108777遠藤憲一 ご当地の魅力に出会う旅 第六回「界 別府」|王道映ゆる湯、あたらしきを湛ふ湯宿へ。

遠藤憲一 ご当地の魅力に出会う旅 第六回「界 別府」|王道映ゆる湯、あたらしきを湛ふ湯宿へ。

男の隠れ家編集部
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王道なのに、あたらしい———。遠藤憲一さんが日本全国の「界」をめぐり、その地ならでは特徴をいかした湯宿、さらに「ご当地楽」に出会う、春夏秋冬旅。

【プロフィール】
遠藤憲一(えんどう・けんいち)
1961年東京都生まれ。1983年ドラマ「壬生の恋歌」でデビュー。個性派俳優として数多くの映画・ドラマで活躍。BS朝日「きっちりおじさんのてんやわんやクッキング」では、初心者ながら料理に奮闘する素の姿が人気。テレビ朝日「未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3」に出演中。

■明治の記憶が残るジモ泉と“温泉街を体現”する宿

“泉都”とも呼ばれる大分県別府市。この地について深く知ろうとすると、他の温泉地のようには語れない。

なぜならここは地の底から湧き上がる熱とともに、人々の営みもまた永く積み重なってきた場所だから。

「別府は温泉の魅力はもちろんだけど、街にも歴史や風情があって散策するのが楽しいよね。ずっと前から訪れるのを心待ちにしていたよ」

1879(明治12)年から地元で愛される「竹瓦温泉」。界 別府の「別府レトロ湯めぐり旅」を利用して遠藤さんも訪れた。

星野リゾートの「界」を巡る旅もこれで6カ所目。俳優の遠藤憲一さんにとって、「界」を巡る旅はライフワークの一つともいえる。

そして満を持して訪れたのは、日本一の源泉数と湧出量を誇る別府温泉郷に宿を構える「界 別府」だ。

モダンなエントランスからエレベーターに乗り、たどり着いたのは「湯の広場」。

「湯の広場」全景。幻想的に和紙提灯が下がり美しい。
重なる桶の上から手湯が流れる仕組み。
湯の広場の外には別府湾を見渡す足湯が。「足湯も景色も最高だね!」と遠藤さん。

大きな窓から広く別府湾を望み、和紙の提灯が照らす石畳や桶の重なった手湯など、かつて湯治客で賑わい“不夜城”と称されてきた別府の街並みの面影を感じさせる。

足湯や手湯を愉しんだ後は、今宵の一室、ご当地部屋「柿渋の間」でひと休み。

「せっかくだから明るいうちに別府の街をブラブラ歩きたいな」

ご当地部屋「柿渋の間」は広い窓から海を絵画のように愉しめる。別府の名所「血の池地獄」の色から着想を得た柿渋色の壁が落ち着きを与える。

遠藤さんは「界 別府」が提供するアクティビティ「別府レトロ湯めぐり旅」を体験することに。

別府には「ジモ泉(※)」つまり“地元の温泉”である共同温泉が100カ所以上あるといわれており、地域の人々は日常からジモ泉を愛用している。

ジモ泉を楽しむため、まずは温泉に精通したスタッフから手ほどきを受ける。
ジモ泉巡りセットの手拭いや桶も完備。

旅人としては、そんなローカルな体験もしてみたい。しかし泉質や温度が異なるのと同様に、独特な文化や入浴方法も各々に存在する。

そのため地元の方への配慮を含め、旅人も心地よく湯浴みが愉しめるようスタッフがルールや歴史の手ほどきをした上で、おすすめのジモ泉までアテンドしてくれる。

遠藤さんは日本最古のアーケードともいわれ、往時の風情が色濃く残る竹瓦小路のレトロな街並みを漫ろ歩き、竹瓦温泉を訪れた。

竹瓦温泉までレトロなアーケードをスタッフと共に歩く。昔ながらの建物や店構えにカフェや雑貨店などがあり街歩きが楽しい。別府にはこんな小道が多く残る。

■自慢の美肌の湯と温泉街文化“愉しい”が終わらない夜

散策を愉しみ、宿へ戻った遠藤さんはその足で「界 別府」自慢の美肌の湯へ。

鶴見岳と由布岳の恋物語の民話に着想を得た臼杵焼のモチーフが輝く内湯と別府石の露天風呂で日頃の疲れを癒す。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉は美肌効果のほか冷えや肩こり、筋肉痛にも良い。

「湯船ごとに温度が違って気持ちがいいね」。

「別府は他の界より温度が若干高いかな。僕にとっては少し熱めに感じるけど、源泉かけ流しで最高だね!」

散策と入浴ですっかりお腹も空いた。今夜の夕餉はなんだろう? とワクワクしながら食事処へ。

湯小屋(大浴場)や食事処へは庭園を抜けて向かう。これも別府の街とジモ泉文化を再現しており、家を出てお風呂に入りに行く感覚が味わえる。

「界 別府」の夕食は大分の旬を満喫する味覚が用意されている。彩り豊かな先八寸や「鰻と山芋の博多」のお椀、5種の魚介が堪能できるお造り、豊後鍋に至っては大ぶりなイセエビが贅沢に愉しめる。

「鰻のお椀が優しい味でね、すごく美味しい。太刀魚のお造りも鮮度が良くて都心では味わえない旨さだね。甘い九州醤油との相性が抜群!」

旬の恵みを取り入れた「豊後鍋とりゅうきゅうの会席」。鮮度抜群のお造りは名産のカボスを絞っていただく。

さらに遠藤さんは白米が大層気に入った様子。大分産ヒノヒカリの炊き上がりの粒立ち、艶、程よい水分、給仕するスタッフの盛り付けも含めて素晴らしかったと大絶賛。

「ご飯だけでも食が進むのに、りゅうきゅうを乗せたお鍋の出汁茶漬けも最高。おかわりしちゃったよ(笑)」

イセエビや魚介がメインの豊後鍋は滋味深い。〆の出汁茶漬けは絶品だ。

食事に大満足した後も、「界 別府」の夜はまだまだ終わらない。湯の広場へ赴くと、そこはまるで夜店が並ぶレトロな世界。

お座敷遊びの投扇興や金毘羅船船、スマートボールでひとしきり懐かしい遊びを体験し、ご当地楽「湯治ジャグバンド」の開演を待つ。

懐かしのスマートボールでは隠れた才能を発揮する一コマも。

法被と捻り鉢巻姿のスタッフが登場し、大小様々な桶と温泉の湯で豪快な演奏がスタートすると会場は一体となって盛り上がりを見せる。

笑顔が溢れ、思い思いに愉しむ「界 別府」の夜。「楽しかった」と呟く遠藤さんの横顔は輝いていた。

別府港の開港と共に湯治客で賑わった街の歴史にちなみ、法被姿のスタッフが「湯治ジャグバンド」を演奏。
往年の熱気をリズムに込め桶の音を響かせて夜のひと時を盛り上げてくれた。

館内はエリアごとに石畳や豊後絞りを思わせるデザインカーペットなど床の材質が変わり、建物の中にいながら別府の街を散策するような演出が隠されている。

夕方からは「湯の広場」が夜の温泉街に様変わり。投扇興や金毘羅船船などの「お座敷遊び」が体験できるほか、「湯語り処」と称し温泉名人が語る別府の歴史や文化の紹介が愉しめる。

湯語り処の参加者には溶けにくく冷んやり美味しい「葛アイスバー」の提供も。
ほかにも「焼酎屋台」が出現し、大分の麦焼酎を味わいながら気ままに楽しい時間が過ごせる。
遠藤さんは初めての投扇興に興味津々。「意外と難しいけど、つい夢中になっちゃうね!」。

■温泉文化いろは 〜美肌温泉と温泉ミスト作り〜

「界 別府」の湯はメルティング浄化温泉(美肌温泉)と認証されており、その温泉水や精油(カボス・スギ・ラベンダー)などを使いオリジナルの温泉ミスト作り体験がラボで愉しめる。

■隈研吾氏が建築を手がけた別府の温泉街を再現する宿

「王道なのに、あたらしい」をコンセプトに全24施設で展開する、星野リゾートの温泉旅館。(2026年6月時点)

ブルゾン10万7800円、パンツ8万5800円、カットソー1万7600円、シューズ4万9500円(Y’s for men) ※すべて税込
問◎ヨウジヤマモトプレスルーム ☎03-5463-1500

スタイリング/中本コーソー ヘアメイク/村上まどか 文/田村巴 撮影/野村雄治 取材協力/界 別府

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