21825これからの新しい住まいの形「タイニーハウス」で楽しむ田舎暮らしのススメ|移住するなら、粋な『家』へ

これからの新しい住まいの形「タイニーハウス」で楽しむ田舎暮らしのススメ|移住するなら、粋な『家』へ

男の隠れ家編集部
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今回のコロナ禍をきっかけに、自然あふれる田舎を拠点にした生活を検討しはじめた人もいるのではないだろうか?そんな人たちへ暮らしの楽しみを増幅させてくれる、田舎にあう“粋”な家として、注目の「タイニーハウス」を紹介。
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物質的にも精神的にもミニマルに暮らす

約20㎡以下の小さなスペース。そこに住まいとして必要な機能が収まっている家のことを「タイニーハウス」という。リーマンショック後にアメリカでムーブメントとなり、日本では東日本大震災後、注目が集まる新しい住まいの形だ。

「人口が減り、空き家が増えている日本では、家の資産価値を維持するのは難しい時代です。家を建てるために何千万ものローンを抱えて不自由な生活をするよりも、小さな住まいでお金に縛られず、趣味や自由な時間を楽しむ方が時代に合っている。タイニーハウスなら、ちょっといい車を買うのと同じ感覚ですから」

そう語るのは、山梨県・小菅村にある「小菅村タイニーハウスプロジェクト事務局」代表で、建築家の和田隆男さん。小菅村では、村の木材を活用すべく「タイニーハウスデザインコンテスト」を2017年より実施。受賞作品を実際に村に建築し、8畳一間のタイプをはじめ、現在では9戸のタイニーハウスが完成。村営住宅として活用されている。

タイニーハウスは、空間の使い方が秀逸だ。棚を兼ねた階段、ロフトのベッド、収納可能な備え付けのテーブルなど、暮らしに必要な機能が無駄なくコンパクトに設計されている。

「小屋とは違い、小菅村のタイニーハウスは『小さくても快適な家』を目指しています。スペースはあればある分だけ使いたくなるもので、実際にタイニーハウスに住んでみると、そのスペースに合った住まい方になっていく。私の家は、二歩以内にすべての機能がある感覚です。ミニマルライフが自然に達成でき、精神的に豊かな暮らしになりますよ」

土地代が安い田舎なら、夢のマイホームがかなりの低予算で実現可能に。小さな住まいが叶える自由なライフスタイルは、今後ますます普及していきそうだ。

【DATA】
予算: 500~1200万程度
間取り: 1K
メンテナンス: 一般的な住宅と同じく、特別なメンテナンスは不要。セルフビルドする場合は、自分で構造を把握できるためメンテナンスもしやすいという利点も。また、スペースが狭いため掃除も行き届きやすい。
問い合わせ:小菅村タイニーハウスプロジェクト事務局
山梨県北都留郡小菅村4581 小菅村YLO会館3階
Tel. 090-3963-1517
http://tinyhouse-kosuge.com/

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地方で家を探すには?

物件探しのコツ

人口が少ない田舎では、不動産に出回る物件があまり豊富ではない。ぜひ活用したいのが、自治体が運営する空き家の仲介サービス『空き家バンク』だ。自治体ごとに利用法や内容が異なるため、移住検討エリアの情報を小まめにチェックしよう。また、持ち主が分かれば直接交渉や知人からの紹介という手も。地域での人脈作りこそ、希望の物件を見つける一番の近道といっても過言ではない。

借りるか、買うか

気軽な賃貸も、憧れのマイホームも、どちらも一長一短があるので好みの問題。ただ、移住と同時に家を購入するのは高リスク。まずは地域のことをよく知った上で土地探しをするのが望ましい。できればお試し的に賃貸で移住生活をした後、じっくり土地を探すと失敗がないだろう。ただし、田舎の場合、売買物件にも増して賃貸物件が乏しいケースも少なくない。

周辺環境の確認

自然豊かな土地での暮らしは、楽しみが多い分、都市生活にはない不便さやリスクも。土地や建物だけにとらわれず、時間帯や季節を変えて訪れ、周辺環境もしっかり確認しよう。山間地域では、日照時間の確認が重要。山の陰にあり、一日まったく陽が差さないという物件もある。台風や大雨、洪水、崖くずれ、塩害、冬の積雪や凍結など、一年を通してのリスクも要確認。

契約は慎重に

購入の際は、『市街化調整区域』かどうかの確認を。土地代が安いものの、商売が制限されている、住宅ローンの審査が通りにくいというデメリットがあるので注意が必要だ。また、不動産業者を介さず、持ち主と個人間売買をする場合は、司法書士や個人間売買専門の業者に仲介してもらうのがベター。賃貸の場合は、リフォームにまつわる費用負担の有無やその他ルールを契約前に確認を。

写真・取材・文/曽田夕紀子

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