フグ尽くしのコースで冬の味覚トラフグを堪能
昭和24年(1949)、初代女将・黒田ひでさんが開業。以来、娘、孫、ひ孫と、女将を受け継いできた。令和元年(2019)、新しい時代の幕開けと共に、四代目の女将になったのは清水綾乃さん。
「創業時からのおもてなしの心を受け継ぎ、型にはまらない、しかし崩しすぎることのない“京料理の店”の女将を務めさせていただきたいと存じます」
おもてなしの心が表れているのがカウンター席だ。目の前で繰り広げられる匠の技を見ながら味わう京料理。座敷とはひと味違った、大人の粋な時間を愉しむことができる。料理は会席料理や一品料理、手頃なお昼のコースなど様々。四季会席はおまかせコースで、趣向が凝らされた目にも艶やかな京料理をいただく。
「この時期のお勧めは、職人の仕事が味に出るフグ料理です。最高級品のトラフグだけにこだわったフグ尽くしのコース。照月の自慢の季節料理です」と四代目女将。冬はほかにも、カニ料理のコースや多彩な鍋料理がある。地元客にも愛されている人気店。京言葉が飛び交う中での食事は思い出深いひと時になるだろう。
文/阿部文枝