ビールやワイン、ウイスキーは嗜むものの、リキュールを飲む機会はなかなかないという人も多いのではないだろうか。今回はそんな人に向けた、リキュールの種類や美味しい飲み方について紹介していこう。お酒の嗜み方のバリエーションも広がるので、ぜひチェックしてみてほしい。

リキュールとは

「リキュール」という単語を聞いたとき、最初に何をイメージするだろうか。大抵の場合、ストレートで飲むお酒というよりは、炭酸水やジュースで割ってカクテルにして飲むものというイメージが強いかもしれない。ここではまずリキュールというお酒そのものの定義について詳しく解説していこう。

リキュールとは蒸留酒に果実などの原材料を使って、香りを付けたものを指す。また、実際の果実や花から香りや味を移すだけでなく、甘味料を加えて味を整えたものもリキュールと定義される。細かい定義は国や地域によって異なるようだが、日本では梅酒もリキュールの一部とされている。ちなみにリキュールとは、ラテン語で「溶け込ませる」という意味の「liquor」が変化したものが語源とされている。

リキュールの歴史

ここからは、リキュールの誕生から、現代のリキュールが出来上がるまでの歴史について触れていこう。リキュールの起源は、なんと紀元前の古代ギリシャ時代だといわれている。そしてその生みの親といわれているのは、世界史などでも有名な古代ギリシャの医者ヒポクラテスだという説が濃厚だ。ヒポクラテスはワインに薬草を入れ水薬を作り出した。ワインは蒸留酒ではないので、現代のリキュールの定義とは少し異なるが、酒に何かを溶かし入れる、という手法を用いたという意味でそれが起源とされている。

その後、13世紀のスペインで現在のリキュールに近いものを作り出したのは、医者のアルノード・ビルヌープだ。彼はブランデーの創始者でもあり、リキュールを作る際に、オレンジの花やレモン、ローズなどの成分を使用したというのだ。この頃はまだ薬として飲まれることが多かったリキュールだが、大航海時代が訪れるとともに香辛料の流通も進み、現在多くの人に飲み親しまれている形へと次第に変化していったのだ。

リキュールの製法

リキュールの製法は、大きく分けて2つの工程がある。1つは香味抽出、そしてもう1つはブレンドだ。香味抽出とは文字のとおり、原料の香味成分を抽出する工程である。香味抽出にもさまざまな方法があり、原料を中性アルコールとともに蒸留する蒸留法や、蒸留酒に原料を漬け込んで成分抽出を行う浸漬法など、リキュールの種類に応じて最適な製造方法で作られていることが分かる。

一方、ブレンドの工程では、香味抽出で抽出した香味液に糖類などの+αを加え、最終的な味を調節していく。その後は熟成させてろ過で仕上げた後に、リキュールは完成するのである。

リキュールの種類

一口にリキュールといっても、製造の際に使用される材料は多岐にわたるため、その材料によって様々な種類に分けられる。ここでは、大きく4つに分けた系統を紹介していくのでぜひ参考にしてみてほしい。

香草・薬草系

まずは、香草・薬草系のリキュールだ。代表的なものは、よく耳にするカンパリやアブサン、イエーガーマイスターなどが挙げられる。カンパリはビターオレンジをはじめとする約60種類のハーブが原料となっており、アルコール度数は25度。アブサンやイエーガーマイスターも数十種類のハーブから作られており、とりわけアブサンはアルコール度数が70%前後と高く、独特の香りを特徴とする。元々薬として飲まれていたリキュールにもっとも近いのがこのタイプだろう。

果実系

次に紹介するのは果実系だ。果汁や果肉、果皮が原料として用いられ、フルーツの香りを存分に楽しむことができる。飲むだけでなく、お菓子作りにも使用されることが多いのがこのタイプだ。代表的なものは、女性に人気のカクテル・カシスオレンジにも使われるクレームドカシスが挙げられる。そのほかオレンジのリキュールのキュラソーも有名である。

ナッツ・種子系

続いては、ナッツ・種子系について紹介しよう。この種類はカカオやバニラ、コーヒー豆などを原料とした濃厚な味わいが特徴だ。カルーアミルクなどに使われるコーヒーリキュールは非常に有名で、誰もが一度は飲んだことがあるかもしれない。またイギリスを原産国としたベースがラム酒のマリブもこれに含まれる。香りからも分かるようにココナッツが原料に含まれた甘い香りが魅力的だ。

その他

上記のどの種類にも分類されないリキュールもたくさんある。意外かもしれないが、卵やクリーム、ヨーグルトなどを原料としているものも数多くあるのだ。アイルランド産でアイリッシュウイスキーをベースにクリームが入ったベイリーズや、アルコール度数も低く甘くて飲みやすいオランダ産のヨーグリート、同じくオランダ産でブランデーをベースに、卵や砂糖、香料などを加えたアドヴォカートなど、一度は味わってみたいものも多い。

リキュールの美味しい飲み方

ここからはリキュールの美味しい飲み方について触れていこう。カクテルとして飲む機会が多いことから、リキュールは女性のお酒というイメージがある人も多いかもしれない。続いて紹介するリキュールの美味しい飲み方を参考に、ぜひ色々な楽しみ方を試してほしい。

ストレートはリキュールグラスで

お気に入りのリキュールを見つけたら、まずはリキュールグラスを使ってストレートで飲んでみよう。リキュールグラスとは、ワイングラスのような脚の付いたグラスで、少量ずつ注いで味わいながら飲むのに最適だ。リキュールはビールやワインなどと比べて、アルコール度数が高いものが多いが、少しずつじっくりと飲むことによって、味わいの深さを堪能できるのだ。

ロックは味の変化を楽しめる

ストレートで楽しんだ後は、氷を入れてロックで味わうのもよいだろう。ストレートはダイレクトに濃厚な風味が伝わってくるため少し飲みづらさを感じた人も、氷を入れることによってさっぱりと飲みやすくなる。氷がゆっくりと溶けていくのをながめたり、会話を楽しみながらじっくり味わってほしい。

アルコール度数が気になる人は水割りで

アルコール度数が高すぎて、ストレートやロックで飲むのは少し躊躇してしまうという人は、ぜひ水割りで飲んでみてほしい。若干香りや味は薄くなるものの、リキュール本来の味を損なうことなく楽しめるはずだ。

爽やかに飲みたい人はソーダ割りで

さらにさっぱりとした飲み口を好むなら、炭酸水で割って飲むのもおすすめだ。とくに甘すぎる風味が苦手な人や、香草や薬草系のリキュールを飲んだときに、香りが強すぎてなかなか美味しさを感じられなかったという人もソーダ割りがいいだろう。カンパリソーダやカシスソーダなどお店でもよく見かけるものから、家で飲むときは炭酸水とリキュールの割合を変えながら自分好みの配合をぜひ探し出してみてほしい。

カクテルで色々なアレンジを楽しむ

リキュールを気軽に楽しむなら、やはりカクテルが一番だ。日頃からお酒を嗜む人はもちろん、アルコールに弱い人でもジュースなどを加えたカクテルであれば飲みやすい。簡単なカクテルのレシピはネットでも調べることができるので、自宅でさまざまなタイプのリキュールを作って飲み比べるのも楽しいかもしれない。

これまでリキュールは女性が好むカクテルに使われるお酒とイメージしていた人も多いかもしれない。ここで紹介した歴史や種類、ストレートやロックなどの飲み方も参考にしてぜひその奥深さを体験してみてほしい。