スペシャリティコーヒーの中でも、特別な品種として注目されている「ゲイシャ」。ゲイシャには複雑な味わいがあり、不思議なおいしさを堪能できる。一度でも口にすれば「また飲んでみたい」という気持ちになるはずだ。

しかし、ゲイシャについて詳しく知る人は、そう多くはないかもしれない。コーヒー豆には収穫時期が決まっており、必ずしもコーヒー屋にゲイシャがそろえられているわけではないためだ。

そこで本記事では、ゲイシャが特別な品種として取り扱われている理由、おすすめの楽しみ方を解説しよう。ゲイシャに興味関心がある方はぜひ参考にしてほしい。

■ゲイシャとは?

アラビカ種に属する品種の1つで、突然変異して誕生したゲイシャ。品種改良されて誕生したコーヒー豆も数多く存在している中で、ゲイシャは原種に近い状態の品種といわれている。

1931年、エチオピアの「ゲシャ」という地域に自生していたことでゲイシャは発見された。初めは「ゲシャ種」として名前が伝わっていたが、日本人には「ゲイシャ」と聞こえたことから、多くの地域にゲイシャという名前で広まったとされる。

1950年代には南米・コスタリカへと渡り、1960年代に中米・パナマに伝えられた。コスタリカやパナマにゲイシャが伝えられた理由は、さび病という病気対策に使われる目的で運び込まれている。

ゲイシャは繊細な植物であるため、病気に非常に弱く、栽培が難しいとされている。そのことから、収穫量がほかの品種よりも少なく、生産・取引に不向きなコーヒー豆といわれている。

しかし、パナマの自然はゲイシャにとって最適な環境であったため、安定した収穫につなげられ、世界中のコーヒー好きに広めることができた。パナマの農園で働く人々の努力により、今では高級品のコーヒー豆としてゲイシャは取引されている。

■ゲイシャが特別である理由

前述したようにゲイシャは病気に弱く、収穫量が非常に少ない。そのため、ゲイシャの収穫量はほかの品種に比べて半分程度だといわれている。また、収穫量が少ないため希少価値が上がり、オークションでは高値で取引されることが多い。

さらに、ゲイシャは育つ果実が少ない分、多くの栄養が一粒一粒に行き届き、濃縮された味わいをもつコーヒー豆に育ってくれる。そんなゲイシャの特徴は以下の通りだ。

・香水のようにフローラルなアロマ
・ハーブティーのような透明感
・柑橘類を食べた時のような爽やかな酸味
・はちみつのように濃厚な甘味
・飲み終えたあとも長く続く余韻

上記のような味わいを持つ品種は、もしかしたらゲイシャ以外見当たらないかもしれない。

■ゲイシャコーヒーのおすすめの楽しみ方

ゲイシャコーヒーのおすすめの楽しみ方は、ハンドドリップで淹れるホットコーヒーだ。理由はホットコーヒーは甘味や酸味、香りの際立ち方がはっきりしているためである。

ホットコーヒーは鼻から入るアロマや、口に含んだ時の味の広がり方が優しく余韻も長持ちだ。また、少しずつ冷めると甘味と酸味をより感じやすくなるため、時間が経過するごとに味のレイヤーを楽しむこともできる。

そして、コーヒーの抽出方法を拘ることも非常に重要であり、おすすめの淹れ方は「ハンドドリップ」だ。

ハンドドリップで使うペーパーフィルターは、コーヒーの油分や微粉の混入を防ぐ役割があるため、雑味を極力抑えてくれる。また、ハンドドリップは抽出のコントロールがしやすいことから、味の微調整も行える便利な抽出方法である。

なお、ゲイシャは甘味や酸味、香りを多く含んだ品種であるため、砂糖やミルクを入れるのはできるだけ避けたほうが良い。ゲイシャ本来の味わいを楽しむためにも、ブラックで飲むことをおすすめする。

■まとめ

衝撃的なおいしさで世界中に注目されることになったゲイシャ。店頭に並んだ時の価格はほかの品種に比べると少々高めだが、ゲイシャは特別な時間を演出してくれる。

本記事を読んでゲイシャに興味が湧いた方は、ぜひ世界が認めた味を堪能してみてほしい。コーヒー屋でゲイシャを見かけた時は迷わず注文しよう。