ウォーターアクティビティのひとつ「サーフィン」は、夏のスポーツというイメージが強いかもしれなが、秋も楽しめることをご存知だろうか?
ここではサーフィン初心者の人に向けて、秋に始めるべき理由や注意点、用意しておくべきアイテムを紹介する。新しい趣味としてサーフィンを検討中の人は、ぜひこの秋に行動を起こしてもらいたい。
●秋のサーフィンをおすすめする理由
なぜ秋のサーフィンを勧めるのか、その理由を見ていこう。
▷海水の温度がほど良い
海水の温度は気温に比べて1、2か月ほど遅く変化すると言われており、秋の海水はまだ温かいのが特徴的だ。
もちろん、北上するほど海水温が低くなるため、北陸エリアでは15℃ほど、北海道では10℃を下回ることもある。しかし、10月〜11月にかけて関東以南の海面温度は、日本海側で20℃以上、太平洋側で25℃前後となっているため、サーフィンを始めるには申し分ない温度だろう。
心臓が弱い人や寒さが苦手な人は、こうした海水温の違いにも注意してもらいたい。
▷サーファーの数も少なくなる
サーフィン初心者の中には「ほかの人にぶつからないか」と心配になる人もいるだろう。
夏の海はサーファーだけでなく海水浴を楽しみに訪れる人が多いが、秋になると少しずつ減り始める。そのため、接触トラブルなどのリスクが下がり、練習にうってつけの季節と言えるのだ。
▷良い波が多い
悪天候には注意が必要だが、秋は台風が多くやってくるために良い波が生まれやすい。6月〜8月に発生する台風は移動するスピードが遅い一方で、9〜11月の台風は比較的速く移動すると言われている。
台風が来る前と過ぎ去った後で良い波が生まれやすいので、天候には気をつけながらサーフィンを楽しんでもらいたい。
●秋のサーフィンで注意すべきポイント
人が少なく海水温や波の良さといった好条件が整っている秋だが、注意しておくべきポイントもある。
▷気候
台風前後に生まれる“うねり”が良い波を作ってくれるが、危険かどうかを見分けられない人は要注意。さらに、夏から秋にかけて雷が発生しやすく、直撃を免れたとしても感電する危険性がある。
海の状態を把握できるようになるまでは、気候が安定している日を選んだ方が無難だろう。
▷クラゲ
成長したクラゲは8月頃に多く見られるが、秋もクラゲの被害に会うことは少なくない。
特にアンドンクラゲと呼ばれる種は、水面に多く群れで行動する習性を持っており、刺されると激しい痛みや皮膚へのダメージも大きいと言われている。
寒い季節にも現れることがあるため、季節を問わずウェットスーツを着用し、肌の露出を控えることが肝心だ。
●サーフィンでそろえておきたいアイテム
最後にサーフィンを始める際に必携のアイテムを紹介する。中にはレンタルできるものもあるが、長く続けたい人は自前のものを購入しても良いだろう。
▷ウェットスーツ
「フルスーツ」や「2ピース」などの種類があるが、肌の露出が少なく、怪我の予防や保温性に優れたフルスーツがおすすめだ。
購入する際は「厚さ」「素材」「サイズ」の3点に注目してほしい。厚いほどに保温性があるが、秋なら5mm前後を目安にしよう。また、伸縮性や暖かさは素材によっても異なり、暖かく伸びやすい素材の方が費用も高くなる傾向にある。
そして、サイズが緩いと保温性が発揮できず、窮屈すぎると着脱が難しくなるだろう。サイズチェックの際は、水が入りやすい首・手首・足首周りのフィット感を確認し、胸囲が息苦しくないかを基準に選んでみよう。
▷サーフボード
ボードの種類は「ショートボード」「ファンボード」「ロングボード」の3つに大別されるが、初心者は安定感のあるロング・セミロングボードがおすすめ。
ただ、キレのあるターンを行いたい人はファンボードを選んでも良いだろう。少し難易度は高いが、適度な安定感とターン性能を持っているのが特徴的。
いずれはショートボードで鋭いターンを決めたい人は、ファンボードで慣れておこう。
▷リーシュコード
足とサーフボードをつなぐのがリーシュコードだ。仮にサーフィン中に波に飲まれたとしても、リーシュがつながっていればボードが流されたり、ほかのサーファーにぶつかったりすることを防げる。
初心者がリーシュを選ぶ際は、ボードと同じ程度の長さで太めのものを探してみよう。また、経年劣化によりひび割れることも珍しくない。年に1回は買い替えるよう心がけてもらいたい。
▷ワックス
サーフボードの滑り止めとして使うワックスは、季節や海水温に合わせてチョイスしよう。夏のワックスは固く、冬のワックスは柔らかい肌触りが特徴的だ。
また、ボードの全面に塗る必要はなく、パドリングで腹部が触れる箇所、テイクオフの際に手足を置く箇所を中心に塗れば、滑り止めとしての役割を十分に発揮してくれる。
●まとめ
天候に気をつける必要はあるが、秋はサーフィンにうってつけの季節だ。興味はあったものの、夏に実行できなかった人は、ぜひこの記事の内容を参考にサーフィンを楽しんでみよう。