下町の賑わいが残る人気の町で、地下鉄の駅近くのマンションという恵まれた住環境。その高層階に住むのが画家をしながら会社勤務をしている内野隆文さんと、ギャラリーに勤めているという奥さん。共にアートに関係している夫婦だ。

リビングと寝室の白い壁。アンティークの窓の周辺には隆文さんの作品やコレクションが飾られている。

室内に入りエントランスとリビングをつなぐ年代物のドアを通り抜けると、隆文さんの作品やコレクションしているアンティークなどが飾られた白い壁が目に入ってくる。この壁の内側に夫婦別々のミニ書斎が置かれている寝室がある。

ベッドをセンターにレイアウトして、両端に2人の小さな隠れ家が適度な距離感で配置されている。

アート好きな夫婦が、この理想の部屋を考える際に巡り合ったのがワンストップリノベーションだった。そのシステムを知ったことで部屋造りの理想に近づいたのだ。

奥さんのミニ書斎。寝室とは壁で隔てられているが、天井が開いているので閉塞感はないという。

「新築物件の整ったきれいな空間ではなく、中古物件を自分たちならではの感覚で、好きなように仕上げることができるシステムが気に入りました」とご主人の隆文さん。そして目指した部屋が、夫婦別々の時間を過ごすミニ書斎を設置することと、アートギャラリーのような空間だった。

ところが、50平方メートルに満たない空間だったために、夫婦別々のミニ書斎造りがリノベーションの際に一番頭を悩ませる部分となった。図面段階で書斎をリビングに置いたりと紆余曲折、試行錯誤があったという。

そして「ベッドを置く寝室の両端にすれば、適度な距離感が保てるんじゃないか」と考えて、ようやく現在のレイアウトにたどり着いたそうだ。

奥さんとは反対側に設置された隆文さんのミニ書斎。壁によるこもり感はないが、奥さんと同様に“アートギャラリー”のような、小さな秘密基地の雰囲気は保たれている。

今は“アートギャラリー”のような室内の雰囲気に浸り、「適度に離れた書斎で自分の時間と空間を楽しむことができて満足です」と語る内野さん夫婦。気に入ったアンティークや作品に囲まれた部屋から、夜景を眺めながらコーヒーを飲むのが一番好きな時間なのだと話してくれた。

TVは観ないのでソファは置かない。このリビングから町の景色を眺めながらコーヒーを淹れて飲むのが楽しみだという。

 しかし悩みもある。

「増えてくる自分の作品とアンティークのコレクションを収納する場所を考えないと」。理想の空間造りは未だ道半ばだと語る内野さんだ。

【秘密基地造りのPOINT】
1.限られた空間に夫婦別々のミニ書斎。
2.年代物の窓やデスク、ランプ。
3.作品が映えるシンプルな白い壁。

【Owner’s voice】
自分たちが納得のいくアートギャラリー的室内空間ができたんじゃないかと思います。限られたスペースでも別々の書斎ができたことに満足です。

写真/佐藤佳穂