コーヒーは、不思議と気持ちを落ち着かせてくれる飲み物だ。仕事の合間や家事の途中、友人や恋人と出かけたときにコーヒーを飲んでリラックスする瞬間がきっとあるだろう。
都内には、さまざまなカフェが立ち並び、世界各国のコーヒー豆を取り扱うお店が増えている。しかし、いざコーヒーを飲もうとカフェに足を運び、メニューを見ても、よくわからない専門用語が使われており、どれを選んでよいか判断しにくいと感じた経験はないだろうか?
一言にコーヒーといっても、コーヒー豆の種類や焙煎度、コーヒーの作り方によって味に違いがある。なんとなく注文してみたコーヒーが口に合わなかったなんてこともあるだろう。
コーヒーを選ぶときにはいくつかポイントを知っておくと、自分好みのコーヒーが見つかりやすくなる。ポイントをしっかり掴んでおけば、さまざまな種類のコーヒーをきっと飲みたくなるはずだ。
今回、本記事が紹介する「自分好みのコーヒーを探したいときに知っておくと便利なポイント」を参考に、さまざまな種類のコーヒーを飲んでみてほしい。
ブレンドコーヒーとシングルオリジンコーヒーの違い
ここ最近、オープンするカフェには「ブレンドコーヒー」と「シングルオリジンコーヒー」といった2種類のコーヒーが並んでいる。しかし、毎日コーヒーを飲んでいる人でも、2種類の意味を正しく説明できるという人は多くはいないだろう。
ブレンドコーヒーとシングルオリジンコーヒーの意味を知っておくだけでも、コーヒーの世界に少しだけ足を踏み込むことができる。まずは、この「ブレンドコーヒー」と「シングルオリジンコーヒー」の意味と違いについて知ることから始めよう。
コーヒー豆には個性がある
まず、コーヒー豆の個性について触れておきたい。コーヒー豆にはもともと「甘味」「酸味」「香り」などが含まれており、焙煎することで「苦味」が加わる。
この甘味や酸味、香りというのは生産地によって個性が異なることを必ず知っておくようにしよう。なぜなら、このあとに説明するブレンドコーヒーとシングルオリジンコーヒーに大きく関係しているからだ。
コーヒー豆は、アフリカ産や中南米産、東南アジア産など、赤道近くの気温が暑い地域で盛んに生産されている。コーヒー豆が生産されている地域を知っているだけでも、コーヒーの楽しみ方が変わるといっても過言ではない。
使われるコーヒー豆の種類によって、味が大きく異なることを理解しておくと、コーヒーの選び方が少しずつ変化するだろう。
複数のコーヒー豆を使って作る「ブレンドコーヒー」
ブレンドコーヒーとは「数種類のコーヒー豆を使って作るコーヒー」のことだ。生産地違いのコーヒー豆をバランス良く混ぜ合わせることで、奥深い味や独特なアロマを作り出すことができる。
1種類のコーヒー豆では生み出すことができない独特の味わいは、数種類のコーヒー豆をブレンドすることによって理想の味として生み出すことができるのだ。コクと力強さがあるコーヒーを飲みたい人は、ブレンドコーヒーを選ぶと好みの味が発見しやすくなるだろう。
そして、ここで最も伝えたいブレンドコーヒーのポイントは「バリスタが考えて作り出した独自のコーヒー」ということだ。カフェの特徴やバリスタによって、使われるコーヒー豆の種類は必ず異なる。
ブレンドコーヒーと名前が打ち出されていたとしても、お店が変われば使われているコーヒー豆の種類は異なるため味も違ってくる。カフェのオリジナルブレンドを見かけた場合は、そこのバリスタが考えて作り出した独自の味のコーヒーと思ってよい。
ブレンドコーヒーとメニューに書かれていたら、使われているコーヒー豆の種類を聞いてみると、おおまかな味のイメージができるようになるはずだ。
1種類のコーヒー豆で作る「シングルオリジンコーヒー」
シングルオリジンコーヒーとは「単一のコーヒー豆を使って作るコーヒー」のことだ。コーヒー豆に含まれた甘味や酸味、香りといった個性をより明確に楽しみたい人は、シングルオリジンコーヒーを飲んでみるとよいだろう。
シングルオリジンコーヒーは、コーヒー豆が持つ個性を最大限に引き出せるように、わざと濃度の薄いコーヒーを作ることがある。苦味や力強さのあるコーヒーは、コーヒー豆が持つ個性を消してしまうことがあるため、紅茶くらい薄い濃度で作る場合があるのだ。
そのため、コクと力強さのあるブレンドコーヒーを普段飲んでいる人にとっては、シングルオリジンコーヒーは濃度の薄い飲み物に感じるかもしれない。
ほかにも、シングルオリジンコーヒーは生産地や生産者、品種などの情報が必ず表示されていることが特徴で、よりコーヒー豆について知ることできるように管理されている。宝探しのような感覚でシングルオリジンコーヒーを試してみると、コーヒーの楽しみ方が変わるはずだ。
コーヒー豆が持つ個性を知りたい場合は、シングルオリジンコーヒーを飲むようにするとよいだろう。
コーヒー豆の焙煎度と特徴
コーヒーの味を左右する「焙煎」。コーヒーは、コーヒー豆の焙煎度によって味がかなり異なるため、焙煎について知っておくと何かと役立つだろう。
コーヒー豆の焙煎度を細分化すると8段階に分けることができる。その中でも、まずは「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3段階だけ知っておくと、ある程度コーヒーの味のイメージをしやすくなり、好みの種類を発見しやすくなるはずだ。
ここで紹介するコーヒー豆の焙煎度である浅煎り・中煎り・深煎りの風味や特徴の違いを知って、好みのコーヒーを発見できるようにしよう。
浅煎り
浅煎りは、うっすら焦げ目がついた程度の焙煎度だ。小麦色やきつね色のような見た目をしている。カフェによっては「ライトロースト」や「シナモンロースト」と表記していることがある。
浅煎りのコーヒー豆の特徴は、なんといっても酸味がよく味わえることだ。酸味好きであれば、浅煎りのコーヒー豆を選ぶと間違いなく好みの味を発見しやすくだろう。
もちろん、コーヒー豆の種類によって感じられる酸味の印象は大きく異なる。そのため、さまざまな浅煎りのコーヒーを飲んでみて、好みの種類をチェックしてみるとよいだろう。
ただし、浅煎りのコーヒーは苦味やコクの強さをあまり感じられないため、酸味を苦手としている人は飲みにくい可能性があることを知っていてほしい。
中煎り
中煎りは、コーヒー豆にしっかりと焦げ目がついた焙煎度だ。カフェでは「ミディアムロースト」や「ハイロースト」と表記されていることが多い。
ミルクチョコレートのようなダークブラウンな見た目をしており、多くのカフェやバリスタが中煎りのコーヒー豆を好んで使っている。
中煎りのコーヒーの特徴は、甘味・酸味・苦味をバランスよく感じられることだ。飲みやすいコーヒーを選びたい場合は、中煎りのコーヒー豆を選んでみるとよいだろう。
しかし、中煎りのコーヒーは、非常にバランスが取れていて飲みやすいコーヒーではあるが、印象に残りにくい可能性があるかもしれない。人によっては、味のバランスが取れていることが逆にデメリットになり、特徴を掴みきれないまま飲み終える人もいるようだ。
バランスの取れた飲みやすいコーヒーを探している人は、中煎りのコーヒーを注文して味の印象を確認してみるとよいだろう。
深煎り
深煎りは、コーヒー豆が黒く焦げたような焙煎度だ。コーヒーのことをあまり知らない人でも、深煎りという言葉を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。カフェでは「フレンチロースト」や「イタリアンロースト」と表記されていることがある。
深煎りのコーヒーの特徴は、飲んですぐにわかる苦味だろう。苦味とコクを強く感じられるのだが、意外とスッキリしていて飲みやすい喉越しをしている。
世間一般的に出回っているコーヒーの多くは、深煎りのコーヒー豆を使っており、見かけたり飲んだりする機会が非常に多い。
深煎りのコーヒーを初めて飲んだときの印象はかなり強烈で、これをきっかけに苦手とする人は少なくない。しかし、浅煎りや中煎りにはない力強さが深煎りのコーヒーにはあるため、眠気覚ましに好んで飲む人も多くいるだろう。
深煎りのコーヒーの欠点は、コーヒー豆が持つ個性を感じにくいことだ。味わい深さは十分にあるのだが、浅煎りや中煎りのような個性は感じにくいかもしれない。
最近の個人店のカフェなどには、深煎りのコーヒーを置いていることが少ないため、歴史ある喫茶店などに足を運んでみると好みの味を発見しやすいだろう。
コーヒーの作り方と味の特徴
続いて、コーヒーの作り方と味の特徴について、知っておくとより好みの味を探しやすくなるだろう。同じコーヒー豆を使っていたとしても、作り方を変えれば別の味になるのがコーヒーだ。
コーヒーは、作り方を変えるだけで味に変化を持たせることができる。ここでは、コーヒーの作り方で最もポピュラーである「エスプレッソマシンで作るコーヒー」と「ハンドドリップで作るコーヒー」を紹介しよう。
エスプレッソマシンで作るコーヒー
カフェなどに足を運ぶと、バリスタが大きなコーヒー機材を巧みに使ってコーヒーを作っている光景を見かけたことはないだろうか?この大きなコーヒー機材で作るコーヒーを「エスプレッソ」という。
エスプレッソは、一口か二口くらいで飲み終えるほどの少量のコーヒーではあるが、非常に濃度が高い。そのため、コーヒーを飲み慣れている人でも、グイッと飲むことは難しい飲み物かもしれない。
ブレンドされたコーヒー豆を使って作られたエスプレッソを飲んでみると、まるで濃厚なビターチョコレートや焦がしキャラメルのような味わいがあり、奥深さを感じることができる。トロッとした丸みのある口当たりも感じられ、飲み終えたあとでも口の中にほんのりコーヒーの香りが残るため、余韻に浸ることができるだろう。
一方で、シングルオリジンコーヒー豆を使って作られたエスプレッソは、フルーツを食べたときのような甘さと酸味を強く感じられ、キレのよい口当たりが印象的だ。さらに、口の中に芳醇な香りが広がってくれるため、不思議と心地よさも感じられる。
もちろん、コーヒー豆の種類によって味は異なるため、さまざまなカフェに足を運びエスプレッソの飲み比べをしてみるとよいだろう。
カフェラテやカプチーノ、アメリカーノといったコーヒーは、全てエスプレッソをベースとして作られている。とくに、カフェラテやカプチーノのような、ミルクとエスプレッソを混ぜ合わせて作るコーヒーは、ミルクチョコレートのような味を楽しむことができる。
ただし、エスプレッソは非常に濃厚であるが故に、体に負担がかかりやすい。飲みすぎると、頭がボーッとして体がだるくなるので、1日に飲むエスプレッソの量は多くならないように気をつけよう。
ハンドドリップで作るコーヒー
ハンドドリップとは、ドリッパーというコーヒー抽出器具を使って作るコーヒーだ。ハンドドリップは、ほかにも「ドリップコーヒー」や「プアオーバー」とも呼ばれることがある。
ハンドドリップで作るコーヒーを飲んでみると、スッと入る口の中に入ってくる滑らかな口当たりを感じられ、香りがとても豊かな印象があるだろう。また、ハンドドリップのコーヒーは、エスプレッソのように濃度が高い飲み物ではないため、ブラックコーヒーが苦手な人におすすめの作り方だ。
カフェによっては、ハンドドリップ用のたくさんの種類のコーヒー豆を選べるように準備されている。ハンドドリップ用でコーヒー豆を準備しておくほうが、管理がしやすく、注文も受けやすいためだ。一方で、エスプレッソコーヒーは、エスプレッソ専用で焙煎やブレンド豆が準備されていることが多いため、たくさんの種類のコーヒー豆を準備しているカフェは少ないだろう。
より多くのコーヒーの種類を探して飲みたい場合は、ハンドドリップでコーヒーを作っているカフェに足を運んでみるとよいだろう。
おすすめのコーヒー豆5選
コーヒー豆の特徴や選び方がわかったところで、おすすめのコーヒー豆を5つ解説する。
- サザコーヒー|レギュラーコーヒー サザ贅沢ブレンド 豆 200g
- キーコーヒー|PREMIUM STAGE スペシャルブレンド
- コクテール堂|オールド5ブレンド 豆 200g
- ライオンコーヒー|バニラマカダミア 24oz 680g (豆)
- KIRKLAND|シグネチャー スターバックス ロースト
コーヒー豆はそれぞれ特徴が異なるため、1つずつ確認して各商品の魅力を理解しよう。以下詳細をチェックすることで、自分好みのコーヒー豆がきっと見つかるはずだ。
1.サザコーヒー|レギュラーコーヒー サザ贅沢ブレンド 豆 200g
サザコーヒー|レギュラーコーヒー サザ贅沢ブレンド 豆 200g
1つ目に紹介する商品は、「サザコーヒー レギュラーコーヒー サザ贅沢ブレンド 豆 200g」だ。クリーミーな甘さが特徴的であり、苦味や酸味のバランスが良いため、ボディが軽めで飲みやすい。
ボディが軽めで飲みやすいことから、味わい深いコーヒーが苦手な方にもおすすめできる。自宅・アウトドアで抽出して上品な香りを堪能しよう。
2.キーコーヒー|PREMIUM STAGE スペシャルブレンド
キーコーヒー|PREMIUM STAGE スペシャルブレンド
2つ目におすすめするコーヒー豆は、「キーコーヒー PREMIUM STAGE スペシャルブレンド」だ。フルーティな酸味が特徴的で、雑味と苦味が控えめ。冷めても美味しく、カフェオレなどにしても十分楽しめる。
後味の余韻は比較的に短く、あっさりとした味わいであるため、「コーヒーの深い味わいが好き」という方にはあまりおすすめできない。
3.コクテール堂|オールド5ブレンド 豆 200g
コクテール堂が提供する「オールド5ブレンド 豆 200g」は、ブラジルやコロンビアなどのコーヒー豆をブレンドした商品だ。さまざまな豆をブレンドした本商品からは、深くボディ感の強いコクが味わえる。
そして、時間経過とともに苦味が丸くなり、ほのかな甘みが際立つようになる。強いコクは失われるが、その分飲みやすくまろやかな味わいへと変化する。
1杯あたりのコストが安いため、「コストパフォーマンスにこだわりたい」という方におすすめ。なお、ミルクを加えても味わい深いため、カフェオレが好きな方にも向いている。
4.ライオンコーヒー|バニラマカダミア 24oz 680g (豆)
ライオンコーヒー|バニラマカダミア 24oz 680g (豆)
続いておすすめするコーヒー豆は、ライオンコーヒーが販売している「バニラマカダミア 24oz 680g (豆)」だ。アメリカで最古の歴史を持つ老舗コーヒーブランドであり、「コーヒー界の王様」として世界中の人々から愛されている。
その味わいは、バニラビーンズとマカダミアナッツの濃厚な味わい、そして青い草のような酸味が特徴的。少し独特な香りと味わいを楽しめるが、日本人の舌にはあまり合っていないようだ。
「いつも飲んでいるコーヒーに飽きてしまった」という方は、本商品の購入を検討してみてほしい。
5.KIRKLAND|シグネチャー スターバックス ロースト
最後に紹介するおすすめの商品は、KIRKLANDの「シグネチャー スターバックス ロースト」だ。トーストのような焦げた味わい・香りが特徴的で、季節や収穫状況に応じて最適な生豆がブレンドされている。
1杯あたりの価格が安く、コストパフォーマンスに優れている点も魅力的。全体的に味わいとコクが濃厚であるため、「苦くて味の強いコーヒーが好み」という方におすすめ。エスプレッソとして楽しむのも選択肢の1つだ。
コーヒーを手軽に楽しむ4つの方法
コーヒー豆から作るコーヒーがすべてではない。そのときの状況や目的に応じて、コーヒーの楽しみ方はさまざまだ。最後に、コーヒー豆から作るコーヒーではなく、手軽に楽しむ方法を4つ紹介する。
- ドリップタイプ
- ポッドタイプ
- インスタントコーヒー
- リキッドコーヒー
それぞれ1つずつ解説する。
方法1.ドリップタイプ
1つ目は、ドリップタイプを使った方法だ。ドリッパーやサーバーなど、コーヒー用の専用器具がなくても、コップさえあればすぐに美味しいコーヒーを抽出できる。
一杯分ずつ包装されていることが多く、使い勝手が非常に良い。ただし、割高になることが多い点には注意が必要だ。
方法2.ポッドタイプ
ポッドタイプでコーヒーを抽出する方法もある。ポッドタイプは、一杯分のコーヒーをフィルターペーパーなどに詰めたもので、対応のコーヒーマシンを使って抽出する。
半自動で一杯ずつ丁寧に抽出できるという利点はあるものの、対応したマシンがなければできないことから、自宅ではなく店舗で利用されることが多い。
方法3.インスタントコーヒー
インスタントコーヒーで楽しむという方法も。インスタント用のコーヒー粉をお湯に溶かせば、すぐに本格的なコーヒーが出来上がる。
手軽にコーヒーを楽しめることから、日本だけでなく世界中で普及している方法だ。なお、インスタントコーヒーは、豆から抽出したコーヒーを濃縮・乾燥させ、その後粉状にしたものをそう呼んでいる。
方法4.リキッドコーヒー
4つ目の方法は、リキッドコーヒーだ。リキッドコーヒーとは、一言で言うと液体アイスコーヒーの総称だ。コンビニや自動販売機で売っている缶コーヒーを想像するとわかりやすいだろう。
リキッドコーヒーは、缶コーヒーのほかにもリキャップ缶を使ったもの、ペットボトルのもの、紙パックのものなど、その種類は多岐にわたる。中身もブラックやカフェオレ、微糖など、さまざまなリキッドコーヒーが販売されている。
まとめ
本記事では、自分好みのコーヒーを探したいときに知っておくと便利な知識を紹介した。
自分好みのコーヒーを発見したいときは、ブレンドコーヒーとシングルオリジンコーヒーの違いや焙煎度の特徴、コーヒーの作り方をある程度知っておくと見つけやすくなる。
休憩のときに飲むコーヒーが自分好みの味であれば、今まで以上にリフレッシュできるはずだ。専門的な知識が多少必要にはなるが、宝探しのような感覚で好みのコーヒーを見つけてみるとよいだろう。