106203りんご畑の中にある醸造所「弘前シードル工房 kimori」|弘前シードルの旅

りんご畑の中にある醸造所「弘前シードル工房 kimori」|弘前シードルの旅

男の隠れ家編集部
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今、シードルが熱い。欧州では古くから親しまれてきたが、日本でも少しずつファンが増え始めているのだ。一体どんな酒なのか? りんご王国・弘前で魅力を探ってみたい。

■シードルが人をつなぎ りんごの未来を変える

弘前でも最も多くの種類のりんごを育てていると聞いて訪れたのは「りんご公園」。80種類、約2300本ものりんごの木を有するりんご畑だ。その公園内に白い三角屋根の醸造所がある。

扉を開けると、よく熟したりんごの甘い香りに包まれた。ここ「kimori」では誰もが自由に訪れ、醸造所の様子を見学しながらシードルの試飲ができる。

開放感ある空間で試飲(一杯500円)も楽しめる。

「人をつなぐ場所で特別なお酒を造りたいと思っています」と、株式会社百姓堂本舗(kimoriの運営会社)代表取締役の高橋哲史さん。都内で仕事をしていたが、30歳の頃実家のりんご農家を継ごうと弘前に戻った。

すると、子どもの頃にあったりんご農園の多くが廃園に追い込まれていた。「弘前のりんごはなくなろうとしている」と感じたという。その現状を知ってもらおうと始めたのが実に傷が付き選果外となったりんごを使ったシードル造りだった。

薪ストーブで燃やしているのはりんごの木。
果汁を絞るために使われる布はりんごで赤く染まっている。

「当時、新しさを感じて青森のりんごを広く知ってもらえる機会になるのではと思いました」

もっと酒を楽しんでほしいという思いもあったという。

「若い人に話を聞くと“酒は人付き合いのためのもの”という意見が多くて、ショックを受けたんです。もっと楽しいものだと伝えるために、ちょっと特別で、自分へのご褒美のような優しいお酒を造りたいと思っています」

「kimori cidre SWEET」「kimori cidre DRY」(375㎖/1067円)。サンふじを主原料とし、舌触り良く優しい味わい。

そのこだわりの酒はいかようなものなのか。「kimori シードルドライ」を一杯いただくと、なるほど。華やかな香りが鼻を抜け、口に運ぶと果実感が強く、温もりのある味わいが広がっていく。

「無濾過製法と低温での長時間熟成によって、果実感を強く出しています。弘前のりんごの良さを詰め込みました」と高橋さん。

この一杯が「なくなろうとしている弘前のりんご」の未来を変えることだろう。

撮影/三輪卓護

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