電波時計が電波を受信する仕組みはご存知だろうか?電波時計は電波塔から発信される標準電波を受け取り、自動で正しい時間に修正するという仕組みである。そのため、電波時計の時刻が狂うことはほとんどない。
しかし、電波を常に受け取っているわけではない。また、電波を受信しづらい環境もあるので、その場合には受信しやすい環境に変えたり、受信アプリを試したりするのが有効だ。
本記事では、これら電波時計が電波を受信する仕組みや、おすすめの電波時計を詳しく紹介する。電波時計に興味がある方は、ぜひ本記事を最後まで読んでみてほしい。
電波時計が電波を受信する仕組み

電波時計とは、自動的に正確な時刻に修正する機能が搭載された時計のことだ。電波を受信すると、時計の針が標準時間に修正される。電波時計ではないクォーツ時計の場合、正常な状態でも1ヶ月で15~20秒の誤差が生じる場合がある。そのため、気づかないうちに時計には数分もの誤差が出ていることもあるのだ。
電波時計は、電波塔から発信される標準電波を受け取り、自動で正しい時間に修正する特徴がある。10万年に1秒しか誤差が生じない高精度のセシウム原子時計により、日本の標準時間は定められている。セシウム時計の時刻を常時日本全国に発信しているのが、日本の標準電波だ。
日本の標準電波発信局は東日本・西日本に1箇所ずつあり、東日本では福島局のおおたかどや山、西日本は九州局のはがね山にある。受信時の位置により、電波を受信しやすい局から受信される。この標準電波は、世界の主要な国々でもそれぞれ発信されている。そして、電波時計によって時刻の修正に対応している国は異なる。
電波時計は常に電波を受け取っているわけではない
電波時計は常に電波を受け取っているように思われがちだが、実はそうではない。電波時計が時刻を自動修正する際には大きな電力がかかるため、電波時計が標準電波を受信するのは日に数回程度なのだ。
こうして受信した情報はデジタルデータに変換され、データ内の時刻コードをもとに、時計の時刻を合わせる仕組みになっている。それらのことから、「電波時計は100%時刻が狂わない」というわけではない。
電波時計の時刻が狂う5つの原因
時刻を正確に示してくれる電波時計だが、ときには狂ってしまう場合がある。時刻が狂う原因としては、以下の5つが考えられる。
- 時計の電池が不足している
- 電波を受信しづらい環境にいる
- 針ずれが起こっている
- ほかの電気機器から磁気を帯びている
- 時計内部の部品が劣化している
それぞれの原因を1つずつ解説する。まずは原因を理解し、そのあとに適切な対処法を把握しよう。
原因1.時計の電池が不足している
1つ目の原因は、時計の電池が不足していることだ。電池が不足していると、電波を受信する力も弱まるため、表示時間が狂いやすくなってしまう。
電池が少ないときの症状としては、デジタル式電波時計だと表示画面が暗くなる。アナログ式電波時計の場合は、秒針の進むリズムが狂っていたりする。
これらの症状が見られる場合は、電池の残量が少なくなっている可能性が高い。なお、電池切れの腕時計をそのまま放置すると、液漏れにつながってしまう。最悪の場合、電波腕時計が壊れてしまうため注意が必要だ。
原因2.電波を受信しづらい環境にいる
電波を受信しづらい環境にいるのも、電波時計の時刻が狂う1つの原因だ。そもそも電波時計には、電波を受信しづらい環境というものがある。
基本的に昼間は家電やスマホなどの使用が多く、電波時計の電波が干渉されやすいので、電波の受信は夜に行われる。しかし、夜間であっても電波を受信しづらいケース(以下参照)もあるため、この機会に覚えておこう。
- ビルなどの建物のなかにいる場合
- 高圧電線や電車の架線の近くにいる場合
- 移動している乗り物のなかにいる場合
- 地下鉄を利用している場合
- 気温が極端に高い、あるいは低い場所にいる場合
これらの状況では電波を受信しづらくなるため、電波障害を引き起こす可能性がある。電波時計を利用する際は、これらの場所が要注意であることを覚えておこう。
原因3.針ずれが起こっている
電波時計に針ずれが起こっている場合ある。「常に1分ずれている」という症状が見られたら、まずはこの原因を疑ってみてほしい。
電波時計の自動修正機能は、針が「0時00分00秒」の位置を基準とし、電波を受け取ったときに標準時間に合わせるよう修正される仕組みになっている。
時計の針が何かしらの衝撃によってずれてしまった場合、その標準時間もずれたまま反映されてしまうため、電波を確実に受け取ったとしても表示時刻が狂ってしまうのだ。
原因4.ほかの電気機器から磁気を帯びている
ほかの電気機器から磁気を帯びている、という原因も考えられる。磁気を発する電気機器の近くに電波時計を置いておくと、電波時計が磁気を持ってしまい、時計内部で部品がくっつくなどのトラブルが発生する。
特に時計の心臓部であるヒゲゼンマイが磁気を持ってしまうと、高い確率で表示時刻が狂ってしまう。電波時計が磁気を帯びているのかどうかは、方位磁石を使えば簡単に確認できる。
水平の場所に方位磁石を置き、電波時計をゆっくりと回転させながら近づけよう。このとき、方位磁石の針が動かなければ磁気は帯びていないと確認できる。逆に、針が少しだけ動くなら軽度、ぐるぐると大きく動く場合は重度の磁気帯び状態だと言える。
原因5.時計内部の部品が劣化している
ここまでの原因に当てはまらなければ、単純に時計内部の部品が劣化している可能性がある。電波時計を長年使っていると、部品内にある潤滑油が切れてしまったり、部品の稼働が鈍くなってしまったりする。
電波を受信しやすい環境で電波時計を使っていても、時計内部の部品が劣化すると正常に機能が働かず、時刻が狂ってしまう可能性があるのだ。
電波を受信できないときの5つの対処法
電波を受信するためには、先ほど紹介したケースを避け、受信できる環境に変える必要がある。ときには電波塔などの設備が整備中のために、電波の送信が中断されている場合もある。現在の送信状況はここから調べることが可能だ。
電波の送信は問題なくされており、それでも電波がうまく受信できないといった場合、以下の対処法を実践しよう。
- 受信しやすい環境に変える
- 電池を替えてみる
- 基準位置合わせを行う
- 磁気抜きを行う
- 受信アプリを試す
それぞれの対処法を1つずつ解説する。
受信しやすい環境に変える
電波時計が受信しづらいときには、電波時計は電波ノイズを発生させやすいスマホやパソコンなどの機器から遠ざけ、窓際に置くようにするとよい。受信する場所から送信局の位置を確認して、内蔵されているアンテナ部分をその方角に向けることも大切だ。
また、深夜は、電波ノイズを発生する機器の使用が減るため、より干渉のない状態で電波を受信できる。夜寝る前に、電波の感度が高い方向を探して、その窓際に置いておくとよいだろう。
電池を替えてみる
電池が少なくなっていると、電波をうまく受信できないことがある。電池を入れ替える、ソーラー電池であれば太陽光を当ててフル充電にするなどで、問題が解消されることもある。交換式の電池であれば、専門店などで電池を交換してもらおう。
基準位置合わせを行う
電波時計の針ずれが起きている場合は、基準位置合わせを行おう。何かの衝撃で電波時計の針がずれていると時刻が乱れるため、基準位置を「0時00分00秒」に合わせて電波を受信させることで、その状況を改善できる。
基準位置合わせの方法は、使っている電波時計の種類によって異なる。説明書に書いてある適切な方法で、基準位置に合わせよう。
磁気抜きを行う
電波時計が磁気を帯びているなら、磁気抜きという対処法が有効だ。磁気抜きは通常、10日ほどの時間がかかる。
主な方法としては、市販の磁気抜き器を使用する方法と、時計修理の専門店に持っていく方法の2つがある。自身の状況に応じて、適切な方法を選択しよう。
なお、磁気帯びが重度の場合は、オーバーホールと言われる分解清掃が必要になるため、時計修理に詳しくない方は専門店に持っていくようにしよう。
受信アプリを試す
自宅が高層ビルに挟まれていたり、鉄筋コンクリート造であれば、電波の届きやすい環境にするのも至難の業だ。その場合は、スマホから疑似の電波を発生させて時間を修正する「JJYシミュレーター」というお助けアプリの使用をおすすめする。
使い方はこうだ。
1.OSの種類に従い、自分のスマホにアプリをダウンロードする。
iPhone⇒JJY Simulator
アンドロイド⇒JJYEmulator
2.イヤホンジャックにイヤホンを差し込んでおく。これがアンテナの役割をする。
3.アプリを立ち上げ、ボリュームを最大にし、「音声信号の出力」をオンにし、イヤホンの近くに電波時計を置く。
腕時計が電波をうまくキャッチできれば、2~3分ほどで時刻修正が可能だ。電波がうまく受信できない際はぜひ試してほしい。
洗練されたデザインと機能美を兼ね備えた電波時計7選
正確な時刻を刻む電波時計は、ビジネスシーンに欠かせないアイテムといえる。ここからは、デザイン性・機能性に優れた特選の電波時計を7個紹介しよう。
- オシアナス OCW-S5000D|カシオ
- ウェーブセプター WVQ-M410DE-1A3JF|カシオ
- ブライツ SAGA233|セイコー
- スピリット SBTM217|セイコー
- プロトレック クライマーライン PRW-60YJP-1JR|カシオ
- ウェーブセプター WVQ-M410DE-1A2JF|カシオ
- サテライトウェーブ GPS F990 CC7005-16G|シチズン
各製品を順番に解説していく。あなたにピッタリの製品がきっと見つかるはずだ。
伝統技法と先進技術を融合したオシアナス OCW-S5000D|カシオ

(引用:公式サイト)
時計のベゼル一つひとつが江戸切子職人の手作業で作られている、日本の伝統技法が取り入れられた時計が「カシオ」の「オシアナス OCW-S5000D」だ。
シリーズ最薄のボディと、適度に主張のあるクラシカルなフェイスが質の高さを感じさせる。落ち着きのある外観とは裏腹に、正確な時間を刻むための標準電波受信機能を搭載。
さらにBluetooth接続により、スマートフォンからの時刻修正も可能な先端技術が取り入れられている。世界で限定2,000本しか生産されていない希少モデルだ。
ソーラー充電機能を備えたwave ceptor WVQ-M410DE-1A3JF|カシオ

(引用:公式サイト)
「ウェーブセプター」は世界6局の標準電波、世界29都市の時刻表示に対応したソーラー式電波時計だ。ストップウォッチやタイマーなど便利な機能を搭載。
蛍光灯のわずかな光でも充電できるタフソーラー採用で、フル充電後は充電なしでも約5ヶ月間駆動できる。パワーセービング状態では、約23ヶ月間の駆動が可能。水泳も可能な10気圧防水だ。
ステンレススチールのメタルボディとメタルバンドがベーシックな雰囲気を感じさせるため、ビジネスシーンでもプライベートでも使用できるだろう。
ジャケットの袖元に馴染みやすいブライツ SAGA233|セイコー
セイコーのハイテクウォッチである「セイコー ブライツ」。パフォーマンスが高く、高級感があってジャケットの袖元に馴染みやすいのが特徴だ。
ソーラー発電に電波修正機能標準装備、ワールドタイム機能搭載など、性能としては申し分ない。ケース表面にはダイヤシールドが施されているのもポイントで、金額以上の使い勝手に期待できる。
本製品を購入した人の感想としては、「シンプルで使いやすい」「値段以上の高級感がある」などが挙げられる。
バランスに優れたベーシックなスピリット SBTM217|セイコー
スタイリッシュかつエレガントなデザインの電波腕時計を求める方は、セイコーが販売する本製品を検討してみてほしい。黒の文字盤がおしゃれで、スーツや普段着との相性もバッチリ。
電波修正機能や自動受信機能、強制受信機能などが備わっているほか、日常生活強化防水の10気圧防水に対応しているのもポイントだ。バランスが良い腕時計なので、電波腕時計を初めて購入する方にもおすすめできる。
オレンジカラーが印象的なプロトレック クライマーライン PRW-60YJP-1JR|カシオ
オレンジカラーが印象的な本製品は、日本フリークライミング協会(JFA)公認のペツルコラボレーションモデルだ。方位、高度・気圧、温度を計測可能なトリプルセンサーを搭載。
フリークライミングの普及と振興を進めるJFAと、さまざまなクライミングギアを製造するペツルが、アウトドアフィールドでの新しいユーザビリティを追求するPRO TREKとスペシャルモデルを開発した。
クライミング時に活躍するさまざまな機能が搭載されているため、アウトドアや登山をよく行う方におすすめされる。
デザインと実用性を両立させたウェーブセプター WVQ-M410DE-1A2JF|カシオ
世界6局の電波に対応しているカシオの「ウェーブセプター WVQ-M410DE-1A2JF」。日常生活用強化防水はもちろんのこと、蛍光灯などのわずかな光を動力にできるタフソーラー機能も備わっている。
ケースと一体化した流線型を描くメタルバンドが高級感を演出する。シンプルかつスタイリッシュなデザインなので、ビジネスとプライベートの兼用が可能だ。電波腕時計のなかでは比較的安価なので、初めて電波時計を使用する方にも向いている。
複雑な文字盤が特徴的なサテライトウェーブ GPS F990 CC7005-16G|シチズン
シチズンから販売される本製品の複雑でおしゃれな文字盤に注目してほしい。ほかの電波腕時計とは明らかに異なるデザインが、見る人全員に強いインパクトを与える。
デザイン性だけでなく機能性も充実。パーペチュアルカレンダー、衛星電波受信機能位置情報取得機能、ライトレベルインディケーターなどの機能が搭載されているほか、抜群の硬度を誇るデュラテクトDLC加工も施されている。少し値段は張るが、シチズンの最新技術を確かめたい方はぜひとも購入を検討してみよう。
どこにいても正確に電波を受信するGPS衛星電波時計5選
より正確な時刻を求めている方は、GPS衛星電波時計を検討してみてはいかがだろうか。GPS衛星電波時計は、電波塔から電波を受信する電波時計と違い、GPSなど衛星から発せられる電波を受信する。
世界中どこの国にいても、時刻・カレンダー・現在の位置情報が読み取り可能だ。受け取ったデータから現在地の時刻に自動修正される。
ここでは、GPS衛星電波時計を5つ紹介する。GPS衛星電波時計に興味がある方は、ぜひ以下の詳細を確認してみてほしい。
- ASTRON 5X Series Dual-Time|セイコー
- PROMASTER CC7015-55E|シチズン
- M Collection TR-MB7011|トゥルーム
- C Collection TR-MB5006|トゥルーム
- マンタ OCW-G1200-2AJF|オシアナス
製品を1つずつ詳しく解説していく。
信頼の国産ムーブメントで世界の時を刻むASTRON 5X Series Dual-Time|セイコー

(引用:公式サイト)
2012年に、セイコーが世界で初めて生み出したGPS搭載のソーラーウォッチ「セイコー アストロン」。その性能をさらに高めたものが「ASTRON 5X Series Dual-Time」だ。
アストロンは、簡単なボタン操作でGPS衛星から位置情報を取得する機能を持つ。「SEIKO(セイコー)」の優れた省電力技術により、1日最大2回の自動時刻修正機能も備えている。
さらに高効率なソーラー充電機能により多彩なダイヤルカラーのラインアップを持つこともポイント。超低消費電力のGPSモジュールが可能にする、世界最小クラスのケースサイズはビジネスシーンにもマッチする。
ブランド誕生から30周年PROMASTER CC7015-55E|シチズン

(引用:公式サイト)
ブランド誕生30周年を記念して作られた限定モデルが、こちらの「プロマスターCC7015-55E」。さまざまな機能が盛り込まれたプロフェッショナル仕様のシリーズで、「空のプロ」も唸らせるパイロット・ウォッチだ。
GPS衛星電波受信機能搭載で、時刻とカレンダーを世界各国の現地時間に素早く修正する機能を持つ。また、パイロットに必要な航空計算尺やビジュアルシグナルコード機能も搭載するなど、徹底したこだわりがポイントだ。
男の休日をアクティブにさせるM Collection TR-MB7011|トゥルーム

(引用:公式サイト)
「TR-MB7011」は、最先端技術が搭載されたライトチャージGPS衛星電波時計だ。GPSセンサー以外に、海・山・空で活躍する気圧・高度センサーや方位センサーが内蔵されている。電池は蛍光灯の光からも充電できるライトチャージ式。
軽くて錆びにくいチタンをプロテクトコーティングしたタフなボディや、スポーティーなナイロンバンドを含む2種類の付属ベルトがついているため、公私を問わず使用できるだろう。
水に強い10気圧防水のほか、動作可能温度の範囲が幅広い特徴があり、アクティブな休日の着用に最適なツールといえよう。
高級感あふれるC Collection TR-MB5006|トゥルーム
ライトチャージGPS衛星電波修正対応の本製品は、高級感あふれるデザインが特徴的な電波腕時計だ。ケースコーティングやバンド材質にこだわっており、ガラス部分には両面無反射コーティングが施されている。デザイン性だけでなく機能性もバッチリ。
値段が値段だけに、肉厚なアドバンティックレザーストラップの高級感はすさまじい。GPS受信システム・サテライトリンクに、自動で省電力モードとの切り替えも行える光充電・ライトチャージを搭載。10気圧防水が備わっているのも魅力的だ。
独特な雰囲気を演出するマンタ OCW-G1200-2AJF|オシアナス
海の神に名前の由来を持つ「オシアナス」から販売される本製品は、美しく輝くブルーカラーが印象的なGPS衛星電波時計だ。その独特なカラーはいつ見ても飽きず、心を踊らせてくれる。
機能面ではGPSハイブリッド電波ソーラー搭載により、屋内でも屋外でも正確な時刻を取得可能。ハイブリッドにしたことで、GPS電波が入らない建物でも標準電波を受信できるため、安定的に正確な時刻を表示できるようになっている。ほかの電波腕時計とは一味違った魅力を体感できるはずだ。
まとめ
本記事では、電波時計が電波を受信する仕組み、時刻が狂う原因とその対処法、おすすめの電波腕時計を解説した。
電波時計は常に電波を受け取っているわけではないため、場合によっては時刻が狂ってしまうことがある。時刻が狂う主な原因としては、時計の電池が不足している、電波を受信しづらい環境にいるなどが挙げられる。
もし電波時計の時刻が狂っている場合は、本記事で解説した対処法を試してみてほしい。また、紹介したおすすめの電波腕時計12選も必見だ。製品の購入を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。