キャンプやバーベキューなどのアウトドア好きにはお馴染みの「パラコード」。

パラコードはアウトドアだけではなく、実はハンドメイドなどにも活用できる万能アイテムであることを知っていただろうか?

今回は、1本持っているだけで便利なパラコードの実用性やシーンに応じた選び方を紹介していく。

一般的にはただの丈夫なロープと思われがちだが、さまざまなシーンで大活躍するパラコードの魅力に迫っていく。

パラコード誕生の由来

パラコードは「パラシュートコード」が正式名称であり、パラシュートを吊るすために開発されたロープのことだ。

パラシュートの本体であるキャノピーと人間を支える部分を繋ぐロープとして使用されていたため、丈夫で信頼性が高い。

誕生の歴史は古く、第二次世界大戦の頃に米軍のパラシュートの吊り紐に使われていたことで知られている。

また、当時から地上でもさまざまな用途で使用されており、軍隊だけではなく民間にも徐々にパラコードが普及していったのだ。

日本でもパラシュートはもちろんのこと、アウトドア用品やファッションアイテムとしても活用されており、とても利便性の高いアイテムとして知られている。

軍用のパラコードはミルスペックにあたる

かつては軍隊で使用されていたパラコードだが、軍用はミルスペック(MIL規格)で作られている。

ミルスペックとは、アメリカ国防総省の標準仕様書で定められた厳しい基準であり、アメリカ軍が調達する物資に対して、極地でも安全に使用できる耐久性があるかどうかを示すものだ。

現在販売されているパラコードもミルスペックを満たした商品があり、耐久性の高いパラコードを選ぶ場合の基準となっている。

ただし、多くのミルスペックを満たしているパラコード製品は多数存在するため、最高級品ではなく、あくまで高耐久性が保障されているという見方になるだろう。

パラコードの構造や特徴

パラコードが丈夫な理由は、特殊な構造にあり、同じくアウトドアなどで活用されている細引きロープとは全く異なるのだ。

具体的にどのような構造になっていて、どのような特徴があるのかを詳しく説明していこう。

パラコードは数本のコアで構成されている

パラコードは、1本〜11本のコア(カーン)を外装(マントル)で覆った「カーンマントル構造」となっている。

コアは3本の糸を巻きつけた形で1本となり、本数が多ければ多いほど強度が高くなる傾向にあると覚えておこう。

細引き紐は外装自体ないが、パラコードは外装とコアが独立した構造となっているのだ。

6種類あるミルスペックのパラコードの特徴

パラコードは、「I」「IA」「II」「IIA」「III」「IV」という合計6種類のタイプに分かれており、コアの本数や強度が異なる。

タイプ直径最大重量コア最小強度
約1.9mm1.57g/m1本43kg(95ポンド)
IA約1.9mm1.42g/m0本45kg(100ポンド)
約3mm5.62g/m4本〜7本181kg(400ポンド)
IIA約3mm3.00g/m0本102kg(225ポンド)
約4mm6.61g/m7本〜9本249kg(550ポンド)
約4.5mm9.02g/m11本340kg(750ポンド)

※パラコードの素材がナイロン100%、最小伸び30%の場合

ミルスペックのパラコードは、Ⅲの550ポンドが主流となっており、4mあれば250kgくらいの重要に耐えられる強度だ。

より強度が高いタイプはⅣの750のものになるが、その分コードは太くなり、重要も増すことを想定しておこう。

パラコードとその他のコードを比較

アウトドアなどで活用できる耐久性の高いコードはパラコードに限らず、他にも複数の種類が存在する。

コードの種類特徴
パラコード(550ポンド)直径4mm、最小強度249kgのコード。7本〜9本のコアで構成されており、とても耐久力が高い。
タクティカルコード直径2.4mm、最小強度125kgのコード。4本のポリエステル製のコアとマントルで構成されている。
ファイアーコード550ポンドのパラコードと同じ規格で作られている。コアに着火剤のコードが含まれており、ライターなどで着火可能。
マイクロコード直径1.6mm、最小強度46kgの細めのコード。耐久性・耐水性が高いナイロンとポリエステルで構成されている。
ナノコード直径0.75mm、最小強度17kgの極細のコード。マイクロコードと同じくナイロンとポリエステルで構成されている。

上記のように、パラコードはカーンマントル構造のため、耐久面・強度で特に優れているのだ。

現在におけるパラコードはさまざまなシーンで活用されているが、具体的にどのような使われ方をしているのかを次項で詳しく紹介していく。

パラコードの活用シーンを紹介

パラコードは、主にアウトドアで広く活用されているが、短く切って調整したりコアを解いて1本の糸で使ったりすることで、実用性が一気に高まるのだ。

パラコードが単なる頑丈なロープでないと理解してもらえる、気になる活用シーンを紹介していく。

テントやテープの補助ロープとして活用

テントの設営に欠かせないロープだが、パラコードをテントやタープの補助ロープとして活用することができる。

強風などの悪天候に見舞われた場合などを想定して、パラコードをストックしておけば安心。

また、強度の高さを活かしてハンモックの吊り紐としても使えるのでキャンプでの汎用性は非常に高いだろう。

ペグの目印として活用

キャンプ中にペグを紛失してテントの設営に困ったことはないだろうか?

パラコードはカラフルで目立つデザインが多いため、短くカットしてペグに結びつけることで、紛失しても発見しやすく目印を付けることができるのだ。

ペグ以外にも紛失しやすいアイテムや中身が見えないバッグに目印として結びつければ、必要な物を探す際に役立つだろう。

物干しロープとして活用

30m〜50mくらいで販売されていることが多いパラコードは、木と木に繋いで物干しロープとして活用できる。

衣服や寝袋を干せるのはもちろんのこと、洗い終わった食器やテントのフライシートも干せるため、乾燥させて持ち帰りたい場合にはとても便利だ。

斧の劣化を防ぐ

薪割りに使う斧は、刃の近くに薪があたって劣化してしまうことがある。

大切な斧をしっかり保護したい人は、薪が当たる部分にパラコードを巻きつけるテクニックを実践してみてほしい。

斧が長持ちするのはもちろんのこと、見た目もおしゃれになって愛着が湧くだろう。

着火剤として活用

市販のパラコードの一部にはコアに着火剤が含まれており、困ったときの火おこしに活用できる。

着火剤が含まれていないパラコードでも、コアを解けば十分に火おこしに使えるため、キャンプやバーベキューをする際に持っておいて損はないだろう。

シェラカップに巻きつけて火傷防止として活用

シェラカップの取っ手にパラコードを巻き付ければ、火にかけて高温になった状態でも安全に持つことができる。

キャンプ場で熱々のコーヒーやスープを堪能したい人に嬉しい便利アイテムとなるのだ。

アクセサリーや小物の材料として活用

パラコードを編み込めば、ブレスレットやキーホルダーなどのアクセサリーや小物を製作できる。

パラコードのカラーバリエーションはとても豊富なため、世界でたったひとつのオリジナルアイテムを作れるのは魅力的だ。

靴紐にしておしゃれアイテムとして活用

パラコードはコードの細さに気をつければ靴紐としても活用可能。

とても丈夫な靴紐となるため、アウトドア用の靴紐と交換すれば効果的に使用できるだろう。

実際に使用する際は、靴紐と同じ長さにカットした後、断面をライターなどの火で炙ってコアのばらつきをまとめるとホールを通しやすくなる。

コアを解いて裁縫用の糸として活用

パラコードをカットして中のコアを解けば、さらに1本の細い糸にすることが可能。

針の穴も通せるくらい細くなるため、破れた衣服や取れたボタンの補強としても使えるのだ。

解いた人は裁縫用として使えるだけでなく、デンタルフロス代わりとしても本物と遜色なく使用することができる。

活用シーンを想定したパラコードの素材選び

先述の通り、パラコードはアウトドアシーンだけに留まらず、ファッションアイテムにも用いられるほど汎用性が高い。

1本持っているだけで便利とはいうが、素材によって大きく特徴が異なるため、購入の際には注意したい。

主に使われている素材は以下の3種類だ。

  • ナイロン製
  • ポリエステル製
  • ポリプロピレン製

上記の素材のそれぞれの特徴や、どのような活用シーンに適しているのかを詳しく解説していこう。

キャンプや本格的な登山などで選ばれるナイロン製

ナイロン製のパラコードは、3種類の素材の中で最も高い耐久性と強度を兼ね備えた信頼性の高いコードだ。

パラコードで主流となっている素材がナイロン製であり、キャンプや本格的な登山、極地で使用したい場合に選ばれている。

吸湿性が低いため、濡れても早く乾きやすいという特徴もあり、キャンパーを悩ませるカビや虫対策もばっちりだ。

また、使用回数が増えても伸びたり縮んだりしにくいことから、ある程度の品質を保ったまま長く使用することができるだろう。

アクセサリー製作などで選ばれるポリエステル製

ポリエステル製のパラコードは、耐久性に加えて耐水性も高く、ナイロン製と同じく吸湿性が低いという特徴がある。

ナイロン製と比較すると強度は落ちてしまうが、紫外線に強く劣化しにくいため、アクセサリーや小物製作に適しているだろう。

販売されている種類が多く、その他の素材と比べて安価な傾向にあるが、キャンプや登山にはあまり向いていないので注意しよう。

水場での活用で選ばれているポリプロピレン製

ポリプロピレン製のパラコードは、3種類の素材の中で最も耐久性や強度が低いが、ポリエステル製よりも安価なためコスパに優れている。

水に浮きやすいという特徴があり、キャンプ場の水場やバーベキューのときに川辺などで使用する際に役立つだろう。

ただし、紫外線に弱く劣化しやすいため、長時間日光を浴びるテントやタープのロープには向いていないので注意が必要だ。

ポリエステル製と同じく、アクセサリーや小物作りにも適しており、手頃な価格で入手したい場合におすすめされている。

パラコード選びで失敗しない秘訣とは?

活用シーンを想定してパラコードの素材を決めたあとは、以下のポイントにも注目してほしい。

  • 耐久性の高さ
  • 購入する長さ
  • カラーバリエーション

一般的なパラコードは7本のコアで550ポンド(約250kg)の重さまで耐えられる仕様となっているが、より耐久性を求めるなら9本〜11本のコアで構成されたパラコードを選ぶ必要がある。

逆に、耐久性が落ちても細めのパラコードが欲しい場合には、コアが少ない細いモデルが選択肢となるだろう。

パラコードを購入する際に、「何メートルあれば足りるのか?」という問題があるが、テント用のロープであれば20m〜30mを目安としたい。

アクセサリーや小物を製作する場合には3mもあれば十分なため、できる限り短い長さで購入するとコストをおさえられる。

また、おしゃれなアクセサリーなどを製作したい場合には、商品のカラーバリエーションにも注目したいところ。

同じ550ポンドのパラコードでも商品によってカラーバリエーションや伸縮性が異なるため、一つのメーカだけではなく、複数のメーカーの商品をチェックすればカラフルでおしゃれなオリジナルアクセサリーを作れるだろう。

人それぞれこだわりのポイントはあるが、購入したあとに「耐久力が足りなかった」「色が気に入らなかった」という結果にならないように慎重に選んでいこう。

まとめ

かつて米軍のパラシュートに用いられていたパラコードは、現在はさまざまなシーンで活用される万能アイテムとなっている。

耐久性の高いナイロン素材のパラコードはキャンプなどのアウトドアに向いており、テント用のロープやペグの目印、着火剤として活用できる。

ポリエステル製やポリプロピレン製のパラコードは、ブレスレットやキーホルダーなどのハンドメイドに向いており、好きな色を組み合わせれば、世界でたった一つのオリジナルアクセサリーが誕生する。

手軽に入手できるパラコードは災害時にも役立つため、欲しいと思った人は、ぜひこの記事の情報を参考にしてほしい。