小樽運河のガス灯に灯りがともる頃、小樽の街は大人の遊びエリアに変身する。観光客に大人気の新名所・屋台村、風情ある昔ながらの飲み屋街と老舗バー。小樽の夜の愉しみを堪能する。
(※その他の写真は【関連画像】を参照)
※この記事は2026年2月号に掲載されたものです。
■観光客の喧騒から少し離れて大人のバーへ
小樽の街には昼と夜の異なった顔がある。昼の街は歴史と風情あふれる観光の街として賑わう。
江戸時代は鰊漁と北前船で栄えた港町だった。明治から昭和の時代にかけては北海道経済の中心地となり、“北のウォール街”と呼ばれ商都として繁栄した。当時の流行を取り入れた、重厚な銀行建築の建造物が多く残っている。

漁業用浮き玉の製造から始まったガラス工芸も知られている。北一硝子三号館などでレトロな建物とガラス工芸を楽しめ、寿司屋通りでは新鮮な海の幸を味わえる。
夕暮れには街の象徴ともいえるライトアップされた小樽運河の風景が印象的だ。夜になれば天狗山からの夜景が美しい。夜景を楽しんでから、夜の巷に繰り出したい。


⚫︎観光客で賑わう小樽の象徴「小樽運河」

小樽運河は大正12年(1923)の完成。海岸を埋め立てたため、緩やかに湾曲しているのが特徴だ。全長は1140m。北運河は当初のままの40mの幅がある。夕暮れ時には散策路の63基のガス灯がともり、石造倉庫群がライトアップされる。
北海道小樽市港町5
アクセス/JR「小樽駅」より徒歩約10分
⚫︎鰊漁で賑わった港
鰊は産卵のため春に群れとなって押し寄せる。江戸中期から明治時代にかけて鰊漁が盛んに行われ、小樽は水揚地として繁栄した。
鰊漁で財を成す者も現れて鰊御殿が建てられた。1950年代になると鰊が姿を消して終焉を迎える。

■港町・小樽が見せるもう一つの顔
港町に夜の街は付きもの。港町として栄え、“北の商都”だった小樽には、歴史のある飲み屋街があり、老舗のバーが今も残っている。
美味しい酒がお目当ての方にお勧めしたいのは花園エリア。かつては石原裕次郎も通ったという、古くからの飲み屋街だ。何本もの狭い路地があり、小さなバーやスナックが軒を並べている。

夜の暗がりの中、店の看板にぽつん、ぽつんと灯りがともる風景は、さながら昭和の時代にあった映画のロケ地のようだ。
北の街の酒場には、凍てつく外の寒さを溶かしてくれる人情と優しさがある。店の灯りを頼りに路地をそぞろ歩き、気に入った店があったら扉を開けて、まずは〝一見さん〟からはじめよう。
新たに観光客向けの屋台村も生まれた。小樽運河の近くには観光スポット・出抜小路ができた。明治・大正期の街並みをイメージした屋台村に約20軒の店が集合。
サンモール一番街商店街の両側に並ぶ「おたる屋台村」のレンガ横丁とろまん横丁もお勧め。
⚫︎明治・大正の町並みを再現した「出抜小路」
約20軒の飲食店や居酒屋、バーが集まる屋台村。懐しき時代の飲み屋街の雰囲気が漂い、迷路のような路地歩きを楽しめる。
シンボルタワーはかつて小樽にあった望楼「火の見やぐら」を模した。小樽の海や運河を見下ろせる。

北海道小樽市色内1-1
⚫︎レトロな雰囲気を残す「花園エリア」
国道5号線と花園銀座通りに挟まれた、古くからの飲み屋街。細い路地や小路があり、バーやスナック、居酒屋などが集まっている。個性的なバーも多く、ほろ酔いで“はしご”酒を楽しむにはピッタリだ。



北海道小樽市花園
文/阿部文枝 撮影/林 直光
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