400年の歴史を誇る日本最古の磁器「有田焼」のいま

手前/呉須千段下錆 奥/朱千段下錆 独自の刷毛巻技法を使ったマットな白磁に、藍や赤が繊細に施される。

日本で初めて「磁器」が焼かれて、約400年になる。その発祥は佐賀県有田町。李朝の陶工・李参平が、有田町泉山(泉山磁石場)で良質の白磁鉱を見つけ、わが国初の白磁器焼成に成功した。

伊万里の港から積み出したことから「伊万里焼」として広まり、17世紀後半からはヨーロッパへ送られるようになる。その品質とデザインの秀逸さから、上流階級の人びとを中心に愛用されるようになった。 

日本磁器発祥の地で現在採掘は行われていないが、掘り続けられてきた歴史が眼前に迫る。国指定史跡となっている。

今、有田では先人の高い志と知恵に学ぼうと、海外にも認められる商品の開発を進めている。最初に企画したのが「有田焼万華鏡」。窯業の専門家からは磁器と金属やガラスの接合は無理といわれたが、ガラス工芸や万華鏡作家らとコラボレーションを進め、試行錯誤の末、美しい万華鏡が仕上がった。

有田焼万年筆 染付章魚唐草濃万年筆。植物の生命力を表す吉祥文様である唐草を、渋い色合いの染付で、1本1本描き上げた。24金メッキ仕上げ。佐賀段ボール商会、源右衛門窯、香蘭社、セーラー万年筆、丸善のコラボ企画。(2013年取材時の商品)

続けて開発されたのが「有田焼万年筆」。セーラー万年筆など、最高の技術と情熱が小さな万年筆に注ぎ込まれ、2年後に完成となった。売れ行きもよく、有田焼万華鏡とともに海外の評価も高い。「有田焼」の名が再び世界に広まっていく予感がする。

[トンバイ塀]トンバイとは、窯を焼くときに使う耐火煉瓦のこと。その廃材を赤土で固め、塀などに活用した。
土が形を変えていくと、器の内側からへらで強く押して土を締める。力の入る工程だ。

※2013年取材

構成/アイランズ 写真提供/(社)有田観光協会、源右衛門窯