軽自動車や軽トラックをベースに作られている軽キャンピングカー。
キャンピングカーといえば大きな車体をイメージする人が多いと思うが、軽キャンピングカーはコンパクトで車体が小さいため、小回りが利いて移動しやすいという利点がある。
しかしながら、普通車のキャンピングカーに比べて車内は狭いため、大人数でのアウトドアには向いていない。そのため、少人数の気ままな旅行に向いている車であるといえるだろう。
本記事では、軽キャンピングカーの特徴、メリットとデメリット、向いている人の特徴を紹介していく。アウトドアが好きな人はもちろん、キャンピングカーに興味がある人はぜひ最後までご覧いただきたい。
軽キャンピングカーとは
出典元:カーセンサー
近年では、キャンピングカーのショーでも見かける機会が増えた軽キャンピングカー。
サイズがコンパクトで運転しやすそうというのは見てすぐにわかるが、具体的にどのような特徴がある車なのかを詳しく把握している人は少ないだろう。
以下の項目では、具体的な軽キャンピングカーの特徴を詳しく紹介していく。
軽自動車の規格がベース
軽キャンピングカーとは、軽自動車をベースにして作られたキャンピングカーである。
国内では頻繁に見かける軽自動車だが、実はその規格は日本独自のもの。以下で紹介する定義をひとつでもオーバーすると、軽自動車としては認められないのである。
- 全長⇒3.40m以下
- 全幅⇒1.48m以下
- 全高⇒2.00m以下
- 定員⇒4名以下
- 排気量⇒660㏄以下
一口にキャンピングカーといっても種類はさまざまだが、一般的に知られているトイレやシャワーが設置されているキャブコンタイプのキャンピングカーの場合、全長は5mを超えて全幅は2mを超えるサイズ感のものが多い。
国内で販売されているほとんどのキャンピングカーは普通免許で運転できるため、その点に関しては軽キャンピングカーとの差異はない。しかしサイズ感は大きく異なるため、運転のしやすさや小回りに関しては違いを実感できるはずだ。
大きく括ると2種類に分類
軽キャンピングカーは大きく2種類に分類される。それぞれで異なる特徴があるので、この項目で詳しく紹介していこう。
- 軽バンコン
- 軽キャブコン
軽バンコンは、バンやワゴンにキャンピング装備を架装したもの。メーカーから販売されている車のボディーをそのまま使えるため、自作でも作れるという利点がある。
しかし、ボディーをそのまま利用するので広さに関しては不十分だ。大人2人も入れば一杯になってしまうため、大人数でのアウトドアでは利用できない。
軽キャブコンは、軽トラックに専用のボディを架装したもの。四角形の専用シェルを別途購入して上に乗せて使うため、広々と快適に使える利点がある。
その一方で、軽トラックにはターボ機能が搭載されていないため、長距離や急な坂道では思うような操作はできない。乗り心地が悪い点も欠点として挙げられるだろう。
自作も可能
もちろん、軽キャンピングカーは専門店での購入やレンタルも可能だが、軽自動車をDIYしてキャンピング仕様へ変更すれば自身で作ることも可能だ。
もちろんメリットとしては費用の安さが挙げられる。自作で作れば必要なのは材料費だけであり、現在乗っている車をキャンピング仕様にすれば車体購入費も削減できる。
木材、ネジ、塗料などの材料はホームセンターで入手できるため、普段からDIYを楽しんでいる人であれば、自分が過ごしやすい仕様へ改造できるだろう。
しかしながら、本格的な設備の導入は素人では難しいと言わざるを得ない。軽キャンピングカーにするには電源の増設などが必要なので、完成までには長い時間を要するだろう。
軽キャンピングカーのメリット
ここからは、軽キャンピングカーのメリットを紹介していこう。購入を検討している人は、メリットの項目から軽キャンピングカーの魅力を把握しておいてほしい。
価格が安い
軽キャンピングカーは普通のキャンピングカーに比べて価格が安い。
- 軽キャンピングカー⇒100~200万円
- 普通車のキャンピングカー⇒500万円~
普通車のキャンピングカーを購入する場合は少なくとも500万円以上の費用が必要だが、軽キャンピングカーであれば100~200万円というリーズナブルな価格で購入できる。
価格が安い理由は、軽キャンピングカーのベースとなる車が軽自動車だからである。安いのは車両価格だけではなく、税金や車検、燃費などの維持費もお得だ。
キャンピングカーに興味はあるけど、いきなり高額な車体は買うのに抵抗があるという人は、まずは手頃な軽キャンピングカーを購入して使ってみるという選択肢も入れてみよう。
コンパクトだから運転が楽
軽キャンピングカーは、普通車のキャンピングカーよりも車体がコンパクトなので運転が楽というメリットがある。
キャンプは目的地に着くまでに向かう山道が未舗装の場合が多い。また、狭い山道を登るケースも多いため、普通車のキャンピングカーは運転に不慣れだと操作が大変だ。しかし、軽キャンピングカーは軽自動車がベースで車体が小さいため、慣れていない道でも快適に運転できる。
車体がコンパクトであるメリットは運転の快適性だけではなく、停車できる場所が多いという利点にも繋がる。地方によっては、普通車のキャンピングカーを停める際は車庫証明が必要になるケースもあるが、それが不要である点も大きなメリットであるといえるだろう。
少人数なら快適な居住空間を使える
使い勝手がいい軽キャンピングカーは、少人数であれば後ろにあるキャンピング仕様を快適に使いこなせるだろう。疲れた時の小休憩に使えるので、長旅では重宝できるはずだ。
他にも、犬を連れてのアウトドアにも向いている。後ろが椅子ではなく居住空間なので、愛犬も移動中にストレスを感じることなく快適に過ごせるだろう。
また、前述したように軽キャンピングカーであれば停車場所に困らないため、すぐに停められて休憩または仮眠が取れるメリットも忘れてはいけない。
軽キャンピングカーのデメリット
続いては、軽キャンピングカーのデメリットを紹介していこう。不便な点も把握したうえで、購入を検討していただきたい。
走行性能が悪くなる
軽キャンピングカーはコンパクトな車体にキャンピング装備を搭載するため、どうしても車体は重たくなってしまう。
そうすると、軽自動車の排気量ではパワー不足は否めないため、高速道路や坂道などを快適に走れる走行性能であるとはいえなくなる。普通車のキャンピングカーに比べればスピードを出すのが難しく、長距離移動ではそれがストレスに感じる場面も決して少なくない。
パワー不足を解消したいのであれば、ターボエンジンが搭載されている車体を選ぶか、サブバッテリーの追加が必要になる。しかし、そうなると費用が嵩むことになるため、どちらを選択するにせよ軽キャンピングカーの走行性能が悪い点は大きなデメリットであるといえるだろう。
大人数では使い勝手が悪い
軽キャンピングカーは、少人数では重宝できるが大人数では使い勝手が悪い。
その理由は、メリットでもある車体のコンパクトさが影響している。良くも悪くも車体がコンパクトで小さいため、居住スペースに十分な余裕があるわけではない。そのため、普通車のキャンピングカーが大人数で利用できるのに対して、軽キャンピングカーの定員は少人数である。
軽キャンピングカーを快適に使えるベストな人数は大人1~2人なので、大人数で使いたいと考えている人は普通車のキャンピングカーを購入した方が利便性は高いといえるだろう。
軽キャンピングカーが向いてる人の特徴
最後に、普通車のキャンピングカーではなく軽キャンピングカーが向いている人の特徴を詳しく紹介していこう。一つでも当てはまる項目がある人は、ぜひ購入を検討していただきたい。
キャンピングカーの初心者
キャンピングカーの初心者には軽キャンピングカーをおすすめしたい。
普通車のキャンピングカーに比べて車体がコンパクトで運転しやすい軽キャンピングカーは、大きな車の運転に慣れていない人でも快適に移動できるメリットがある。そのため、キャンピングカーの初心者は維持費なども安いことから、軽キャンピングカーが向いているといえる。
さらに、初心者がいきなり高額なキャンピングカーを購入するのは勇気がいるもの。いざ購入してもあまり使わないのでは意味がないため、まずは手頃な軽キャンピングカーを購入して、本当に使うかどうかを試してみるという意味でもおすすめしたい。
夫婦2人でアウトドアが好き
軽キャンピングカーを快適に使いこなせるベストな定員は大人2人なので、アウトドアが好きな夫婦は間違いなく重宝できるはずである。
- キャンプが好き
- 釣りが好き
- 旅が好き
- 車中泊で節約したい
軽キャンピングカーは少人数であれば使い勝手は無限大だ。
たとえば、荷物が多いアウトドアでも後ろを上手に活用すれば多くの荷物を同時に運べるし、旅が好きな人であれば車中泊で宿泊費を節約することも可能だ。停車場所にも困らないため、どこでもすぐに車を停められる。
夫婦2人だけではなく、軽キャンピングカーであれば小さい子どもが1人いても快適に使える。または愛犬がいる家庭で、犬と共に外出する際にも便利に活用できるだろう。
まとめ
軽キャンピングカーの特徴、メリットとデメリット、向いている人の特徴をまとめて紹介してきたが、参考になっただろうか。
普通車のキャンピングカーよりも価格が安く、車体がコンパクトなので運転しやすい軽キャンピングカーは、初心者や少人数でアウトドアをするのが好きな人に向いている車だ。
便利に利用できる軽キャンピングカーの使い方は無限大なので、自分の好みに合わせて自由に使い方や内装をカスタマイズしてみよう。
はじめから軽自動車があれば、内装をキャンピング仕様にDIYして乗ることもできる。メリットとデメリットをきちんと把握したうえで、興味がある人は購入を検討していただきたい。