地元民から愛される3代続く老舗の食堂

茨城県日立市にある「ひかり食堂」は、昭和の情緒を今に残す大衆食堂だ。店の軒先には懐かしさがあるれる食品サンプルのメニューが置かれ、レトロな絶品メシを求める者として期待値が上がる。店内に入ると年季の入った板壁や天井、蛍光灯のカバーが懐かしさを連れてくる。メニュー板も懐かしい。

昔懐かしい雰囲気が漂う店内。

店主の細貝直樹さんによると、祖父の益蔵さんが戦争中の配給でうどんを出していたのが食堂の始まりで、現在は孫の直樹さんが3代目店主として腕を振るう。煮干し出汁のラーメンや唐揚げをはじめメニューが豊富で、特に生姜焼きやカツ丼は先代から味をしっかりと引き継ぎ、昔からの常連客にも愛されている。

「生姜焼き定食」を注文すると、ほどなくしてたっぷりのタレが絡んだ美味そうなセットが供された。ほどよく噛み応えのある豚肉と、先代から受け継いだタレの相性は抜群だ。生姜の香りが食欲をかき立て大きな丼茶碗のごはんも、ぱくぱくと食べ進めてしまう。

先代からの人気メニュー「生姜焼き定食」はタレも手作り。

また、料亭や中華料理店などで研鑽を積んできた直樹さんが作る「ジャンボ餃子」は、この店に訪れたなら必ず食べるべき逸品である。

皮からすべて手作りで、ボリュームたっぷり。1個につき80gはあるのでは? と思うくらい大きさな餃子は、口に含めばジューシーな肉汁があふれ出す。ぎっしりと餡が詰まっていて食べ応えは満点。間違いなく酒もごはんも進むのだ。

もちもちとした厚めの皮も美味しい「ジャンボ餃子」。
店主の細貝直樹さん。

チェーン店では絶対に味わうことができない人情と、歴史の旨みがぎゅっと詰まった「ひかり食堂」。変わらない先代の味と、当時は提供していなかった新しい料理を加え、今日も今日とて美味しい食事を提供しているのである。

築47年の建物は、様々な人たちの思い出が残る場所でもある。

※新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間・定休日に変更の可能性あり(2019年取材)

文/岩谷雪美 写真/秋武生