2021年の初秋も引き続き残暑が厳しい。数年前までは「女性が差すもの」というイメージだった日傘だが、強い日差しによって男性が差す姿も見かけるようになってきている。

この残暑はまだまだ続くことが予想されるため、今からでも日傘を取り入れることで日中を快適に過ごせるだろう。そこで、傘ソムリエの土屋博勇喜氏に最新の日傘事情を伺うとともに、男性におすすめの日傘をチョイスしてもらった。

残暑&紫外線から逃れるためのツール

土屋さんに日傘の必要性を聞くと、近年の異常な残暑を乗り切るためには必須だという。

「日傘を差すだけで体感温度が数度変わるので、暑さ対策として取り入れてもらった方がいいと思います。“木陰を持ち歩く”ようなイメージです。また、10月くらいまでは紫外線が強いといわれているので、暑さが和らいでも使い続けることをおすすめします」

性能もデザイン性も進化している「晴雨兼用傘」

日傘というと、どうしても恥ずかしさが先に立ってしまい、持ち歩くことに抵抗があるという男性は多いだろう。しかし、2020年辺りから日傘の性能やデザインが変化し、男性でも持ちやすくなっているという。

「昨年から傘メーカー各社が東京オリンピック観戦を想定し、あらゆる天候で使える晴雨兼用傘をリリースしたのです。かつての晴雨兼用傘は日傘の性能はあるものの撥水が弱く、小雨しかしのげないものでしたが、現在の晴雨兼用傘は遮光・遮熱・UVカット99%以上に加え撥水も施されたもので、強い雨にも耐えられます。傘生地の裏にコーティングが施され、ゲリラ豪雨のような突発的な雨に耐えられるモデルも出てきています」

晴雨兼用傘は、一般的な雨傘と変わらないデザインのものがほとんど。折りたたみタイプをカバンにしのばせておいても、なんら違和感がない。さらに日傘としても雨傘としても機能が高いとなれば、持っていて損はないだろう。

「今は傘売場で雨傘を探すのが大変なくらい、晴雨兼用傘が多くなってきています。もはや遮光・遮熱・UVカットは標準装備になってきているので、『日傘を買おう』と気負わずに手に取れるようになってきているように思います」

日傘選びのポイントは「色」

日傘として利用する想定で晴雨兼用傘を選ぶ場合、まずチェックするべきはタグ。「遮光」「遮熱」「UVカット」と書かれていることが大前提となる。そのうえで、さらに快適性を高めるポイントを聞いた。

「日傘選びのポイントは“色”です。もっとも理想的な日傘は、表地が黒以外の色、裏地が黒であること。表地が黒だと遮光率は上がるのですが、熱を吸収してしまうため、暑さを感じやすくなります。ネイビーやグレーなど、黒より明るい色の方が涼しく感じるでしょう。また、裏地を黒にすることで、コンクリートの照り返しによる眩しさや熱を軽減でき、UVカットの効果も期待できます」

数年前まで日傘といえば白か黒のイメージが強かったが、最近はさまざまな色やデザインのものが出てきているそう。土屋さんは「ポイントを押さえつつ、好みや普段の服装に合わせて選ぶと楽しくなります」と、教えてくれた。

「男性だと、日傘にも機能性や付加価値を期待する方が多いように思います。最近は素材にこだわった傘や、自動開閉などの機能に優れた傘など、男心をくすぐるようなモデルも増えているので、それぞれのこだわりに合うものを探してみてほしいです」

傘ソムリエ厳選!男性におすすめの日傘

ここからは、土屋さんにチョイスしてもらった6本の日傘を紹介していこう。

とにかく暑さを軽減したいなら「銀行員の日傘」

遮熱効果の高いシルバーコーティング生地を使用した晴雨兼用傘。裏地は黒で照り返しの熱を吸収してくれるため、体感温度が4~7℃低く感じられる。

「メーカーに出入りしていた銀行員の方が汗だくだったそうで、少しでも夏場の外回りがラクになるようにと企画された傘。遮光・遮熱の効果が高く、60cmの大きめサイズなので、男性でも肩まで収まると思います」

(商品概要)
商品名:銀行員の日傘 折 60cm/Waterfront
価格:1650円(税込)

“3秒でたためる”ノンストレス傘「urawaza」

自動開閉仕様でワンタッチで開け閉めできるだけでなく、形態安定技術を採用し“3秒でたためる傘”を実現。折りたたみ傘をたたむ時のストレスを解消してくれる1本。

「傘メーカー各社の投票で優れた傘を選ぶ『アンブレラアワード2020』で、総合部門1位、機能部門1位を取った傘です。何回開閉しても機能が損なわれず、半永久的に3秒でたためます。晴雨兼用傘なので、遮光・遮熱・UVカットもばっちりです」

(商品概要)
商品名:urawaza自動開閉 一級遮光無地/ムーンバット
価格:6600円(税込)

男心をくすぐる機能満載「HEATBLOCK VERYKAL」

遮光フィルムをプラスすることで、遮光率99.99%以上を実現した晴雨兼用傘。超撥水加工も施されているため、雨の日も安心。

「パラシュートクロスと同じ編み方の薄い生地を使っているので、たたんだ時にごわつきません。約220gと軽いモデルですが、カーボンファイバー素材の骨組みを採用しているので、風速15m/sにも耐えられる丈夫な造りになっています」

(商品概要)
商品名:HEATBLOCK VERYKAL Midnight Blue/AMVEL
価格:7150円(税込)

サステナブルな取り組みに魅かれる「+RING」

程よく柄が入ったしゃれたデザインの傘が揃っているブランド。ヘアゴムのような輪っかを木製のボタンに留めてたたむ仕様になっているため、両方向に巻くことができ、右利きでも左利きでも扱いやすい。

「傘を作る際に出る端切れはこれまで廃棄されていたのですが、『+RING』はその端切れだけを使って傘を作っているメーカー。端切れの分しか傘を製造しないため、1個1個の傘の準備数が少ないのです。お気に入りを見つけたら、すぐにゲットした方がいいですよ」

(商品概要)
商品名:coco晴雨兼用ショート長傘/+RING
価格:4125円(税込)

光だけを取り込む晴れやかなデザイン「槙田商店」

糸染め・生地織り・縫製・組み立てを職人が行う「槙田商店」の晴雨兼用傘。ストライプのデザインが涼しげなだけでなく、遮熱加工技術「エヌクール」を用いている。

「僕が個人的にとても好きな傘です。『エヌクール』という技術は、熱と紫外線をカットするのですが、光は通すんです。その理由は、傘を差した時に顔が暗くなることを避けるためなのだそう。光が入ると、明るい気持ちでおでかけできそうですよね」

(商品概要)
商品名:stripe/槙田商店
価格:1万9800円(税込)

エントリーモデルにぴったり「ダブルジャンプ安全式傘」

ボタン1つで開閉できる自動開閉式の晴雨兼用傘。裏地にシルバーコーティングが施されているため、遮光・遮熱・UVカットに効果もしっかり期待できる。

「男性でもカジュアルに使いやすいストライプのデザインで、価格も低いタイプなので、初めての日傘として取り入れやすい1本だと思います。コーティングによって1000mmの雨にも耐えられるので、急な雨の時にも役立ちますよ」

(商品概要)
商品名:ダブルジャンプ安全式柄/Waterfront
価格:2200円(税込)

最後に、土屋さんから日傘初心者の男性へのメッセージをいただいた。

「僕も日傘を持つ前は抵抗がありましたが、いざ差してみると、周りの人は意外と見ていないんですよね。日傘は恥ずかしいと感じている人も、一度差してみてください。周りの視線よりも、涼しさと快適性の方が勝ると思います。日傘で暑さを乗り切りましょう」

土屋博勇喜
傘ソムリエ。22歳から、大手ホームセンターでレイングッズを担当。2019年、国内シェアNo.1の傘メーカーであるシューズセレクションWaterfrontへ入社し、仕入れ・売り場作りの責任者となる。同時に、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を始める。「自分でさして納得した傘だけをお客様に届けたい」という思いから、給与の大半を傘に注ぎ、100本を超えるコレクションを持つ。悪天候時に耐風性や撥水性のテストを自ら行い、説得力のある接客で各メーカーにも高く評価されている。

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