56823普通に使ってた! ビジネスでも気をつけたい、誤解を生む意外な方言集

普通に使ってた! ビジネスでも気をつけたい、誤解を生む意外な方言集

男の隠れ家編集部
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日本全国に存在する方言。上京して大学に入学したり就職したりしてさまざまな地域出身の人と接するようになって、初めて自分の使っている言葉が方言であったことに気がつく人はそう珍しくない。

しばしば話の種として場を盛り上げてくれる方言であるが、重要なシーンで方言が出てしまい、コミュニケーションの齟齬が生まれた経験がある人も多いだろう。今回は、ビジネスシーンなどで気をつけたい、地域によって意味が全く違う誤解されやすい方言について見ていこう。

●そもそも方言って?

方言とは、特定の地域のみで使用される発音や言葉などの言語体系全般を指す。交通の便が悪かった時代は都で使われる最先端の言葉が地方へ伝わりにくかったため、地域ごとに閉鎖的な文化や言語が定着して方言が生まれた。現在日本には非常に多くの方言があるが、大きく分類すると16種類に分けられると考えられている。

方言では標準語にはない言葉を使うイメージが強いが、いつしかその言葉が広まり、標準語として吸収されるケースもある。たとえば、もともと京都弁だった「まったり」という言葉は、全国で使われるようになった方言の代表例だ。

●誤解や勘違いを生みやすい方言集

ここからは、使用時に誤解を生みやすい方言について紹介する。ビジネスで注意したい言葉からちょっぴり面白い方言まで、自分が使っていないかチェックしながら読み進めてみてほしい。

北海道・東北

・なげる
「捨てる」という意味。「このゴミなげておいて~」と言ってしまうと、「ゴミを投げる」ポイ捨てを連想させてしまうかもしれない。

・こわい
「疲れた、しんどい」という意味で使われる言葉。会話のなかで「最近夜はこわくって」と話すと、「怖いことがあったのかな」誤解を生んでしまいそう。

・しね
これは「噛み切れない」という意味の秋田弁。食事の場で「肉、しね」と言われたら、突然の暴言かと県外の人は驚いてしまうだろう。

・だから
「そう思う、わかる」という意味で、同意するときに使われる言葉。一般的には因果関係を表す接続詞として使われるので、「この本面白いよね」と言われた際に「だから」と返してしまうと、冷たいと思われてしまうかも…。

関東・中部

・くれる
くれるは、長野弁で「あげる」という意味。ちなみに一般的な使われ方もするため、「うちの犬にこのエサくれるー」と言われると、何がなんだかわからなくなってしまうだろう。

・しんでもえーよ
この言葉は、新潟県周辺で使われる「しなくてもいいよ」という意味の方言。「今日中に仕事が終わりません」「しんでもえーよ」なんて言われたら、「そんなに怒ること?」と心臓が止まりそうだ。

・えらい
中部地方をはじめ、関西や四国などでも使われるえらいは、「しんどい」という意味。一般的には「偉い」という意味で使われるので、「今日はたくさん仕事してえらいですね」と、ビジネスシーンでは言わないように気をつけたい。

・コケ

「この間食べたコケが美味しくて」と聞くと苔を食べたのかと驚いてしまうが、これは石川県を中心に使われる「きのこ」を意味する方言。地面から生えてくる点は共通しているが、意味は大違いなので要注意だ。

近畿

・なおす
関西で使われることが多いこの言葉は、「片付ける」という意味。「このパソコンなおしておいて」と言われると、壊れていて修理が必要なのかと勘違いしてしまいそう。

・らっこ
生き物のラッコを連想させるが、兵庫県では「大丈夫」という意味で使われる。「仕事間に合いそうですか?」「らっこ」というやり取りがあると、意味がわからず困惑してしまうかも。

・ほっとく
放っておくと勘違いされやすいこの言葉は、近畿では「捨てる」という意味。近畿出身の人に「このゴミほっといて」と言われたら、捨てればいいのか放っておけばいいのか迷ってしまうだろう。

中国・四国

・ようこそ
鳥取を中心に使われる「ようこそ」は、「ありがとう」という意味を持つ方言。お土産などを渡したときに「ようこそ」と言われるとなんとなく会話は成立するが、微妙に話が噛み合わなくなってしまうかも。

・あつい
広島などでは「あつい」を、「暑い・熱い」と「痛い」の両方の意味で使う。ほかにも、「歯がはしる」「胃がにがる」など、痛みに関する表現がたくさん存在しており、勘違いを生みやすい。

・ごくどう
高知県出身の人に「俺ごくどうだから…」と言われたら、「俺は怠け者だから…」という意味。極道の妻は怖いが、ごくどうの妻である場合は恐れる必要はない。

九州・沖縄

・くる
熊本を中心に使われるこの言葉は、反対の「行く」という意味。「今からくる」と言うときは、来客を待つのではなくこちらから出向かなければ行けないため注意が必要だ。

・ほたる
生き物のホタルを連想してしまうが、大分県民を中心に「捨てる」という意味で使われる方言であるため注意。会話のなかで突然言われると、他県民は混乱してしまうこと間違いなし。

地域や世代によっては、「ほいる」「ふつる」「うしつる」と言うケースもあるようだ。

・なーい

「今日の資料持ってきた?」「なーい」という会話があるとドキリとしてしまう。佐賀県を中心に使われるこの言葉は、「はい」という意味。本当はあるのに、ないと勘違いされてしまう要注意の方言だ。

●ユニークな方言を話の糸口に活用してみてはいかが?

標準語と異なった意味を持つ方言は非常に多いため、ビジネスやフォーマルなシーンで誤解を生まないように気をつけたいものだ。ややこしくて注意が必要な方言だが、「方言あるある」として会話の糸口になってくれることもあるので、飲み会や初対面の相手に話す鉄板ネタとして持っておいても面白いかもしれない。

今回紹介した方言や使用地域は一例であり、地域によっては同じ言葉でも違う意味を持っていたり、離れた地域で同じような方言を使っていたりするケースもある。方言のひとつひとつに地域の文化や背景が隠されているため、言葉をきっかけに各地の文化に触れてみてはいかがだろうか。

編集部
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いくつになっても、男は心に 隠れ家を持っている。

我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

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