ポカリスエットは「多量の汗をかいた後」「二日酔いの後」「風邪をひいたとき」などに効果的なのは有名な話だ。

しかし、ポカリスエットの誕生秘話を知らない人は意外にも多いのではないだろうか。そこで今回は、ポカリスエットが完成するまでの歴史や背景について解説する。

■ポカリスエットの発明はメキシコ

ポカリスエットの発明はメキシコだとされている。今から40年以上前、画期的な飲料の開発を目的にした研究員が、出張先のメキシコでお腹をこわして入院した。

入院先の医師から「体内の水分と栄養が不足しているから、とにかく水分と栄養を補給するように」と炭酸水を渡された。そこで研究員は「ゴクゴク飲みながら栄養も一緒に補給できる飲み物があればいいのに」と思っていた。

さらに、手術を終えた医師が水分補給のために点滴液を飲んでいるのを目撃し、研究員は「飲む点滴液」のアイデアをそこでひらめいた。これがポカリスエットの発明の第一歩である。

■ポカリスエットはスポーツ飲料ではない?

本格的に開発をスタートしたのは画期的なアイデアが出てから3年後だ。世の中がジョギングブームということもあり、研究員たちは一斉にポカリスエットの開発を始める。

アイデアをひらめいた当時は「飲む点滴液」の開発を予定していたが、「汗の飲料」として路線を変更した。汗をかいて失われるのは水分と電解質ということもあり、失った汗の成分を瞬時に補給できる飲料は需要が高いと踏んだからだ。

さらに、ポカリスエットはスポーツ飲料としてではなく、「たくさんの人に飲んでほしい」という思いがあり、日常生活の中で飲める健康飲料を目指した。

しかし、ポカリスエットの開発はすべてが順調ではなかった。研究を進める中で汗には複数の種類があり、日常でかく汗の塩分濃度はスポーツをした後よりも低いことがわかった。そこで日常の汗を再現したが、おいしくない飲料ができ上がってしまったのだ。

それからポカリスエットの試行錯誤をして2年の月日が経った。幾度となく試作を行っていた最中、あまりおいしくないとされていた「汗の飲料」と「柑橘系粉末ジュース」を社長の一声で混ぜて試飲してみた。すると独特の苦味が消え、以前よりも遥かにおいしい飲料へと変貌を遂げた。

■さらなる味の調整を経て

ポカリスエットの開発はさらに進み、ついに糖質濃度の薄いタイプと濃いタイプの2択になる。しかし、多くの研究員が濃いタイプを推す中、技術部長だけは薄いタイプをなぜか望んでいた。

技術部長が薄いタイプを推奨したのは、「汗をかいたときは糖質量が少ないほうがおいしい」という理由からだった。その後、研究員たちは実際に汗をかいた後に試飲し、薄いタイプのおいしさを確信する。

しかし、試作品を初めて飲んだ社員は薄味を猛反対。それでも社長は自身の味覚を信じ、薄いタイプの飲料を思い切って発売した。それが現在のポカリスエットであり、世界中から高い評価を得ている。

発売してすぐ爆発的に売れたかというと実はそうではなく、さまざまなマーケティング施策を行い、やっとの思いでポカリスエットを大ヒットさせた。我々が日頃から飲んでいるポカリスエットは、まさに情熱と努力が結実した商品なのである。

■ポカリスエットという商品

今では当たり前のように飲んでいるポカリスエットは、長い歴史を経て誕生した商品である。爆発的な大ヒットから順調に販売本数を伸ばす中、ポカリスエットは環境負荷の低い商品を考慮し、さまざまな容器を用いた商品を開発した。

245ml缶のポカリスエットから始まり、570mlのボトルタイプ、340mlの缶、1.5Lのペットボトルというように、少しずつ容器や内容量を変えている。また、最近ではスティックタイプのものから、ゼリータイプのポカリスエットまで販売されている。

さらに、今では通常のポカリスエットのほかにも、汗をかいていない日常シーンでも効果的な「ポカリスエット イオンウォーター」も大ヒットを記録している。

このように、ポカリスエットという商品は少しずつ愛される飲料へと進化を遂げているのである。

■まとめ

本記事では、ポカリスエットの誕生秘話について詳しく解説した。

我々が日頃から飲んでいるポカリスエットは、多くの人々の情熱と努力によって開発された。また、ポカリスエットという商品が完成してからも環境に配慮した商品開発が進められ、容器や内容量に変化を加え続けている。

本記事を読んでポカリスエットに興味が湧いた方は、これまでの歴史を理解した上でポカリスエットをぜひ飲んでみてほしい。新鮮な気持ちでポカリスエットを味わえるはずだ。