NetflixやPrime Video、U-NEXTなどのストリーミングサービスで、年間100本程度の映画やテレビシリーズを観る海外テレビウォッチャーのキャサリンさんに、「隠れ家でこっそり鑑賞したい超過激な作品」を毎月2つオススメしてもらう連載。第16回は、韓国スター主演作品です。
■2人のベテラン韓国俳優が魅せる、サイコパスな演技に震撼!『ナルコの神』
『梨泰院クラス』、『愛の不時着』などNetflixの韓国ドラマは良作盛りだくさん。その中でも昨年の配信開始後、世界的人気を博したのが本作『ナルコの神』だ。
貧乏だった主人公がじり貧から成り上がり、何とかして平凡な暮らしを手に入れたが、長い人生を考えるともっと稼がなければならない。そう思い、親友と共にスリナムという聞きなれない南米の国へ一花咲かせに行く。しかし、そこで待ち受けていたのは壮絶な裏社会バトルだった。
なんとこのストーリーは一部脚色あれど、実話がベース。物語で暗躍する強烈すぎる各キャラクターは、韓国を代表するスター俳優ハ・ジョンウ、ファン・ジョンミンらをはじめ、台湾出身でハリウッド進出も果たしているチャン・チェン等が演じており、その演技バトルから目が離せない。
特に、事件に巻き込まれながらもタダでは決して起きない主人公演じるハ・ジョンウの、一見普通のオッサンに見えて敵に回すとヤバイやつ的な存在感と、どう考えても絶対やばそうな雰囲気しかない神父役ファン・ジョンミンのややサイコパスがかった演技は観るものを圧倒する。
~ひとりで楽しむ男の隠れ家ポイント~
その過激な描写から、ドラマの舞台となったスリナム政府から抗議を受けたほど。全6話、後半に向け尻上がりに面白くなる展開は一気見必至!
■『イカゲーム』で世界に名を馳せたイ・ジョンジェの主演作『サバハ』
Netflixの非英語圏ドラマで最も人気を博したと言っても過言ではない『イカゲーム』に主演し、エミー賞を受賞。その後、スター・ウォーズの新作テレビシリーズにも抜擢された韓国が誇る実力派俳優イ・ジョンジェ主演作品。
神父であり新興宗教の問題を研究している主人公が、「鹿野苑」という新興宗教の調査を始める。ちょうどその時、女子中学生が殺害された事件を追う中で、ある刑事もまた鹿野苑に辿り着く。新興宗教の教祖の過去を紐解く中で見えてくる意外な展開とは……。
これまで新興宗教を扱った作品では、刑事や新聞記者が挑む作品が多かったように感じる。しかし本作では、自身も敬虔なキリスト教徒で布教活動をする立場の神父が、新興宗教にガチで挑むところが見応えの一つと言える。
宗教の基礎はどんなもので、どのように広まる性質があるのか? といった内部事情まで知る人物が主人公として据えられていることで、宗教への知識もアップするとともに事件の根深さも強く伝わってくる。
~ひとりで楽しむ男の隠れ家ポイント~
オカルトミステリーと捉えても良いが、昨今の日本の状況も考えると、新興宗教が持つ危うさについてフォーカスすれば、ある種社会派な映画とも言えるかも。
【キャサリン】
Netflix、Amazonプライムビデオ等のストリーミングサービスで最新作を追いかける海外テレビシリーズウォッチャー。webメディア・雑誌などで執筆。
▼あわせて読みたい