手塚治虫の直筆、可愛い少女のカラーイラスト

漫画原稿用紙に描かれた、手塚治虫直筆の可愛い少女のイラストが額装されている逸品。保存状態は非常に良好。わずかに小さな染みがある。額にも少しの汚れが見られる。

オークション最低落札価格は420,000円(現在は落札終了)

出展された手塚治虫直筆イラストの額装

オークションに出展された経緯とまんだらけの鑑定から、本作品は手塚治虫直筆のイラストであることは間違いない。しかし残念なことに、このイラストが製作当時何のために描かれたもので、このキャラが誰なのかを絞り込む材料がない。

まず、このイラストには「虫」のサインがない。手塚はサイン色紙などでない限り、当時取り立ててイラストにいちいちサインを入れていなかったという。

このイラストは何のために書かれたものなのか。「虫プロ」時代から池袋には商品部があり、そこで手塚治虫のキャラクターの商品化イラストを製作していた。ここで作られたデザインは手塚の漫画、アニメに登場してくるキャラクターが原型として使われていた。

当時のスタッフに話を聞いたところ、商品化のための独自のデザインを手塚が描き起こしたことは一度もなかったという。全て漫画、アニメのキャラクターが使われていた。それならこの少女のようなキャラが描かれることはない。

次にアニメーションのキャラクターである可能性だが、このイラストに描かれた少女は、手塚作品のアニメーションには登場していない。TV特番(マリンエクスプレスから始まる)などに登場してくるキャラクターは、手塚の他の作品に登場したキャラが使われていた(ゲストキャラクター制)。

「虫プロ」「手塚プロ」に在籍していたスタッフ数名に聞いてもこのイラストの少女のキャラクターは判明しなかった。

彼らの意見を総合してみると、少女の正面の顔の描き方が、手塚作品の初期のラインではないとのこと。ちょうど週刊チャンピオンで「ブラックジャック」を描いていた頃(1973〜1983年)の絵に思えるという。少女の手の太さに比べ、足の太さには特徴がある。

この頃に、キャラクターデザインなどのスケッチで描かれたイラストではないか、という可能性が浮上してきたが、そこまでだった。

いずれにせよ40年以上の時を経て、この保存状態で人目に触れることが出来たことは、奇跡的といえるだろう。

中野ブロードウェイの中の「まんだらけ」専門店紹介

中野ブロードウェイには「まんだらけ」の面白い専門店がたくさんあるので紹介したい。4Fの「中野マニア館」は、1990年代以前に特化した古書、中古グッズ、CDなどを扱う店舗だ。昭和のレトロソノシートがショーウインドウで特集展示され、陳列販売されている。

「へんしん!ぽんぽこ玉」、「無敵わんぱく」のソノシート。「へんしん!ぽんぽこ玉」は主題歌、いい子ちゃんの二曲入り。4,000円。
「無敵わんぱく」には主題歌2曲とお話「忍術大作戦」が収録されている。12,000円。(※いずれも税別)

 どちらも筆者は初めて目にする、たいへんレアな逸品だ。

原子力潜水艦シービュー号「海底科学作戦」1964年~1965年(白黒作品)。1967年~1969年(カラー作品)。TV放映作品(TV東京系)。SF映画「地球の危機」のTVドラマ化作品。ソノシートには「巨鯨との死闘」「失われたミサイル」の二話収録。5,000円。
「ドリトル先生の不思議旅行」5,000円。

藤田まことの「てなもんや三度笠」7,500円。「てなもんや三度笠」「なぜか気があうウマがあう」「てなもんや数え歌」の3曲収録。他テレビお笑いセリフ入りというのが、楽しい。

「まんだらけのお宝大紹介」、まためずらしいお宝を随時紹介したい。

まんだらけ中野店http://www.mandarake.co.jp/shop/index_nkn.html
東京都中野区中野5-52-15 4F
電話 03-3228-0007

文/宮川総一郎
エッセイスト、漫画家、小説家。代表作:漫画『マネーウォーズ』(集英社ビジネスジャンプ)。小説:「七福神食堂」「東京謎解き下町巡り」(マイナビFan文庫)。総監修:「漫画から学ぶ生きる力」、他。