ビールが好きで、アイリッシュパブやビアバーによく足を運んでいる人は、「パイント」という言葉を目にしたり耳にしたりすることがあるだろう。

日本の一般層にはパイントは浸透しておらず、私生活の中でめったに聞くことはないが、パイントを知ることでビールをもっと美味しく飲める方法を知ることができるのだ。

そこでこの記事では、パイントとは何かを知ってもらった後、イギリスとアメリカのパイントの違いや、オススメしたいパイントグラスを紹介していこう。

自宅でいつもより美味しいビールを堪能したいビールマニアは、ぜひ参考にしてみてほしい。

パイントとは?

パイントという言葉は、日本よりも海外で使われていて、レストランやバーのメニュー表などに「Beer 1pint」という風に書かれていることがある。

まずは、ビール好きなら知っておきたいパイントの意味について触れていこう。

パイント(pint)の意味

パイント(pint)は、アメリカを中心に使われているヤード・ポンド法において、体積・容積の単位を示すものだ。

日本でも使われている液量のリットル(L)、ミリリットル(ml)が、海外ではものによってパイント(pint)で表示されている、と覚えるのがわかりやすいだろう。

イギリスとアメリカでは、同じ1パイントでも異なる量で定義されており、アメリカでは2種類、イギリスでは1種類のパイント値が設定されている。

現在もパイントは、イギリス系のパブやバーなどで提供されている、グラス入りビールやサイダー、牛乳の液量単位に使われていて、主に大量の液体を表示する場合に用いられる。

日本に住んでいればパイントの意味を知る必要もないが、しっかり意味を覚えておけば、イギリスやアメリカでビールを注文する時に「このpintという表示は一体なんだろう?」と戸惑うこともないだろう。

日本においてパイントで表示されている物

パイントは日本ではほとんど使われることがなく、パイントという言葉を一生知らないまま過ごす人も多いだろう。

実際に、国内でパイントが使われている代表的なものは、イギリス系のアイリッシュバー・パブのビールのメニュー表であり、注文の際に「ビール1パイントください」「ビール1パイント入ります」といった使われ方がされている。

また、沖縄県では一般的に、紙パックの牛乳などに1米液量パイントにあたる473mlや、2米液量パイントにあたる946mlという量が使われている。これは、アメリカによる沖縄統治の名残であるようだ。

ビールが好きな人以外でパイントを知っている人は、アイスのハーゲンダッツファンの可能性が高い。

実は、ハーゲンダッツの容量でパイントが使われている商品があり、バニラやストロベリーなどの定番の味を大容量で味わうことができるのだ。

ハーゲンダッツのストロベリー味のパイントサイズは、一時的に販売が休止されていたが、多くのファンが熱望したことで再販売される運びとなった。一人で好きなだけ分だけ食べたり、友人や家族とシェアしたりできる満足サイズだ。

イギリスとアメリカのパイントの違い

パイントという体積・容積が使われているのがイギリスとアメリカだが、実は、それぞれの国で1パイントの量が全く違うのだ。

イギリスのパイントとアメリカのパイントが、具体的にどのように異なるのかを説明していこう。

イギリスのパイント

イギリスのパイントはUKパイントと呼ばれていて、1パイントあたり「568ml」とされている。

西暦500年〜1000年、イギリスにはまだ体積という概念が存在していなかったが、その後、小麦粉の重さなどにガロンという単位が使われ始めた。当時の1ガロンは、小麦粉やビール、ワインなどでそれぞれ量が異なり、ガロンの種類はなんと、10種類以上も存在したのだ。

流石に多すぎると考えられたガロンは、その後、以下の3種類に絞られていった。

  • 1ワインガロン=231立方inch
  • 1エールガロン=282立方inch
  • 1コーンガロン=268と1/5立方inch

19世紀になると10ポンドの水=1ガロンという定義がされ、乾物と液体、どちらの量にもガロンという単位が用いられることになった。イギリスでは、その当時の1英ガロン=277.42立方inch=4.55mlが今も使われている。

そして、1ガロン=8パイントと定義されたことによって、イギリスとアメリカで1パイントのサイズの違いが生み出されているのだ。

アメリカのパイント

一方、アメリカのパイントだが、USパイントと呼ばれていて、1パイントあたり「473ml」とされている。

アメリカでパイントが使われているのは、イギリスの植民地だった名残があるからだ。

アメリカが独立した後、イギリスで使われていた液体に用いられるワインガロン、乾物に用いられるコーンガロンという単位がそのまま引き継がれ、1米ガロン=231立体inch=3.79mlとして定義されたのだ。

パイント以外にも、オンス(oz)もイギリスとアメリカでは定義が異なり、イギリスでは1オンス=28.41mlだが、アメリカでは1オンス=29.57mlとされている。

日本の一般的なビールの量と比較

アイリッシュパブやイギリスのバーで初めてビールを頼む場合、1パイントでどのくらいの量になるのか想像できない人もいるだろう。

日本で販売されているビールの中瓶500mlと比較した場合、それよりも少ないくらいの量がアメリカの1パイント473ml、やや多めの量がイギリスの1パイント568mlと覚えておこう。

1パイントのビールをグラスに注ぐ場合、大きめのグラスが必要になるが、そこで活躍するのが「パイントグラス」というものだ。

ビールをさらに美味しくさせる魔法のグラスであるパイントグラスを詳しく知りたい人は、後述を参考にしてほしい。

パイントグラスでビールを飲むのが美味い理由

1パイントのビールを全て注ぎ込める大容量のグラス、それがパイントグラスだ。

一般家庭にあるジョッキでも1パイントを注げる物はあるが、パイントグラスはどう違うのか?

パイントグラスでのビールの味わいやグラスの特徴を説明していこう。

パイントグラスでのビールの味わいについて

パイントグラスは、広い飲み口と下に向けて狭くなる形状、そしてグラスを支える足がないのが特徴で、1パイントの飲み物を飲むためのグラスとして用いられる。

イギリスでは、ビールを常温でゆっくり飲むのが一般的で、パイントグラスは泡立ちが重視された構造にはなっておらず、ガラスが厚いためガラスの温度がビールに伝わりやすい。

しかし、飲み口の広さによってビールの香り、味わい、口当たりの良さをより感じることができるのがパイントグラスなのだ。

さまざまなビールの美味さを崩さない万能型のグラスで、IPAやアメリカンペールエール、黒ビール(ポーター・スタウト)に合うと評判なのだ。

パイントグラスのコニカルとノニックの違い

パイントグラスは主に、コニカルとノニックという形状に分けられる

コニカルは、円錐の先端を切り落としたようなよく見るグラスの形状で、ノニックはグラスの上の方に膨らみが付いている形状になっている。

ノニックの膨らみはグラスを手に持った時の滑り止めになる他、グラスを重ねた時に抜けにくくなったり、欠けたりするのを防止する役割もある。この膨らみによってビールを飲む時に対流が発生し、より香りが出やすくなるともいわれている。

コニカルはペールエールやラガー、ノニックはストロングエールやスタウトビールと相性が良いのでぜひ、一度飲んでみてほしい。

オススメのパイントグラスを紹介

パイントとは何か、そしてパイントグラスの特徴を知ってもらえたところで、ここからはお気に入りのビールを注いで飲んでほしい、オススメのパイントグラスを紹介していこう。

DURALEX(Bormioli)|ノニックス580cc


DURALEX|ノニックス580cc

フランスの強化ガラス製食器・台所用品メーカーのDURALEX(デュラレックス)が提供する「ノニックス580cc」は、お手頃な価格で入手できるオーソドックスなノニックのパイントグラスだ。

デュラレックスのグラスは日本でも多くの飲食店で使用されていて、「持ちやすい」「収納しやすい」「割れにくい」という便利な性能が備わっている。

柔らかいフォルムに高いスタッキング性能が備わったグラスで、自宅の棚に飾ればアクセントにもなるデザインだ。

現在は、イタリア最大のガラスメーカーであるBormioli Rocco(ボルミオリロッコ)に製造元になっており、デザインや品質はデュラレックスの時と変わらないが、刻印のみBormioliになっているケースも有る。

ガラス製食器を代表するメーカーの安定した品質のパイントグラスなので、パイントグラスで飲むビールがどのような味わいか確かめてみたい初心者にはオススメだ。

●メーカー:DURALEX(Bormioli)
●商品名:DURALEX(Bormioli)|ノニックス580cc
●販売価格:352円(税込)
●容量:580ml
●材質:全面物理強化ガラス
●サイズ:8.9cm×8.9cm×15.3cm
●商品購入ページ:Amazon

東洋佐々木ガラス|USパイントグラス480ml


東洋佐々木ガラス|USパイントグラス480ml

東洋佐々木ガラスが提供する「USパイントグラス480ml」は、クラフトビールの味わいを存分に堪能できる、コニカルのパイントグラスだ。

クリスタルガラスに匹敵する、美しい透明度を誇るファインクリアのガラスが使用されており、美しさと丈夫さを兼ね備えている。

好きなビールをグラスいっぱいに注ぎ、広い飲み口からちびちびとクラフトビールを飲めば、味わいと香りをより楽しめるだろう。

東洋佐々木ガラスの至高の技術によって造られた高品質のグラスは、ANAのビジネスクラスでも用いられているほどだ。

1個500円程度とお手頃価格なので、自宅用に購入して、風呂上がりの一杯をより格別なものにしてみてはいかがだろうか?

●メーカー:東洋佐々木ガラス
●商品名:東洋佐々木ガラス|USパイントグラス480ml
●販売価格:524円(税込)
●容量:480ml
●材質:ソーダライムガラス
●重量:470g
●サイズ:8.9cm×8.9cm×15cm
●商品購入ページ:Amazon

ツヴィーゼル|ビアベーシックパイント602ml

ツヴィーゼル|ビアベーシックパイント602ml

ドイツのクリスタルガラスメーカーであるツヴィーゼルが提供する「ビアベーシックパイント602ml」は、ビールの本場であるドイツサイズで規格された、コニカルのパイントグラスだ。

どっしりとした風格とグラスの緩やかな曲線が特徴的で、透明度・輝き・耐久性が世界水準であるトリタンクリスタルが使用されている。

美しいフォルムのビアベーシックパイントに黒ビールのスタウトやポーターを注げば、しっかりと深い味わいが際立ち、まるで本場ドイツでビールを飲んでいるような感覚に襲われるだろう。また、日本の切れ味がスッキリしたラガーとも相性抜群だ。

価格は1個あたり約2,700円と値は張るが、本格的なビールの味わいを自宅で体験したい人にオススメしたい一点である。

●メーカー:ツヴィーゼル
●商品名:ツヴィーゼル|ビアベーシックパイント
●販売価格:5,500円(2個)
●容量:602ml
●材質::トリタンクリスタル
●重量:400g
●サイズ:9cm×9cm×16.1cm
●商品購入ページ:ツヴィーゼル公式オンラインショップ

まとめ

クラフトビール好きなら知っておきたいパイントという言葉は、ビールや牛乳などの液量の単位としてイギリスやアメリカ使われている。

日本でも、イギリス系のパブや世界各国のビールを楽しめるオクトーバーフェストなどのメニュー表に、パイント表示で書かれていることがあるだろう。

1パイントの量はイギリスとアメリカで異なり、イギリスは1パイント=568ml、アメリカは1パイント=473mlとなり、イギリスのパイントの場合は、中瓶よりも多い飲みごたえのあるサイズとなる。

1パイントの飲み物を全て注げるように作られたパイントグラスには、シンプルな形状のコニカル、グラスの真ん中よりやや上に膨らみがあるノニックという形状がある。

コニカルとノニックでそれぞれ相性の良いビールがあるため、この記事で紹介したパイントグラスでぜひ一度味わってみてほしい。

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