家主が設計者にリクエストしたのは“巣ごもり感”。狭いながらもほどよく仕切られたコンフォートなスペースは、まさにそれを言い得ている。

木の温もりに満ちた隠れ家的なワークスペース。引き戸の扉でリビングと仕切ると仕事も効率良くでき、とても落ち着くという。

リビングダイニングの一角にウッド調の箱型空間を設え、その中が書斎に。収納力のある棚、間接照明、入口は引き戸になっているため開閉がしやすく、存在感をあまり主張していない、さりげない隠れ家感もお気に入りだという。

パソコンの定位置になっている棚を生かした机。
本や雑貨のほか、棚にぴったり収まるサイズの箱ファイルで細かな資料等を整理。

「以前から書斎というか仕事場が欲しかったんですが、狭い団地では無理かなと……。でもリノベーションの際に設計者に相談したところ、想像以上の部屋が完成しました。持ち帰りの仕事がある時にもここなら集中してできるんです」と、家主のT.Bさんは満足そうにそう話す。

リビングダイニングの一角に箱形のユニークなスペースを設置。その内部が書斎になっている。右横の空間は引き戸で仕切ることができ、フレキシブルに利用可能。

1983年築の団地の一室を2013年にリノベーション。木とコンクリートの風合いを生かしたシンプル&モダンな造りは目を見張るばかり。特にリビングダイニングは引き戸で空間を仕切ることができ、開放感と共にフレキシブルで回遊性のある間取りが工夫されている。

そこに箱式の書斎や洗面コーナーなどの水回りを造るというユニークな発想。家族の変化、使い方に応じて間取りも自由に変えられ、長くここで暮らすための快適性とプライベート感が追求されているという。

書斎の引き戸を閉めてプライベートなひと時を過ごす。
息子さんと二人で書斎に入る。

「今はやっぱり書斎が一番好きな場所。今度はここに似合う、もっと座り心地の良い椅子を購入したいと思っているんです」

書斎を下から見上げたところ。天井が高いので圧迫感はない。

【秘密基地造りのPOINT】
1.居住空間の一角に箱型空間を。
2.入り口は主張しすぎない引き戸。
3.天井を高くすれば圧迫感が軽減。

文/岩谷雪美 撮影/佐藤佳穂