冬はキャンプには向かないと思われがちだが、実はそうとは言い切れない。例えば、寒い方が暖かい焚き火の良さがわかるもの。今回は、日本単独野営協会の代表理事・小山仁さんに、寒い季節ならではのソロキャンプの醍醐味や楽しみ方、注意したいことを聞いた。

■冬こそキャンプシーズン!自然の美しい景色に癒されよう

焚き火の暖かさが身に沁みるのも冬キャンプ

「キャンプは夏にやるものという感覚がある方もいらっしゃると思いますが、バーベキューとは異なり、実際は冬がキャンプには適したシーズンとなります」と話すのは、日本単独野営協会の代表理事・小山仁さん。冬は、気温の低さに尻込みしてしまいそうだが、寒さに見合った装備で挑めば、それ以上の醍醐味があるのだ。まず、冬のキャンプには、ほかの季節では出会えない自然の風物の姿があるという。

「冬のキャンプの朝はとても気持ちが良いです。キーンと冷えて澄んだ空気の中で目覚めて、暖かいシュラフの中でしばらくゴロゴロしているのも良いですね。朝の霜で、あたり一面が真っ白な景色もとてもきれいに映ります」(小山さん、以下同)

冬ならではの張りつめた空気や自然現象がつくりだす美しい風景は、アウトドアで一夜を過ごしたごほうび。家で迎える日常の朝とは違う感動に出会える。そして、陽が落ちてからも楽しみはある。

「冬は空気が透き通っているので、星がとてもきれいに見えます。そんな中、焚き火をしながらお酒を飲んで過ごす時間は、とても癒されます」

キャンプ場があるようなエリアは、繁華街や住宅街と離れているので、冬にはなおさらしんとした夜の静けさと暗さがある。パチパチと燃える焚き火の音を聞きながら、南の空を見上げると、冬の大三角をはじめとした星空が広がっている。まさに自然と一体になれる感覚が味わえるだろう。

■冬に取り入れたいキャンプグッズは、薪ストーブ

薪ストーブは調理もできる

冬のソロキャンプは日中、どんなことして過ごすのがおすすめなのだろうか。楽しみを連れてくるグッズとして紹介してもらったのが、「薪ストーブ」。

「薪ストーブは、暖を取るだけではなく、調理もでき、焚き火と違って、煙は煙突から抜けるので、服が煙臭くなりづらい特徴があります。薪が爆ぜても周りに飛び散らないので、クリーンに安全に楽しむことができます」

キャンプ用の薪ストーブは、沢山のメーカーからキャンプ用の薪ストーブが発売されているそうで、3万〜6万円くらいが主流。ソロキャンプ用であれば、カットされた薪が入るサイズであれば、さほど大きいものを選ばなくてもいい。調理ができるタイプであれば、キャンプ飯の楽しみも広がる。

「最近ハマっているのは、薪ストーブにおでん鍋を乗せて、湯豆腐を食べながら熱燗をつくり、フグのひれ酒を飲むことです。ガスバーナーでは、長時間鍋を火にかけておくことは出来ませんが、薪ストーブならば鍋を上に乗せて、薪が続く限り沸かしておくことができるので、冬はこうした薪ストーブを使った鍋料理などがおすすめです」

■冬キャンプのリスクと寒さ対策の注意点

熱源よりも服装で寒さ対策を

台風や夕立ちがなく気候が安定した冬キャンプは、夏キャンプと比べるとリスクは少ないといえる。ただし、標高の高い場所や気温がマイナスになるような場所は難易度が高いので避けたいところ。さらに、寒さに備える装備や服装には気を付けたい。

「冬にリスクを減らす方法は、なるべく熱源を使って暖をとらずに、服装で調整するようにすることです。私はバイクに乗るのですが、おおよそ冬に2時間バイクに乗っていても寒くならないくらいの服装をしていれば、相当標高の高いキャンプ場でない限り、熱源なしでも快適に過ごすことができます」

冬に注意したい寒さ対策は、服装で調整するのが基本なのだ。熱源を当てにしすぎないのは、事故を防ぐためでもある。

「寝る時は、寒いからと言って焚き火やストーブの火を着けたまま寝たりしないようにしましょう。一酸化炭素中毒や火事、火傷を起こすリスクがあります。そうではなく、シュラフを重ねたり、シュラフカバーを使ったりして、周りを暖かくする考え方ではなく、体温を保つことを主軸に考えると良いでしょう」

服装や装備はいくつか準備が必要だが、グッズ選びもまた楽しい時間である。冬のソロキャンプの醍醐味を思い浮かべながら、買い揃えてみよう。

【取材協力:日本単独野営協会】
「ソロキャンプの健全な普及」を目指し設立。入会金や会費を取らず、個の集合体としてソロキャンプの普及活動、各種キャンプイベント、清掃活動を中心とした野営地の保全活動などを行っている。

https://tandokuyaei.com/

取材・文:岡本のぞみ(verb)