鯛、若狭の甘鯛(ぐじ)、カレイなどの、京料理の伝統食材を使用。四季折々の彩りをそのまま料理にうつしだすことを心がけ、旬の料理を器にはんなりと盛った目と舌で味わう料理だ。生ゆば葉料理の店として有名で、自社の「ゆば工房」で職人が手作りした、作りたての生ゆば、豆腐を食すことができる。冬のお勧めは名物聖護院かぶら鍋だ。
「聖護院かぶらを前日からコトコト煮て、口に入れるととろけるような食感です。特製の柚子味噌をかけて召し上がっていただきます」と店主の松山吉之さん。
ほかに京都・丹波篠山産の上質な猪の肉を使い、秘伝の特製味噌で煮る、ぼたん鍋も人気。京都の寒い冬にぴったりの名物鍋で、奥深い京料理を味わいたい。
文/阿部文枝