ウイスキーを晩酌のお供にしている人は少なくないだろう。

ハイボールが人気になったことをキッカケに、ウイスキーは一過性のブームではなく市民権を得たと言っても過言ではない。かつては年配の方が飲んでいるお酒というイメージが強かったが、最近では若い女性が飲んでいる姿を見るのも珍しいものではなくなっている。

世界中で愛されているウイスキーは、材料や産地により飲み心地や風味が大きく異なり、多種多様な種類が発売されていることを知っているだろうか。

本記事では、癖が少なくウイスキー初心者でも飲みやすいと評判のグレーンウイスキーについて紹介していく。味の特徴やおすすめ銘柄、飲み方を紹介していくので、興味がある方はぜひチェックしていただきたい。

グレーンウイスキーとは

グレーンウイスキーはウイスキーの材料で分類された種類の中の一つで、1831年にアイルランド出身のイーニアスコフィーによって確立された。

そもそも名前自体を始めた聞いたという方も多いと思うので、まずはグレーンウイスキーの主原料や味の特徴から紹介していこう。

原料

グレーンウイスキーは原料により分類されるウイスキーの種類の一つであり、それぞれ以下のように分類されている。

種類原料
グレーンウイスキートウモロコシ、ライ麦、小麦が原料で、大麦と麦芽を加えて発酵。連続式蒸留機で蒸留
モルトウイスキー大麦麦芽のみが原料で、単式蒸留釜で2回~3回蒸留
ブレンデッドウイスキーグレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたもの
ライウイスキーライ麦が原料(カナダとアメリカでは定義が違う)
コーンウイスキートウモロコシが原料(原材料のうち80%以上に用いられているものを指す)

トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀類に、大麦と麦芽を加えた原料を連続式蒸留機で蒸留したウイスキーがグレーンウイスキーである

ちなみに、最も流通している一般的なウイスキーは、グレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーだ。モルトウイスキーは少量生産に適している伝統的な製法で、大量生産や品質の安定が難しいという特徴がある。

そもそもウイスキーには、以下の定義が存在する。

  • 穀物(麦や豆類)を原料にしている
  • 蒸留してアルコール度数を高めている
  • 木の樽に入れて熟成させている

ウイスキーは蒸留が終わった後に熟成させるが、この寝かせる期間が長ければ味に深みが出て、値段も高額になっていく。もちろん原料や作り方も重要だが、樽の大きさや使っている木材ひとつで味や香りが大きく変わるため、一概に原料の違いだけで分けることができないとも言える。

味の特徴

原料で分類した5つのウイスキーのうち、グレーンウイスキーとモルトウイスキーは特にその名が知られている有名な原酒だ。それぞれに個性があり、味の特徴は大きく異なる。

  • グレーンウイスキー⇒サイレント(静かな)スピリッツ
  • モルトウイスキー⇒ラウド(声高な)スピリッツ

グレーンウイスキーは、味も香りもフラットで無機質な仕上がりが特徴だ。爽やかで飲みやすいと評価されることが多く、風味が軽くて穏やかな性格であることから、サイレントスピリッツと呼ばれている

対してモルトウイスキーは、個性、香り、味が色濃く残ることで知られている。深い味わいだが癖が強いため、ラウド(声高な)スピリッツと呼ばれている。

モルトウイスキーは個性と味の主張が強いので、初心者の方は主張が少なく飲みやすいと評価されることが多いグレーンウイスキーから飲み始め、楽しみ方を学んでもらいたい。

役割

グレーンウイスキーは単体で飲むのではなく、モルトウイスキーを引き立てるための役割がメインである。

前述したように市場に出回っているウイスキーの多くはブレンデッドウイスキーで、これはグレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたものだ。

主張が強いモルトウイスキーをブレンドすると互いの個性がぶつかり合い、良さを際立たせることができない。しかし、主張が強いモルトウイスキーと無機質なグレーンウイスキーがブレンドされることで、それぞれの個性を生かした深い味わいが実現できる

もちろんグレーンウイスキーは単体でも飲むことができるが、現在は主流であるとは言えない。しかしながら最近では大手メーカーでも銘柄が発売されており、初心者でも気軽に飲める爽やかな味わいは高い人気を博している。

グレーンウイスキーのおすすめ銘柄

癖がなくて初心者でも飲みやすいグレーンウイスキーは、世界だけではなく日本のメーカーからも発売されている。ここからは、グレーンウイスキーのおすすめの銘柄を厳選して紹介していこう。

サントリーウイスキー知多

サントリーウイスキー知多

グレーンウイスキー銘柄の中で最もおすすめしたいのは、サントリーウイスキーの知多だ。

日本で最も有名なグレーンウイスキーであると言っても過言ではない知名度を誇り、テレビCMなどでも見たことがある方は多いだろう。サントリーから2015年に発売開始となった銘柄で、現在に至るまで他の追随を許さない人気商品として君臨している。

知多で使われている原料はコーン、ライ麦、小麦。さらに副原料として、糖化する際にモルトを利用している。愛知県知多市、知多半島に設置されているサントリー知多蒸留所には、グレーンウイスキーを作る目的で大規模な連続式蒸留機が建設されている。

知多の最大の特徴は、ほのかな甘い香りと味わいだ。多様な樽熟成を組み合わせることで、無機質でフラットなグレーンウイスキーでありながら、バニラのような甘い香りが漂う最大限の風味を引き出している。

グレーンウイスキーとは思えない味わいは、ハイボールはもちろんストレートで飲んでも十分に楽しめる逸品だ。始めてのグレーンウイスキーで銘柄に悩んでいる方は、知多を選んでおけば間違いはないだろう。

ニッカ カフェグレーン

ニッカ カフェグレーン

世界でも希少なカフェ式連続蒸留機で作られているニッカカフェグレーンは、バニラのような甘い香りとクリーンな舌触りが特徴のグレーンウイスキーだ。

一般的な連続式蒸留機に比べてカフェ式連続蒸留機は原料になる穀物の豊潤な風味が色濃く残るのが特徴で、それはニッカカフェグレーンで体感できる。

おすすめの飲み方はストレート。原料由来の甘さがしっかりと残っているので、グレーンウイスキーとは思えない良い意味での癖を感じられるはずだ

グレーンウイスキーは通常、単体では飲めたものではないというのが一般的な印象ではあったが、ニッカカフェグレーンはその常識を覆した逸品である。

ロッホローモンド

ロッホローモンド

スコットランドの南ハイランド地方で作られているロッホローモンド。

ロッホローモンドを作っている蒸留所の特徴は、単式蒸溜機と連続式蒸溜機の両方が設置されているという点。ようするに、この蒸留所ではモルトウイスキーとグレーンウイスキーの両方が作れるため、ブレンデッドウイスキーをここだけで完結させることができるというわけだ。

独自製法による連続蒸留で作られたロッホローモンドは、大麦麦芽を100%原料にしたグレーンウイスキーで、柑橘系の爽やかな香りが大きな特徴だ。

ハイボールにするとバニラの甘い香りを感じることもできるため、ウイスキー初心者の方でも入りやすいウイスキーであると言えるだろう。

キリン シングルグレーンウイスキー 富士

キリン シングルグレーンウイスキー 富士

日本人に合うウイスキーを日本人の手で作ることをコンセプトに、世界の技術と日本人の感性を掛け合わせて完成したのが、キリンの富士だ。

2020年4月に発売された直後から国際的な賞に輝いた実績を持ち、富士山の伏流水を利用している。世界的に高い評価を獲得している富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒を使用し、香味が異なる3種類の原酒をブレンドしている。

柔らかな口当たりと豊潤な風味を楽しめる逸品で、果実のようなフルーティーさと重厚な味わいがブレンドされている。

もちろんハイボールにも合うが、おすすめはストレート。ウイスキーに飲みやすさよりも味わい深さを重視しているという方は、絶対に見逃せないグレーンウイスキーである。

知多のおいしい飲み方

ここからは、グレーンウイスキー市場で圧倒的な人気を誇るサントリーウイスキー知多のおいしい飲み方を紹介していく。

ハイボール

サントリーウイスキー知多の魅力は、ハイボールで花開く。

テレビCMなどでも「風香るハイボール」のキャッチコピーで宣伝されているくらい、風のような軽やかな飲み心地を体感できるハイボールが最もおいしい飲み方であると言っても過言ではない。

サントリーウイスキー知多の魅力を最大限に引き出すハイボールの作り方は、以下の通りだ。

  1. グラスにたっぷりの氷を入れる
  2. 適量の知多を注いでマドラーでかき混ぜる
  3. ソーダを氷にあてないように注ぐ
  4. マドラーを使って縦に1回だけ混ぜる

おすすめの配合は、知多1に対してソーダ3.5だ。しかしこの量に関しては自分の好みもあるので、何度も試しながら最的確を見つけてみよう。

知多ハイボールは、何と言っても癖のない爽やかな風味が特徴だ。ウイスキー独特の苦みを感じることがないため、初心者の方でもグビグビ飲めてしまう。

アレンジハイボール

知多ハイボールは、そこから一品加えるアレンジもおすすめだ。

普通のウイスキーに比べて初心者でも飲みやすい癖がない味わいのため、旬の食材などを入れるアレンジが良く合う。知多の公式ホームぺージでは特におすすめのアレンジとして、以下の3つが紹介されている。

  • 生姜
  • すだち
  • 山椒

前述した知多ハイボールに生姜スライス、すだちスライス、山椒ホールを加えるだけの簡単レシピで、絶品の知多アレンジハイボールの完成だ。

もちろんこれだけではなく定番のミント、レモン、ライム、ベリー、ラズベリーなども良く合う。癖がなく飲みやすいため、さまざまな食材とブレンドを楽しめるはずだ。

晩酌時に知多ハイボールを楽しんでいるという方も多いだろう。普通のハイボールに飽きてきたら、こういったアレンジハイボールに手を出してみるのも良いかもしれない。

お湯割り

穏やかで柔軟な性格を持つ知多は、お湯割りで楽しむのもおすすめだ。

  1. 事前に容器を温めておく
  2. 耐熱容器(おちょこなど)に適量の知多を注ぐ

知多1に対してお湯2.5の割合で、お湯割りを楽しもう。湯気とともに立ち上る香りを満喫できるだけでなく、体の内側からじんわり温めてくれるので、特に寒い冬に飲む知多お湯割りは格別だ。

さらにお湯割りのアレンジレシピとしておすすめなのが、柚子ビール添え。柚子の香りが漂うお湯割りを、心行くまで楽しんでもらいたい。

トワイスアップ

ウイスキーの香りが最も際立つのは、アルコール度数が20度から30度の状態であるとされている。トワイスアップはウイスキーと常温の水を1対1で混ぜ合わせる飲み方だが、これによりウイスキーの香りが最も際立つ状態にすることができる。

知多のアルコール度数は43度。知多の甘味が全面に出るトワイスアップは、香りを楽しみながらウイスキーを楽しみたいという方におすすめだ。

ハイボールよりも濃厚な味わいになる分、油っぽい料理とも相性は抜群だ。トワイスアップでも知多は飲みやすいため、口の中をさっぱりとさせてくれる風味を活かして、食後のお菓子やデザートと同時に飲んでみるのも良いだろう。

カクテル

ほのかな風味が特徴の知多は、炭酸ジュースなどで割るだけで簡単にオリジナルカクテルを作ることができる

特に初心者の方はまず、好きなジュースで割ってみよう。おすすめはジンジャエールやサイダーなどの炭酸ジュースだが、炭酸がないジュースでも飲みやすくて癖になる味わいを感じることができるはずだ。

サラっと飲みたい時は苦みと酸味があるグレープフルーツジュース、甘さを感じたい時はグレープフルーツジュースなど、その時の気分で味を変えてみよう。

まとめ

グレーンウイスキーの基本概要、特徴、おすすめの銘柄、飲み方をまとめて紹介してきが、参考になっただろうか?

原料により分類されているウイスキーの一つであるグレーンウイスキーは、癖のない風味が特徴なので初心者におすすめだ。従来は単体で飲むものではなくモルトウイスキーにブレンドさせることを主な役割としていたが、最近は大手メーカーからもグレーンウイスキーが発売されており、飲みやすく癖がない風味は多くの方を虜にしている。

上記項目でさまざまな銘柄を紹介してきたが、初心者の方は、まずサントリーウイスキー知多から飲んでみることをおすすめする。ハイボール、お湯割り、トワイスアップなどさまざまな飲み方を試してみて、グレーンウイスキーの魅力を見つけてみよう。