絶対とは言えないが、日本人はプライベートよりも仕事を優先する傾向が強い。パートナーや子供に心配事があっても仕事を休まなかったり、台風などの自然災害があっても出社したりなど、仕事や企業に対する忠誠心が旺盛である。
一方、外国人は日本人とは異なり、生活での最優先事項は仕事ではなく家族だ。働き方も家族や趣味に合わせ、プライベートの時間をしっかり確保している。そのほか、日本人と外国人では働き方にいくつもの違いがある。
そこで今回は、日本人と外国人の仕事に対する考え方の違いを3つ解説する。ライフスタイル誌から誕生した男の隠れ家デジタルが、知的好奇心をくすぐる情報を解説しよう。
■違い1.仕事よりもプライベートを優先する
前述した通り、日本人と外国人では仕事とプライベートの優先度が異なる。日本人は全体調和の観点からも、仕事を第一に考える人が多い傾向にある。
仕事がある日は何としても出勤し、業務を全うするまで帰ってはならないという意向が強い。それだけでなく、社内の状況を気にして残業をしたり、有給を消化できずにいたりする。なかには「休日でも仕事のことばかり考えてしまう」という人も。
一方、外国人はプライベートを優先する傾向が強い。そもそも仕事ありきで生活を考えるのではなく、家族やプライベートに合わせて働き方を調整している人が多い。休暇などの権利はもちろん使用し、可能な限りプライベートを充実させている。
とはいえ、仕事とプライベートのオンオフをしっかりしているため、仕事を疎かにしているわけではない。業務上のルールに則り、かしこく働いているという印象が強い。
■違い2.ジョブ型雇用が進んでいる
2つ目の違いは、ジョブ型雇用が進んでいる点だ。日本では「メンバーシップ型」の雇用がほとんどである。これは、企業にマッチする人材として採用されたあと、社内状況に応じて仕事が割り当てられるという働き方である。
日本では当たり前の働き方だが、企業の状況次第で部署や仕事内容、勤務地が変更されることも珍しくない。各社員のポジションは明確ではあるものの、業務範囲は定まっていないという場合が多いのだ。
その一方で、海外の多くの地域ではジョブ型雇用が進んでいる。仕事内容や業務範囲が明確であり、採用時には個人のスキルレベルに応じて採用が決まる。採用されたあとは、スキルを活かせる特定のポジションに配置され、その力量に応じて給料や待遇が変化する。
業務での成果が自身の報酬につながるため、働き手は専門性を強化し、さらなるスキルアップを目指す人が多いのだ。しかし、この働き方は結果を出さなければ、簡単に解雇されてしまうというデメリットもある。
■違い3.周りの意見に流されない
日本人は何かと全体調和を気にする傾向にある。「会社で浮かないよう気をつけよう」「上司から気に入られるために頑張ろう」「空気を読んで主張は控えよう」などの行動や考えが挙げられる。
年功序列が激しいということもあり、結果を出しても上位のポジションに上がれず、年齢を重ねなければ昇進できない、なんてこともありがちだ。
しかし、外国人の多くは周りの意見や社内の雰囲気に左右されず、個人の強みや存在意義をアピールする傾向が強い。会社のルールに則ってはいるが、自分自身の考えをしっかりと持ち、その意見を積極的に外部へ発信しているのだ。
会社側も個人の能力を重視しているため、年齢やポジションを問わず、能力がある人材に報酬を多く支払う傾向がある。
なお、働き手は個人の意見を主張しているとはいえ、仲間とのコミュニケーションをまったく取らないというわけではない。むしろ逆に、コミュニケーションを多く取り、尺度なしのチームプレーで業務を遂行している。
■まとめ
今回は、日本人と外国人の仕事に対する考え方の違いを解説した。それぞれの違いを大まかに理解できただろうか?
仕事に対する考え方や働き方は、その国の環境や歴史に大きく影響している。日本はどちらかといえば保守的で、空気を読むスキルに長けていたからこそ、先進国として発展してきた。
そのため、今回解説したどちらか一方が正しいというわけではない。どちらにもメリット・デメリットが存在するため、自身の状況を踏まえた上で、参考にできる部分のみを取り入れてほしい。
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