ソロキャンプで食べたい料理はあるだろうか。お気に入りの酒と焚き火を相手に自分と向き合う濃厚な時間を、気の利いた料理でさらに深く味わおう。

贅沢なひとりの時間をより豊かなものにするメニューと、料理が苦手な人やソロキャンプ初心者でも簡単に作れる酒のつまみを紹介する。カッコイイ定番キャンプギアも押さえておきたい。

焚き火を起こし、酒や料理を楽しむ。ひとりでも料理にはこだわりたい

ソロキャンプをするといっても、何かをしなくてはいけないという決めごとや特別なスタイルがあるわけではない。むしろ何をせずとも何者にも干渉されず、自由な意思を邪魔されないひとりだけの時間を満喫することがソロキャンプの醍醐味といえるだろう。

ソロ=ひとり。自由で贅沢な時間を過ごす

慣れないことにはじめは落ち着かないかもしれないが、周囲にばかり向いていた意識が自分の内へと戻ってくると、深いリラクゼーションが感じられるようになる。さまざまなアクティビティを通して非日常を味わうソロキャンパーもいないではないが、多くは何もしないという贅沢な時間の使い方に魅力を感じ、ソロキャンプに思いを馳せているに違いない。

何もしない時間に飽きる頃には日も傾き始める。次にやるべきは、火を起こして腹を満たすことだ。旨い酒があればいうことはない。キャンプの楽しみは焚き火にあるという人もいる。火のないところに火種を起こし、少しずつ薪を足して炎を大きくする過程に癒しを感じるのかもしれない。

刻一刻と表情を変えながら揺らぐ炎はいつまでも見飽きることがない。キャンプ飯はそのとき自分が食べたいと思うものを作って食べるのがいい。缶詰だけでも夕食は済ませられるが、普段あまり料理をしないという人でも、塩コショウさえあればあとは見よう見まねで何とかなるものだ。

愛用のキャンプギアを手入れしながら使い込んだり、定番アイテムを増やしたりするのも楽しい。ソロキャンプにおすすめの料理とアイテムを紹介しよう。

鍋を吊るしておけるトライポッドを用意して、ビーフシチューを嗜む

ひとりを満喫するソロキャンプの大きな楽しみのひとつといえば、食事の時間だろう。自分だけのためにとっておきのメニューを選び、時間をかけて調理する。車の乗り入れが可能なキャンプサイトなら、焚き火台やダッチオーブンといった大きな荷物も楽に持ち込めるので、メニューの選択肢も増える。

「ユニフレーム」のダッチオーブンで作る、超手抜きのビーフシチュー

ソロキャンプのごちそうディナーは、ユニフレーム(UNIFLAME)のダッチオーブンを使った和風ビーフシチュー。もちろん、アウトドアには適度な手抜きも大切だ。ダッチオーブンは煮込み料理でこそ本領を発揮する。

いくらでも手間暇をかけられるビーフシチューだが、簡易的なレシピなら作り方は簡単だ。まず、カットした牛スネ肉は塩コショウをして小麦粉をまぶし、表面に軽く焼き色を付けてから一旦取り出す。

次に、ニンニク、玉ねぎ、セロリなどの香り野菜を軽く炒める。そこへ牛肉を戻し入れ、赤ワインとデミグラスソースを加える。隠し味は万能調味料の醤油だ。ここからは鍋が仕事をしてくれる。

最後にじゃがいもと人参を投入し、しばらく煮込めば完成だ。トライポッドがあれば、鍋を遠火にかけてじっくり過熱することができるので、より深みのある味に仕上がるだろう。

ソロキャンパー必携一枚「ヨコザワテッパン」で食材を焼くと不思議と美味しい

ソロキャンプの楽しみ方に決まったスタイルというものはない。キャンパーの数だけこだわりがあり、個性が違うから面白いのだ。メインのアクティビティを心ゆくまで楽しんだあとはできるだけ簡単に食事を済ませ、ぼんやり焚き火を眺めて過ごすのもいい。ひとりでも料理にはこだわりたいと思えば、時間をかけて丁寧に作るのもいい。

ベテランキャンパーがこよなく愛す、ヨコザワテッパン

ソロキャンプでの食事に時間をかけるなら、調理器具にもこだわりを持ちたくなることもある。たとえば、シンプルなフォルムと使い勝手のよさから多くのベテランキャンパーが愛用しているという「ヨコザワテッパン(The Yokozawa Teppan)」。

ライターや釣り人として知られる横沢テッペイ氏が考案し、長きにわたり不世出だったという究極かつ意外性に富んだキャンプギアだ。飾りはおろか取っ手すら付いていないただの四角い鉄板といった見た目だが、その実力はすでに多くのユーザーが知るところ。

コンパクトで余計な出っ張りやカーブがないので、収納しやすく持ち運びやすい。鉄板が厚くて火力を調節しやすく、焼きムラがない。何を焼いても万能鉄板なのがよいところ。イワナの腹に大葉とマイタケを入れて包んだホイルを蒸し焼きにする。すぐにいい香りがただよってきて食欲をそそる。

シングルバーナーの上に置いてすぐに使えるスピーディさも魅力。肉を焼けばフラットなエッジから余計な油が落ちる。もちろん野菜を焼いてもよし、ピザだってこんがりと焼きあがる。

ともあれ、自然の中では何を飲み食いしても不思議に旨いし、たとえまずくても誰にも文句を言われないのがいい。食べたいものをシンプルに調理しながら、長々と好きな酒を楽しみたい。

ヨコザワテッパン問い合わせ先:ジェットスロウ

スキレットさえあれば簡単なつまみでも大満足

近頃は家庭用キッチンウェアとしても人気の高いスキレット(skillet)。

平たく言えば小さな鉄製のフライパンなのだが、厚手のキャストアイアン(鋳鉄)が食材にじっくり熱を伝えるため、別名「魔法のフライパン」と呼ばれるほど料理がおいしくできる。そしてなにより、機能的で無骨な見た目が実に男前なキャンプギアなのだ。

スキレットで作る、シンプルな枝豆バター

スキレットを使ったおすすめのおつまみは、冷凍枝豆をバター醤油で炒め付けるだけのシンプルな一品。居酒屋メニューでおなじみの「枝豆バター」だ。

スキレットに油は敷かず、枝豆の水分が飛んで軽く焦げ目がつくまで煎る。仕上げにバターを加え、味を見ながら醤油を少しずつ垂らす。余熱で軽く煽って味をなじませれば完成だ。

スキレットは、カバー(フタ)を被せることで圧力鍋や無水鍋としても使える。カットした野菜を入れて火にかけるだけで、素材の旨味が凝縮されたラタトゥイユ(夏野菜の煮込み)の完成だ。そのままでも十分美味しいが、茹でたパスタに乗せて黒コショウでも振りかければ、絶品野菜煮込みパスタの完成だ。

夕食のテーブルにひとつあるだけで、ソロキャンプに雰囲気が出るスキレット。やや重量感はあるが、ぜひ定番アイテムのひとつに加えたい。

鍋は大きめのコッヘルで代用。キャンプ場の夜に備えて作る猪豚鍋

Photo/Shogo Motobayashi

荷物が制限されるツーリングキャンプでは、調理器具も機能的で無駄のないものを選びたい。そんな時は、ツーリングの途中で調達した群馬県上野村の特産品「猪豚(イノブタ)」の肉と、地元産の採れたて野菜を使った猪豚鍋をメインにしてみてはどうだろうか。

シンプルさで勝負。鍋料理でお腹を満たす

Photo/Shogo Motobayash

シンプルなレシピと調味料で素材の旨味を堪能するなら、相場は鍋料理と決まっている。大きめのコッヘル(Kocher)で野菜を軟らかく煮たら味噌を溶かし、大胆にカットした猪豚を投入する。肉に火が通れば完成だ。あとはコッヘルをそのまま手に持ち、大胆に食す。ワイルドにお腹が満たせて、しかも洗い物が少ないところがいい。

猪豚は、野生のイノシシと豚とを交配して生まれた食用肉。一般的な豚肉よりもたんぱく質が20%多く、しかも低脂肪というヘルシーさから人気が高まっている。飼育の難しさから価格はやや高めながら、肉質がきめ細かく、牛肉のような甘みと舌触りが楽しめる。

自分のためだけにメニューを決めて料理を作り、ひとりでゆっくり食事をする特別な時間。そんな時に、自然の中で楽しめる料理を紹介した。 今夜はスマホでブログや動画など観ずに、グラス片手に何もしない「飲み時間」を大切にしたい。誰にも気を遣わず、自分勝手に過ごす。ときには自分を自然の中に解放し、英気を養おう。