9839花街・上七軒の風情と京の懐石を堪能する 上七軒 くろすけ 〈上京区〉┃奥・京都の名店

花街・上七軒の風情と京の懐石を堪能する 上七軒 くろすけ 〈上京区〉┃奥・京都の名店

男の隠れ家編集部
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日の暮れ時、北野天満宮の東門から南東方向に延びる上七軒通りを歩くと、軒先に吊るされた提灯や行灯が灯り、幻想的な空間が立ち現れる。京都最古の花街である上七軒は、舞妓発祥の地としても知られ、幕末の志士・土方歳三もこの地へ足繁く通ったという。

長い歴史を感じさせる歌舞練場の前に店を構えるのが豆腐料理を中心とした豆腐懐石が味わえる「上七軒 くろすけ」。およそ120年前に建てられたお茶屋の建物を、当時の風情をそのままに残している。ひとたび暖簾をくぐれば、昔ながらの帳場や階段箪笥など、時代を超えた調度品で飾られた趣のある空間が広がる。

京都らしい風情ある町並みが残る上七軒のメインストリートの一角にある。

階段箪笥を上がって食事処のある2階へ。2階にはお茶屋特有の踊り場があり、今も変わらず芸舞妓さんの舞を楽しむことができる。なかには芸舞妓さんを呼んでお茶屋遊びする客人も。

対面式のカウンターは6席。カウンターでは料理人の華麗な包丁さばきに見入りながら、食事を愉しむことができる。
階離れの「小梅の間」。昔ながらの渡り廊下を渡った先にあり、落ち着いた雰囲気。

四季の移ろいを感じられる中庭が見渡せる窓際の席に座り、名物の湯豆腐をいただく。豆腐は豆の味がしっかりしており、滑らかな口どけと濃厚な甘みがじんわりと舌に伝わる。「寄せ豆腐や胡麻豆腐など様々な豆腐を季節に合わせた愉しみ方で堪能していただけます」と料理長の片野正則さん。

季節の食材と自慢の豆腐を織り交ぜた懐石料理「天神」(7700円)は、ボリュームもあり、料理長こだわりの品が並ぶ。
くろすけ自慢のおぼろ豆腐は、大豆本来の旨味を愉しめる。

お茶屋の面影が今も色濃く残る店内で、遥か昔へタイムスリップしたような感覚を愉しみながら、非日常の空間で心ゆくまで豆腐料理を味わいたい。

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