自慢の庭園を眺める空間で体を温める絶品湯豆腐を

建物は新館と本館に分かれており、新館の壁一面を覆うように飾られる伊万里の皿は先々代のコレクション。新館はテーブル席を中心とした雅な雰囲気の空間が広がる。奥へ進むと、広々とした中庭へ抜ける。

新館、本館共に大きな窓から庭園を望める造りになっていて、どこからでも庭園が愉しめる。写真は新館。

嵯峨野の雰囲気をそのまま取り込んでいる自慢の日本庭園は約900坪という広さ。冬の寒さが和らいだ頃には、このテラスでも食事ができる。それもなかなか風情を感じられそうだ。その先にある純和風の建物が本館だ。内部はテーブル席がメインの新館に対して、こちらは座敷が中心だ。

季節によって異なる風情を楽しめる庭園。何度来ても飽きることなく眺めていられる。

本館1階に腰を下ろし、大きな窓から庭園を眺めながら「湯豆腐定食」をいただく。メニューはこの「湯豆腐定食」のみ。その自慢の湯豆腐は、 地元で作られる嵯峨の豆腐に希少価値の高い根昆布を使用した出汁を合わせたもの。湯豆腐から湯気が立ち昇り始めた頃に天ぷらとご飯が運ばれてくる。

「湯豆腐定食」は全部で10品近くが並び、胡麻豆腐や豆腐を使ったデザートなども人気が高い。京都で古来愛され続けてきた豆腐料理を満喫できる。

嵯峨豆腐を使用した湯豆腐は、舌触りが滑らかで大豆の味わいも深い。調理部主任の森路吾郎さんは「豆腐はもちろんのこと根昆布の出汁、豆腐につけるだし醤油に至るまで、創業した昭和40年(1965)以来の味を変わらずに伝え続けたい」と語る。

「湯豆腐定食」には湯豆腐のほかに約10品ほどのおかずが付くが、それぞれの料理にこだわりが感じられる。野菜の天ぷらや刺身こんにゃくなど、京都の素材を中心とした旬の料理を存分に堪能できる。そして食事が終わったら、忘れずに庭を散策したい。季節の移ろいを感じながら、嵯峨野の静寂な空気の中をぐるりと回って帰路につく。

調理部主任の森路吾郎さん。