キャンプなどのアウトドアで重要となる「メスティン」を知っているだろうか? メスティンを用いることで、アウトドアにおける調理方法の幅を広げることが可能だ。アウトドアで食事を楽しみたい方はぜひとも知っておこう。
そこで今回は、メスティンの基礎概要、メスティンの使い方、おすすめの製品について解説していく。本記事を最後まで閲読することにより、アウトドアの食事を最大限楽しむことができるだろう。
メスティンとは?
多くのキャンパーの間で愛用されている「メスティン」。このメスティンとは、箱型のアルミ製飯ごうのことである。メスティンはアルミ製であることから重量が軽く、同時に高い伝導率を誇っている。元々はご飯を炊くために販売された調理器具ではあるものの、今では「煮る」「焼く」「茹でる」など、さまざまな調理方法を可能にしている。
そのことから、メスティンを用いればパスタやラーメン、煮込み料理といった、あらゆる料理を作ることができる。ソロキャンプやツーリングなどのアウトドアで料理を最大限楽しむためには、このメスティンという調理器具は欠かせない製品なのだ。
メーカーや種類
メスティンと一言で言っても、さまざまなメーカーから販売されている。例えば、メスティンの代表的メーカーである「トランギア社」では、容量750mlの通常サイズと容量1350mlのラージサイズを販売している。一方、「ミリキャンプ社」が販売しているメスティンの通常サイズは容量800mlである。
このように、メーカーごとにデザインや機能性、容器の大きさなどが異なるため、アウトドアを楽しむ人数や用途に合わせてメスティンを検討しよう。
メスティンがアウトドアで人気な理由
ここまで、メスティンの基礎概要について解説したが大まかに理解できただろうか?続いて、メスティンがアウトドアで人気な理由を見ていこう。メスティンの必要性が理解できるはずだ。
メスティンがアウトドアで人気な理由は大きく分けて以下の3つが考えられる。
- 調理方法が豊富
- コンパクトに収納できる
- オプションでカスタムしやすい
数日間連続で行うアウトドアは食事に飽きが生じやすい。しかし、メスティンの調理方法は豊富であるため、あらゆる料理を楽しむことができる。メスティンを使いこなせば自分好みの料理を手軽に作れるのだ。
また、多量な荷物を要するアウトドアにおいて、コンパクトに収納できるメスティンは重宝される。ハンドル部分を折り畳むことができるほか、バーナーヘッドやアルコールランプなどをメスティンの中に収納できるのだ。
さらに、オプションでカスタムしやすい点もメスティンが好まれる理由に含まれる。メッシュトレイやハンドルカバー、収納袋などを取り揃えることにより、自分好みのメスティンにカスタム可能だ。好みのオプションを探す手間も楽しみに変わり、同時にカスタムしたメスティンを使用すればするほど愛着が湧くだろう。
メスティンを使用する前の下準備
メスティンはアウトドアにおいて高い人気を誇っている。ただし、利点が多いメスティンにはいくつかの下準備が必要だ。下準備を怠るとトラブルにつながる恐れがあるため注意しよう。
シーズニング
まず1つ目の下準備は、メスティンのシーズニングだ。シーズニングとは、メスティンで調理をしやすくするための手入れのことを指す。メスティンはアルミ製であるためシーズニングは必須ではないが、シーズニングを行うことで以下の効果が期待できる。
- 焦げが剥がれやすくなる
- アルミ独特の臭いが緩和される
- 酸化による黒ずみが軽減する
このような理由からシーズニングを行うのが一般的だ。シーズニングの方法は、大きめの鍋に米の研ぎ汁とメスティンを入れ、10分から15分ほど沸騰させる。
その後、メスティンが冷めたら水とスポンジで軽く洗い流して完了だ。なお、取っ手に付いているゴムは劣化する恐れがあるため、事前に取り外しておこう。
ヤスリによるバリ取り
メスティン2つ目の下準備は、ヤスリによるバリ取りだ。購入後のメスティン本体とフタにはギザギザした突起が付いている可能性がある。
バリ取りとは、その突起をヤスリで削って滑らかにする作業のことだ。バリを取ることでトゲやザラザラによる怪我を防止できる。なお、バリ取りの工程は下記の通りだ。
- 本体とフタの縁を#400のヤスリで削る
- 本体とフタの縁を#1000のヤスリで削る
- スポンジを使って水で洗い流す
バリ取り中は怪我をしないように軍手をつけて作業しよう。なお、販売されているメスティンの中にはバリ取り済みの場合もある。そのため、メスティンを購入する際は事前に確認しておこう。
メスティンで行える調理方法
これら2つの下準備を行えば、安心してメスティンを利用することができるだろう。続いて、メスティンで行える調理方法を解説しよう。アウトドアにおける食事を最大限楽しむためにも、調理のやり方を理解しておこう。
調理方法:炊飯
まず1つ目の調理方法として「炊飯」を紹介していく。メスティンの主な使い方である炊飯は非常に簡単であるため、キャンプ初心者の方でも実施できるはずだ。
やり方はお米1合あたり水180〜200mlを用意し、15〜20分ほど加熱するだけで完成。なお、水量のメモリはメスティンに記載されている場合が多い。
また、メスティンは白米だけでなく、炊き込みご飯を作ることもできる。例えば、新鮮な牡蠣を使った牡蠣飯や鯖缶を使った炊き込みご飯などがあげられる。さらに炊飯を応用すれば、パプリカやシーフードミックスを用いたパエリアを作ることも可能だ。このように、メスティンを用いれば単なる「炊飯」でもあらゆる応用ができる。
調理方法:茹でる
続いて、メスティンで「茹でる」方法を解説する。メスティンは深さがある程度あるため、お湯を沸かして食材を茹でることが可能だ。また、食材をそのまま茹でるだけでなく。スープパスタやラーメンなどの麺類も作れる。
スープパスタの作り方は、メスティンでお湯を沸かして2つ折りにしたパスタを中に入れる。その後、用意した食材やコンソメなどの調味料を一緒に茹でて、程よく煮詰めれば完成だ。この方法であれば茹で汁を捨てないため、簡単にスープパスタを作ることができる。
なお、茹でたパスタを別に避けておき、にんにくや具材を炒めたあとに合わせれば通常のパスタも作れる。少々手間にはなるが、アレンジ次第であらゆるレシピを作成できるのだ。
調理方法:焼く
メスティンを用いた3つ目の調理方法として、「焼く」方法があげられる。アウトドアにピッタリの焼き肉や野菜炒めを手軽に作ることができる。なお、メスティンのフタを使用すれば食材を炒めやすい。フタは本体と同じアルミ素材で作られているため、焼きムラができにくいのだ。
ただし、何もひかずに調理すると食材がくっついてしまうため、油やバターをひいてから調理しよう。ちなみにフタで食材を調理する際は、別売りのアルミハンドルがあれば調理しやすくなる。調理を失敗させたくない方は事前に購入しておこう。
調理方法:煮る
メスティンにおける4つ目の調理方法「煮る」を紹介していく。先程の「茹でる」と似ている調理方法であり、アヒージョやポトフなどを作ることができる。
ほかにも、味の染み込んだチャーシューや肉じゃがを作ることも可能だ。
調理方法:蒸す
最後に「蒸す」調理方法を紹介していく。オプションの「メッシュトレイ」を用いれば食材を蒸すことが可能であり、シュウマイや肉まん、さつまいもなどを調理できる。
調理方法は非常に簡単で、メスティンに水を貯めてメッシュトレイの上にキッチンペーパーを敷き、食材をその上に乗せて加熱するだけだ。
以上のように、メスティンがあればアウトドアで複数の調理方法を実施できる。食事の選択肢が広がり、アウトドアを充実させることができるはずだ。
メスティンを有効活用するためのオプション
次に、メスティンを有効活用するためのオプションを5つ紹介しよう。
- メッシュトレイ
- 収納袋・保温カバー
- バーナーパッド
- ハンドルカバー
- ウインドスクリーン
上記のオプションを1つずつ見ていこう。
メッシュトレイ
メスティンのオプション1つ目は、蒸し料理に活用するためのメッシュトレイだ。メッシュトレイは薄いアルミ素材が使用されているため、携行性が高く荷物になりにくいのが特徴。
また、蒸し料理のほかにも燻製用として使用することが可能である。ただし、水気のない状態で使用すると熱損する恐れがあるため注意が必要だ。
収納袋・保温カバー
メスティンには収納袋・保温カバーといったオプションもある。収納袋・保温カバーは軽量ながら強度が高く、撥水や防水に対応しているタイプもあるため、メスティン本体に対する傷や衝撃を守ることができる。
また、メスティン本体はシンプルなデザインだが、収納袋・保温カバーで個性を出すことも可能だ。
バーナーパッド
続いて、メスティンのオプション3つ目としてバーナーパッドを紹介する。バーナーパッドは炎を熱に変換する役割があるため、メスティン全体に熱を伝えることができる。そのことから、炎が細いバーナーや火力調節ができないバーナーでも、さまざまな調理を実施できるのだ。
さらにバーナーパッドを用いれば炎が拡散するため、焦げ付きの防止にもつながる。
ハンドルカバー
メスティンにはハンドルカバーというオプションもある。ハンドルカバーを装着すればメスティンをオシャレに彩ると同時に、ハンドルに伝わる熱を軽減できる。メスティンを使って調理する際の熱から守ってくれるのだ。
デザインはシンプルなものから落ち着いたものまでさまざま。自分好みのデザインを見つけて装着しよう。
ウインドスクリーン
最後に紹介するメスティンのオプションはウインドスクリーンだ。ウインドスクリーンとは、風や砂埃を防いでくれる薄い板を連結させたアイテムのことを指す。風が強い登山などで調理する際に、バーナーの火力を安定させることが可能だ。
ウインドスクリーンを使えば火が揺れづらいため、火を用いた調理を短縮できるというメリットがある。
メスティンのおすすめ製品3選
ここまで、メスティンのオプション5つを解説した。メスティン単体でも十分便利ではあるものの、オプションを取り揃えればさらに素晴らしいアイテムになる。ぜひ自分好みのオプションを取り揃えよう。
それでは、最後におすすめのメスティン本体を3つ紹介していく。用途に最適なメスティンを見つけてアウトドアを盛り上げよう。
Trangia(トランギア)のメスティン
おすすめのメスティン1つ目は、Trangia(トランギア)のメスティンだ。メスティンの元祖と言われており、キャンパーの間で有名なメスティンである。非常にシンプルなデザインが特徴的だ。
メスティンのサイズは容量750mlのスタンダードサイズ「TR-210」と、容量1350mlのラージサイズ「TR-209」の2つが販売されている。値段はそれぞれ「TR-210」が2,500円前後、「TR-209」が3,500円前後だ。メスティンの中では定番中のド定番であるため、メスティン選びで失敗したくない方におすすめ。
ロゴス(LOGOS)のメスキット
続いて、2つ目におすすめなメスティンはロゴス(LOGOS)のメスキットだ。黒っぽいデザインが特徴的であり、取っ手を取り外して収納することができる。また、素材はアルミとステンレスでハードアルマイト加工がされているため、アルミ製のメスティンよりも強度が高い傾向にある。
ロゴスのメスキットの値段は3,000円前後であり、素材にステンレスが使用されていることから若干重め。アウトドア初心者の方にも優しいメスティンである。
エスビット(Esbit)のクックセット
最後に紹介するメスティンは、エスビット(Esbit)のクックセットだ。本製品は1100mlのメスティンと固形燃料ストーブの五徳がセットになっている。そのため、火を起こせる環境であればすぐに食材を調理できる。
メスティン本体はアルマイト加工が施されており強度は十分。また、メスティンの内側に便利なメモリが付いているため、失敗なく炊飯できるだろう。
なお、エスビットのクックセットは少し特殊なメスティンであり、その機能性やデザインから他のキャンパーと差を広げられるはずだ。さらに大容量のメスティンであるため、複数人のグループでアウトドアを楽しむことができる。
まとめ
本記事では、アウトドアで食事を楽しむためのメスティンについて解説した。メスティンはご飯を炊くために販売された調理器具ではあるものの、今ではあらゆる調理方法を実施可能である。また、耐久性と携行性に優れているため、キャンパーの間で人気の製品となっている。
ぜひ本記事で紹介したメスティン本体やオプションを参考にし、自分好みのメスティンを見つけてみてほしい。アウトドアの食事を最大限楽しむことができるはずだ。
なお、「男の隠れ家デジタル」では焦げが付きにくい「スリップメスティン」を紹介している。本記事で解説しきれなかった内容が記載してあるため、ぜひとも確認してみてほしい。